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「来るべき震災に備えよ」(前半)三橋貴明 AJER2023.7.4

 

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消費税の真相 パワーが弱い者に損をさせ「それって自己責任でしょ」[三橋TV第729回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/vpIldy5FkFU

 国家予算とは、各分野を担当する省庁が、
「国民のために、○○の事業をしなければならない(要は、支出しなければならない)」
 ということで、事業をリストアップし、各事業の支出予定金額を積み上げ、国会で審議されるものだと思っていませんか(常識的には、そうですが)。


 残念ながら、日本はそうはなっていません。
 

 日本では、(事実上)財務省が概算要求基準、つまりは「このくらいまでなら要求していいよ」という基準を決め、閣議決定され、各省庁に伝達されます。
 

 それに基づき、各省庁は事業をリストアップする。プロセスが逆になっているのです。
 

 そして、この概算要求基準のことを、何と「シーリング(天井)」と呼ぶのです。シーリング。つまりは、「それ以上の予算を使ってはいけない」と、財務省が指示するのです。

少子化対策予算の概算要求、金額明示しない「事項要求」に…歳出膨張の歯止め難しく
 政府は、2024年度に拡充する少子化対策の予算について、財務省に要求する際に金額を明示しない「事項要求」を認める方針を固めた。6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」に基づく少子化対策の具体的な事業や規模は、年末の予算編成過程で詰める。
 複数の関係者が明らかにした。来年度予算で各省庁が財務省に予算要求する際のルールとなる概算要求基準(シーリング)を月内にも閣議了解する。(後略)』

 そもそも、政府の予算規模の基準となるべきは、プライマリーバランス(基礎的財政収支)でもなく、シーリング(財務省が決めた予算限界)でもなく、インフレ率であるべきです。ここでいうインフレ率とは、コストプッシュ型ではなく、デマンドプル型の物価上昇率であるべきです。また、インフレーションとは「物価上昇」ではなく、「経済の膨張(インフレート)」を意味しています。


 例えば、現在の日本が安定的に2~3%のインフレ率を維持しているならば、「非常事態」がない限り、予算は抑制的にして構わないでしょう。


 ただし、非常事態(戦争、大災害、疫病パンデミックなど)が起きた際には、インフレ率を無視したとしても、政府の予算は拡大しなければなりません。
 

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江戸時代といえば、士農工商に「身分」が分かれ、閉鎖的な階級社会だったと教えられていませんか? 実際の江戸時代は、意外に流動性が高い開かれた社会でした。想像以上に面白い。江戸時代の真実について知ってください

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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 というか、戦争に突入した国が、
「ちょっと予算が足りないので、兵器や兵士に金出せないや」
 とは、絶対にやらんでしょ。


 ↑この時点で、政府の予算制約がPBやシーリングではありえないことが誰にでも理解できるはずです。政府の予算制約は、
1.平時にはデマンドプル型インフレにおける物価上昇率
2.非常事態においては、国民を救うことが可能な支出規模
 の二つのみです。他に、ありません。


「そんな、無限に国債を発行していいわけない~っ!」
 と、五周遅れのおバカさん頭が悪い人が反論しそうですが、だから国債発行額は「1」が制限になります。そして、「2」の事態に至った際には、それこそ国債発行残高など気にしている場合ではないでしょ。国債発行を躊躇い、数万、数十万、数百万の国民が死ぬことを認めるの?


 ちなみに、日本政府にしても、表向きはともかく、本音では「シーリング」などとやっている場合ではないことは(現場は)理解しているというか、感づいているのです。だからこそ「事項要求」ということで、概算要求時点では金額を明示しない制度というか「手法」があるわけです。


 1や2を理解していないメディア、あるいは財務省はもちろんそんな手法を許せるはずがなく、
「事項要求が拡大し、歳出膨張への歯止めが難しくなる~っ!」
 と、煽ってくるわけですね。


 とはいえ、シーリングを金科玉条のごとく大事にしている緊縮主義者たちは、
「財政均衡が維持されるならば、国民が数万、数十万、数百万人死んでも構わない」
 と、言いたいの?


 恐らく、そうなのでしょうね。そうでないとしたら、貴方たちは単なるバカです。


 現在の日本は、まさに国家存亡の危機。それにも関わらず、シーリングだのPB目標だのを理由に、政府の歳出拡大を妨害しようとする貴方たちは、国民に「死ね」と言っているのも同然なのです。そうならば、そうだと言ったらどうですか?


「自分は、どれほど膨大な国民が死のうとも、財政均衡の方が大事だ」
 と。


 実際には「そう」なのに、「そう」とは言わないお前らの欺瞞が、本当に嫌いだ。
 

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