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国の富とは何なのか」(前半)三橋貴明 AJER2023.6.27

 

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マジ面倒くさい!賃金切り下げたいから雇用の流動性強化と言えよ![三橋TV第724回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/snse2FfO2V0
 

 五年ほど前からだったと記憶していますが、厚生労働省が所管する少子化対策白書に、例の、

【男性の従業上の地位・雇用形態別有配偶率(%)】
http://mtdata.jp/data_82.html#chii

【男性の年収別有配偶率(%)】
http://mtdata.jp/data_82.html#nensyu

 のグラフが載り始め、日本の少子化の真因について、
日本の少子化は有配偶出生率の低下ではなく、結婚数の減少に起きている。そして、非婚化の原因は雇用形態や所得である
 と理解し、少子化対策のためには結婚適齢期の男性の雇用を安定させ、実質賃金を「安定的」に引き上げていかなければならないと主張し始めました。


 当時、安藤裕先生(当時は衆議院議員)が同じ主張をされていたわけですが、少子化対策白書のデータを素直に見れば、誰でも同じ結論に至ったでしょう。


 というわけで、安藤先生に、
「厚生労働省の官僚は、もしかして少子化の原因について分かっているんですかね?」
 と、聞いたところ、
「いや、分かっているでしょ」
 と、返された記憶があります。


 それはまあ、「少子化の原因は非婚化で、非婚化の問題は雇用環境や所得水準で起きている」というデータを自ら公表しているわけですから、分かっていたのでしょう。


 ちなみに、少子化の原因には雇用環境・所得に加え、東京一極集中があります。とはいえ、東京23区の中の「富裕区」である港区、千代田区、中央区の出生率は相対的に高く、男性の生涯未婚率も低い。これもまた、少子化の原因が雇用、所得であることを裏付けています。


 わたくしは、まさに港区のタワーマンションに住んでいますが、異様に子供が多い。もっとも、東京三区(港区、千代田区、中央区)が特別で、その他の区には相変わらず若者が流入し、高品質低価格なサービスを富裕層に提供するために、高い家賃に苦しみながら、デフレ的労働者となっている。彼ら(あえて「彼ら」)は、結婚できない。


 東京の出生数は別に減ってはいないのですが、何しろ「結婚しない(できない)デフレ的労働者」が増え続けているため、出生率は低下し、全国最低というわけです。


 東京一極集中による少子化もまた、結局は雇用、所得の問題であることが分かります。
 

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江戸時代といえば、士農工商に「身分」が分かれ、閉鎖的な階級社会だったと教えられていませんか? 実際の江戸時代は、意外に流動性が高い開かれた社会でした。想像以上に面白い。江戸時代の真実について知ってください

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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子育て世帯、所得は一般の1.4倍 世帯数初の1000万割れ
 厚生労働省が4日公表した国民生活基礎調査によると、子育て世帯の平均所得は2021年に785万円で、全世帯の平均所得(545.7万円)の1.4倍だった。収入が子供を持つかどうかの選択に影響する様子がうかがえる。65歳以上の高齢者世帯では318.3万円だった。
 高収入の家庭ほど子供を育てやすい、収入が少ないと子供を持ちにくいといった実態が浮き彫りになった。少子化は進んでおり、18歳未満の子供がいる世帯は22年に991万7000世帯と、1986年の調査開始以来初めて1000万世帯を割った。
 厚労省の担当者は「お金があるから結婚でき、子供も持つ傾向にある」と分析する。内閣府の調査でも、所得400〜499万円の子育て世帯の割合が2014年の12.9%から19年に9.4%まで減っている。世帯所得が500万円を切ると減少傾向が強い。(後略)』

 お金があるから結婚でき、子供も持つ傾向にある。その通りですが、五年前に言ってほしかった・・・・。


 ちなみに、自民党の国会議員(特に中堅よりも上の連中)は、少子化対策として「子育て支援」を主張する傾向が強い。もちろん、子育て支援は(別に、国債が財源ならば反対はしませんが。デフレ対策になるし)非婚化対策ではありません。つまりは、少子化対策ではない。


「子供を産めば、数万円、あげますよ」
 と聞いて、「じゃあ、結婚しよう」などと思う結婚適齢期の男性(あえて「男性」)は、一人もいないでしょ。そもそも、彼らは雇用が不安定で、所得水準が低すぎて結婚できないのですよ。


 それにも関わらず、自民党の当選回数が多い政治家たちが「子育て支援」にこだわるのは、2009年の総選挙で、
「こども手当」
 を前面に打ち出した民主党に大敗北したトラウマがあるからでしょ。選挙に勝つには、子育て支援が有効だと、勝手に勘違いしているのです。


 すみません。あれから、すでに14年が過ぎています。今や、日本国民は「結婚は贅沢品」という状況にまで追い込まれているのですよ。あえて断言しますが、結婚し、子供を作ることができた男女は「勝ち組」です(まあ、三回も結婚するのはどうかと思うし、お勧めもしませんが)。


 民主制国民国家の「政治」とは、負け組を作らないことに主眼を置くべきではないの? 勝ち組は、すでに勝っているわけですから、政府の支援はいらないよ(くどいですが、わたくしは国債を財源とした子育て支援には反対していません。デフレ対策になるのは間違いないから)。


 日本の政治家、政党は、上記の現実を理解した上で、結婚適齢期の男性(あえて「男性」)に、
「皆さんが結婚できるように、雇用を安定化させます。実質賃金を安定的に伸ばします」
 と、訴えかけるべきなのです。巨大な「ニッチ市場(変な表現ですが)」を獲得できますよ。別名、ブルーオーシャンです。
 

 実質賃金を引き上げるには、どうしたらいいのか。まずは、実質賃金とは何か、を知ることです。


 というわけで、今回、日本経営合理化協会の依頼で、「実質賃金とは何か?」について解説しました。

【三橋貴明の緊急提言】日本国民の所得を倍にする方法

 

 すでに、12万回視聴になっていますが、上記、つまりは国民を豊かにすることこそが、真の少子化対策ですよ。しかも、異次元でも何でもない。普通の政策です。


 そもそも、普通の政策すらできない連中こそが、「異次元の~」とか、気持ちが悪い上に無意味な枕詞をやたらに使うのですよ。今回の件で、分かったでしょ?

 

「国民を豊かにするという、普通の少子化対策をしようぜ!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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