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「来るべき震災に備えよ」(前半)三橋貴明 AJER2023.7.4

 

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救われない世界 サラリーマンの皆さん、次の増税ターゲットは貴方です[三橋TV第728回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/4KVWNDhyta0

 経済学の始祖であるアダム・スミスは、「国富論」において、
貨幣がすべての文明国で普遍的な商業用具となったのはこのようにしてであり、この用具の媒介によってあらゆる種類の品物は売買され、相互に交換されているのである
 と、おカネを「用具」呼ばわりしています。これが、全ての始まりとなりました。


 スミスにより、おカネが「物々交換の発展形」として生まれたと、人類に誤解が広まってしまった。これを「アダムの罪」と呼びます。
 

 おカネが「物」となると、数量に限りが出てくる。おカネを使うためには、どこかからおカネを持ってくるしかない、という発想になってしまった。銀行までもが「また貸しをしている」という狂った発想が常識となった。
 

 実際には、おカネは貸借関係の成立によって創出されている。誰かがおカネを借りれば、その時点で「無」から貨幣が誕生する。
 

 貨幣とは、誰かの資産であり、誰かの負債です。誰かの資産としての貨幣が増えたとき、反対側で誰かが必ず負債を増やしている。
 

 貸借関係の成立で貨幣が創出される以上、
「資産と負債は同時に発生する」
 のです。


 日銀統計において、「誰かが資産(貨幣)を増やした」「誰かが負債を増やした」の統計を資金過不足と呼びます。誰かの純資産としての貨幣が増えた人は資金過剰。負債が増えた人が資金不足。(厳密には「資金過剰=資産が増えた、もしくは負債が減った」「資金不足=資産が減った、もしくは負債が増えた」ですが)

【日本の資金過不足(億円)】


http://mtdata.jp/data_85.html#kabusoku

 上記が日本の資金過不足のグラフです。90度回転させると、左右対称になるのが分かります(当たり前なのですが)。


 97年のデフレ化以降、翌年から日本の非金融法人企業は資金過剰状態が続くようになってしまいました。これは異常事態です。理由は、そもそも資本主義とは、企業が負債を増やし、投資し、成長する経済モデルであるためです。


 ところが、98年以降の日本の企業は資金不足、つまりは貨幣を「消す」(もしくは銀行預金を増やす)ことを始めた。


 ここで、政府が「財政黒字」になっていたとしたら、反対側で「我々(家計)の資産」が激減したことになった。とはいえ、何だかんだ言って日本政府は財政赤字を続け、家計が資金不足になることは避けられています。


 とはいえ、97年までと比べると、家計の資金過剰が明らかに少なくなっているのが分かるはずです。
 

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江戸時代といえば、士農工商に「身分」が分かれ、閉鎖的な階級社会だったと教えられていませんか? 実際の江戸時代は、意外に流動性が高い開かれた社会でした。想像以上に面白い。江戸時代の真実について知ってください

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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 デフレが継続し、企業が資金過剰を続けている以上、政府が資金不足を拡大しなければならない。資金不足(財政赤字)拡大のためには、何らかの理由が必要です。


 防衛力の強化が必要? 最高じゃないですか。現在の日本で、誰が反対するというのでしょう。


 政府が国債を発行し、防衛力が強化され、かつ需要不足が埋まるためにデフレ脱却の方向に向かい、民間の貨幣が増える。


 これが真実なのですが、「アダムの罪」に汚染された多くの国民、政治家は、
「防衛力強化のために支出したいならば、どこかから貨幣を調達しなければならない
 と、考えてしまい、無駄な時間、政治力を費やすことになる。

防衛増税の先送り巡り協議 税収上振れ活用論、自民税調
 自民党の税制調査会は13日、「インナー」と呼ぶ幹部の非公式会合を開く。防衛財源確保に向け、増税の扱いを巡って協議する。2022年度の税収が上振れし党内では防衛増税の開始時期は25年以降への先送り論が強まる。24年度予算案を決める年末までに結論を出す。
 党税調は例年、翌年度の与党税制改正大綱を決めるため11月頃から議論を本格化させる。夏場に協議するのは珍しい。政府税制調査会(首相の諮問機関)が長期的な税制のあり方を示す中期答申をまとめたのも踏まえ、この時期に開いた。
 年末に向けて政府・与党で防衛増税の扱いを決める。増税への慎重論は根強く議論には時間がかかるため、インナーで認識をすり合わせるとみられる。(後略)』

 そもそも、防衛予算の支出は、国債でなされます。というか、すでに防衛支出は拡大しているにも関わらず、防衛増税は決まっていない。


 現実に国債発行で支出しているにも関わらず、
「防衛増税の内容はどうする?」
「防衛増税はいつから始める?」
「税収が上振れしているから、先送りで良いのでは?」
 などと、むなしい議論を続けている。


 いや、目の前で、防衛増税なしで、防衛支出を拡大しているじゃん!


 アダムの罪は、人類の宿痾でございますから、仕方ないといえば仕方ないのですが、政府は税金を徴収せずに支出できる、これは単なる真実なのですよ。何しろ、現にしている。


 貨幣は「量的限界がある物」ではない。物ではない以上、貨幣のプールは作れない(貸借関係のプールなど、作れるはずがない)。


 アダムの罪、貨幣のプール論から、いい加減に脱却しましょう。それこそが、日本国を繁栄に導く、たった一つの道なのです。
 

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