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国の富とは何なのか」(前半)三橋貴明 AJER2023.6.27

 

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マジ面倒くさい!賃金切り下げたいから雇用の流動性強化と言えよ![三橋TV第724回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/snse2FfO2V0

 国家とは、「個人」「一人」では権利を持てない、生産性高い生活ができない、非常事態に対処しえない「人間(ホモ・サピエンス)」が生存のために様々な試行錯誤の末に生み出した共同体です。


 人間は、生まれながらにして何の権利も持っていません。なぜならば、権利とは所属する共同体が「認める」ことで初めて成立する概念だからです。


 欧州の啓蒙家たちは、「創造主(神)」が認める自然権(生まれながらにして持つ権利)があると主張しましたが、現実には神はいません。というか、八百万の神々の国で生まれた我々が、キリスト教世界の創造主に自然権を認めてもらうって、なんじゃそりゃ?


 また、人間一人当たりの生産能力などたかが知れています。それぞれが分業、専門化し、有機的に結びつくことで国民経済全体の生産性は高まり、
「一人+一人=二人分の生産」
 ではなく、
「一人+一人=十人分の生産「」
 になるのが共同体の経済です。フリードリヒ・リストがいう「生産諸力」ですね。


 我々は個人だけでは、必要なものをほとんど手に入れられない、貧しい生活を強いられることになります。


 そして、安全保障。


 敵国の侵略や大規模自然災害の際に、個人で自分や家族を守れますか? という話。


 ホモ・サピエンスは生存のために連携し、共同体を構築する利点を知ったからこそホモ・サピエンス(賢い人)なのですよ。つまりは、共同体を軽視し、個人化を進める政策をする者は、ホモ・サピエンスから脱落する。


 昨日、消費税と自己責任論について書きました。


 そもそも、税金は財源ではないわけですが、消費税の場合は、
1.納税義務者の事業者は、赤字でも支払わなければならない
2.共同体(国家)側は、消費税増税時に売価への転嫁を「予定」しているが、法律で「規制」するわけではない
 という、極めて深刻な問題があります。


 1は、応能負担ではない、という点が問題。所得(税引き前利益)と無関係に支払わなければならないという点で、消費税は人頭税的です。応能負担を無視した税金は、低所得層(※事業者含む)の不満を高め、共同体を破壊する。


 2ですが、まさに「自己責任論」に基づいている点が問題。


「え? 消費税増税分は売価に転嫁することが予定されているんですよ? できない? そりゃあ、競争力がない貴社の自己責任でしょ
 これが、消費税の根本的な発想なのです。
 

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江戸時代といえば、士農工商に「身分」が分かれ、閉鎖的な階級社会だったと教えられていませんか? 実際の江戸時代は、意外に流動性が高い開かれた社会でした。想像以上に面白い。江戸時代の真実について知ってください

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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 競争力の定義は色々とありますが、とりあえず、
「消費税増税時に、売価に転嫁できる競争力がある」
 と、
「消費税増税時に、売価に転嫁する競争力がない」
 の二つが、「能力」「企業努力」とやらだけで決まると思っているんですか? 
 

 まさか。
 

 あれだな。「能力」「努力」だけで所得水準が決まると思っている人は、最高税率(しかも、皆さんが思っている以上に所得がでかい)わたくしが、「能力」があり、他人よりも「努力」をしたと認めることになっちゃうよ。そんなわけ、ないじゃん! わたくしがどれだけバカだと思っているの(直接、付き合っている経済塾生とかは知っているだろうけど)

 

 結果を決めるのは「運」のみですよ。だからこそ、「運」の影響を緩和する共同体が必要なんでしょ。

 

 現実は、運が良い企業は、消費税増税時に売価に転嫁できる。運が悪い企業は、転嫁できない。ただ、それだけの話です。


「いや、競争力がない企業は企業努力をしてこなかったんだ」
 と、言いたい人がいるでしょうが、企業努力など、どんな企業でもしていますって。それでも、「運」によって差が出るのですよ。


 もちろん、あらゆる人間、あるいは事業者が懸命に努力し、互いに「切磋琢磨」するのは重要です。とはいえ、「殺すか生き残るか」の競争をして、運悪く負けた相手、しかも共同体を同じくする「国民」に、
「そりゃあ、お前の自己責任だろ」
 と切り捨てることは、
1.自分の権利を認めてくれる存在である、共同体を分裂、崩壊させる
2.敗者の生産力を「生産諸力」から排除し、生産性を下げる
3.非常事態時に、自分を助けてくれる人を減らす
 という意味で、自殺行為以外の何物でもないのですよ。

 

 共同体が崩壊した後は、「誰も信じない。誰も頼れない」世界で、自給自足で生きていくことになるわけだ。あっという間に餓死するよ。


 消費税という共同体を破壊する税制の廃止に反対し、インボイス制度導入に反対する我々を攻撃する貴方たちは、ホモ・サピエンス(賢い人)ではないのです。
 

「共同体を破壊する消費税を廃止しよう!」に、ご賛同下さる方は、

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