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消費税の真相 パワーが弱い者に損をさせ「それって自己責任でしょ」[三橋TV第729回]三橋貴明・高家望愛
イギリスがTPPに加盟しました。TPP初の新規加入になります。もはや環「太平洋」経済連携協定でも何でもございませんな。
以前、竹中平蔵氏とテレビで一緒になった際に、彼はTPP加盟に反対していたわたくしに、
「三橋さんっ! TPPは自由貿易ですっ! 自由だからやるんですっ!」
と、言い放ったわけですが(映像残ってるんじゃない?)、そもそも「自由貿易」という言葉は、生産性が高い国(=単位労働コストが低い国)が生産性が低い国の市場をこじ開けるために使われてきた。これ、単なる歴史的な事実ですよ。
『TPP初の新規加入、英国加盟を正式承認 計12カ国体制に
日本やオーストラリアなど環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟11カ国は16日、ニュージーランド・オークランドで開いた閣僚会合で、英国の加入を正式に承認した。2018年12月の協定発効後で初の新規参加国となる。TPPの経済圏はアジア太平洋から欧州に拡大する。(後略)』
別に、外国との交易について全面的に反対する気はありませんが、
1.国内が需要不足で、価格が下落している分野
2.安全保障に影響が生じる分野
については、当たり前の話として国家は「保護」しなければならないでしょ? 「自由だからやるんですっ!」では、話が済まないのですよ。
ちなみに、自由貿易を擁護する連中は、何かといえばリカードの比較優位論を持ち出します。
「お前は比較優位論すら知らないのか!?」
という感じなのですが、いや、知っとるわ。知っているから、自由貿易の擁護にリカードを持ち出す連中を「バカ」だと思うのですよ。
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江戸時代といえば、士農工商に「身分」が分かれ、閉鎖的な階級社会だったと教えられていませんか? 実際の江戸時代は、意外に流動性が高い開かれた社会でした。想像以上に面白い。江戸時代の真実について知ってください
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
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リカードの比較優位論とは、「自国」において比較優位にある製品に特化し、交易をすることで、全体的な生産量(=消費量)を最大化できるという理論になります。
例えば、イギリスとポルトガルを例にとりましょう。
1.イギリスの工業製品の生産性が、(イギリス国内生産の)ワイン製造の生産性より高い
2.ポルトガル国内でのワインの生産性が、工業製品の生産性より高い
場合、イギリスが工業製品、ポルトガルがワイン製造に特化し、貿易をした方が全体の消費量が上がる。これが比較優位論です。
ちなみに、例えばイギリスのワイン製造の生産性が、ポルトガルのそれよりも高かったとしても関係ありません(これは絶対優位)。
絶対優位ではなく、あくまで「自国における比較優位な製品」の製造と輸出に特化することが、効用を最大化するという考え方なのです。
自由貿易論者は、何かといえばリカードの比較優位論を持ち出します。彼らは、比較優位論にはいくつもの「前提」があることを、決して説明しようとしない。
比較優位論は、以下の前提が満たされていなければ、成立しません。
1.世界には二国、二財、一つの生産要素(労働)のみしか存在しない。
2.生産は規模に関して収穫不変(生産要素の投入量をn倍にしたとき、生産量もn倍になる)。
3.完全雇用が成立している
4.各種の生産要素は一定であり、変化をしない(※投資が起きない)
5.労働や資本が国際的には移動できない。国境を越えた労働・資本の移動はない。
6.国境を越えた運送費用はゼロである
どこの異世界だよ、という話。
加えて、比較優位論あるいは自由貿易は「安全保障」を無視している。ポルトガルがワインの生産に特化し、製造業が消滅した場合、どうやって「兵器の生産」をすればいいのでしょうか?
繰り返しますが、「自由だからやるんですっ!」の人のように、単純論で交易を否定する気はありません。とはいえ、少なくとも「国内の需給バランス」と「安全保障」については、考慮しなければならないんじゃないの?
「自由貿易だ!」
とやって、日本の農業が壊滅し、食料安全保障が崩壊しても「別に構わない」というのであれば、それは一つの価値観だと思う。とはいえ「自由だからやるんですっ」といった形で、思考停止的に話を進めようとするのは、「幼稚」としか表現のしようがないと思うのですが、いかが?
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