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「来るべき震災に備えよ」(前半)三橋貴明 AJER2023.7.4
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◆◆◆一般参加可能な講演会のお知らせ◆◆◆
第100回AT-1 / 大経連お披露目祭り 9月23日(土) 13:30(開場12:45) ※懇親会18:30〜20:30
会場:東京プリンスホテル / 2階 鳳凰の間
始まりから嘘だった!史上最悪のバカげた学問 その名は「経済学」[三橋TV第735回]三橋貴明・高家望愛
資本主義とは「労働者を増やす」「労働時間を増やす」ではなく、投資による生産性向上で成長していく経済モデルです。投資、つまりは「資本を投じる」から資本主義なのです。
例えば、運送サービスで考えてみましょう。
東京-大阪間を、一般道路を使い、軽トラックで荷物を運ぶ。どれだけ非効率なんだ、という話ですね。
その後、「高速道路」「大型トラック」という資本が投じられた。働く人も、労働時間も同じだったとしても、運送サービスの生産量は激増することになります。
高速道路は「公共投資」。大型トラックは「設備投資」。
資本主義の特徴は、生産性を高めるための資本を「生産」できるという点です。
運送サービスに高速道路、大型トラックという資本が投じられた。
高速道路、大型トラックは、生産できる。というわけで、需要ば無限と仮定すると、資本主義は「生産した資本を生産に投じる」ことで、ひたすら経済成長していくことになります。
もっとも、もちろん需要は無限ではありません。さらには、日本はバブル崩壊と橋本緊縮財政により、供給能力が総需要を上回るデフレ経済に陥った。
需要が無限どころか不足しているわけで、当たり前ですが、生産性向上の投資は起きなくなり(何しろ、客がいない)、経済成長率は低迷しました。投資が低迷した資本主義経済が成長するなど、ありえません。
【インフレギャップとデフレギャップ】
http://mtdata.jp/data_46.html#Gap
やがて、運送サービスや土木サービスなどは、サービス価格が下がり、働き手の給与までもが下がっていった。
業界から人が離れ、働き手は残業時間を増やすことで、何とか必要な所得を稼ぐ状況になった。
そこに、2024年問題。
2024年は、物流の「2024年問題」に、土木・建設の「2024年問題」により、元々「大変な年」になるのは明らかだったわけですが、そこに大阪万博の問題が加わる。
日本はいよいよ、需要拡大ではなく供給能力の毀損による「インフレギャップ」に苦しむ時代に入ったようです。
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お待たせいたしました。【眠れなくなるほど面白い江戸日本(後編)】がリリースになりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
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『大阪万博の工事、残業規制適用外に 作業遅れ協会側要請 建設「2024年問題」対応
2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の運営主体・日本国際博覧会協会(万博協会)の幹部が、来春に予定される建設業界に対する時間外労働の上限規制を万博工事には適用しないよう政府側に要請したことが27日、分かった。海外パビリオンなどの準備作業が遅れるなか、協会は人手不足が懸念される「24年問題」への対応が不可欠と判断した。
関係者が明らかにした。政府は少子化対策や女性の活躍推進などの一環で働き方改革を掲げてきた経緯があり、特例を認めるか慎重に判断するとみられる。特例が適用されれば建設工事の進展を見込める一方、長時間労働を容認する姿勢と受け止められ、反発を招く恐れがある。(後略)』
7月28日、(岡田直樹万博担当大臣は、
「(事務方が)博覧会協会とともに将来的な課題を洗い出す過程において、(残業時間の規制適用を外すことが)話に上がってるということは聞いております」
と、発言。これに対して建設業界団体は猛反発しています。
それはまあ、誰が考えても「ご都合主義」としか表現できないわけです。
特に、大阪万博のパビリオンが問題なのは、万博が終わったら取り壊す、という点です。これが、高速道路の建設等であれば、完工後に日本経済の生産性向上に貢献する。とはいえ、パビリオンには何の生産性向上効果もない。何しろ、取り壊す。
日本の生産性向上には何の貢献もしない万博パビリオンに、24年問題で超人手不足が懸念されている土木・建設の生産力を回さなければならない。
運送や土木・建設に限らず、人が働いて、財やサービスを生産する「供給能力」を軽視し、カネ、カネ、カネと費用を削り、デフレ下で供給能力が破壊されていく状況を放置した日本国民は、いよいよツケを払うことになりそうです。(すでに払っていますけどね)
「カネではなく供給能力を重視した経済を!」に、ご賛同下さる方は、