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「来るべき震災に備えよ」(前半)三橋貴明 AJER2023.7.4
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◆◆◆一般参加可能な講演会のお知らせ◆◆◆
第100回AT-1 / 大経連お披露目祭り 9月23日(土) 13:30(開場12:45) ※懇親会18:30〜20:30
会場:東京プリンスホテル / 2階 鳳凰の間
少子化問題を切っ掛けに正常化し始めた財政議論[三橋TV第733回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/3PPoPsI1m2M
さて、わたくしの大好きなデータ、「中長期の経済財政に関する試算」の23年7月版が公表されました。
なんで大好きなのかといえば、プライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)のデータをはじめ、過去の実績と、
「政府がどう考えているか?」
が、分かるためです。
とりあえず、2026年度までのプライマリーバランスの「赤字額」をグラフ化しました。上が「赤字額」なのでご注意ください。
【日本のプライマリーバランス赤字額の推移(兆円)】
http://mtdata.jp/data_85.html#PB23Jul
上図の2023年度以降は、もちろん見込み額です。
とりあえずショックだったのは、2022年度のPB赤字が、今年1月の見込みでは50兆円弱だったのが、27.8兆円に減ってしまっていることです。岸田内閣、菅内閣よりもPB赤字額を減らしたことになります。
理由は、政府支出削減よりも、「税収増」でしょう。政府の財政支出拡大により、税収が大幅に伸びた結果、PB赤字が大幅に縮小したのです。
ちなみに、税収が大幅に増えたとはいっても、
「皆さんのために使われることはありませんからね~m9(^Д^)プギャー ざ~んねん~(笑)」
で、ございまして、増収分は単に国債(※国庫短期証券含む)と相殺して貨幣を消してしまうだけの話です。
もっとも、当初の見込みから大幅に減ったとはいえ、PB赤字額は30兆円近い。リーマンショックや東日本大震災期と同レベルです。
2020年度と比べると大幅に縮小したとはいえ、政府がPB赤字をまだしも30兆円近くで維持しているからこそ、我々の痛み、苦しみはこのレベルで済んでいるのです。政府が本気でPB赤字の削減に乗り出した場合、我々の困窮は悪化することになります。
ここでいう困窮とは、「所得の減少」を意味しています。
誰かの支出は、誰かの所得。政府がPB赤字削減を目指し、政府支出を減らしていくと、我々の所得は減る。政府が増税し、我々の所得を奪い取った場合(そして、国債と相殺して貨幣を消す)も同じです。
政府のPB赤字削減は、誰がどうあがき、店の真ん中で駄々をこねて、転がりまわり、「違う!違う~っ!」と、手足を振り回して否定しようとも、国民の所得を減らすのです。何しろ、所得とは誰かの支出により創出される以上、仕方ありませんね、はい。
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お待たせいたしました。【眠れなくなるほど面白い江戸日本(後編)】がリリースになりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
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さて、政府は25年度PB黒字化目標という無意味というよりは有害な目標を達成するために、23年度から24年度にかけ、PB赤字を20兆円以上も一気に縮小しようと目論んでいます。というよりか、そのようにシミュレートしています。
実際に、政府が一気に20兆円強のPB赤字を縮小した場合、日本経済は恐慌に突っ込むでしょう。何しろ、PB赤字を削減するためには、政府の支出(=民間の所得)を削るか、国民の所得を増税で奪い取る以外に方法がないのです。
日本国民を殺す宣言を、相変わらず政府は目標として掲げているわけです。(実際に、自殺者は増えると思う)
というわけで、本来であれば、
「日本政府は本気で国民の所得を増やさず、奪い取り、25年度にPB黒字化を達成しようとしているのか!?」
と、起こるべきなのですが、日本のマスコミは相変わらずこのクオリティ。
『税収増でも25年度は赤字 財政基礎収支で内閣府試算
内閣府は25日、2025年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)が1.3兆円の赤字になるとの試算をまとめた。物価高で税収が上振れし、1月の試算から赤字幅は0.2兆円縮んだものの、政府がかかげる黒字化は達成できない形となる。黒字化は26年度になるとの見通しを据え置いた。(後略)』
そもそも、PB黒字化を図ると、日経の記者を含む国民の所得は激減することになるにも関わらず、
「25年度の黒字化は不可能だ! 許せない!」
系の記事を書くわけですよ、財務省の御用新聞たちは。どんなマゾヒストなんだ、お前らは。
いい加減に、このバカげた構造から抜け出そう。政府がPB黒字化を目指すと、反対側で国民の黒字が減り、赤字化していく。
誰かの黒字は、誰かの赤字である以上、この現実は誰にでも否定できないのですよ。日本のマスコミの連中も、そろそろ理解してもいいのでは。だって、小学生でも理解できるほど、簡単な話ですよ、。