株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

日本国民の可処分所得と実質賃金を引き上げるには」(前半)三橋貴明 AJER2023.5.30

 

令和の政策ピボット呼びかけ人に、北海道教育大学旭川校准教授の古川雄嗣先生が加わってくださいました。

また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

 

経済産業省の新機軸 日本経済復活のために何をすればいいのか?[三橋TV第710回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/nFIPV-3DEkQ

 自民党内の緊縮財政派、財政健全化推進本部は5月26日に、
「必要な財政支出を惜しんではならないが、必要があれば歳入面の議論も避けるべきではない
 という文言を盛り込んだ提言を発表。


 しかも、財政健全化推進本部は災害や感染症、有事(戦争)といった「リスクに備える必要性」に触れた上で、
「財政への信認をつなぎとめるには、平時から債務残高水準を適切にコントロールしている実績を示さねばならない」
 と訴えているわけです。


 意味不明です。


 災害へのリスクに備えるならば、防災インフラに支出しなければなりません。
 感染症のパンデミックに備えるならば、医療サービスを強化し、感染症やパンデミックの専門家を育成し、ワクチン生産体制等を整備しなければなりません。
 戦争が嫌ならば、防衛力を強化し、東アジアの軍事バランスを回復させなければならない。
 

 防災インフラの建設も、医療サービスの強化も、防衛力強化も、全て政府が支出しなければ実現しない。
 

 我々、個人にしても、「リスク」に備えたいならば、おカネを支出しなければなりません。というか、リスクに備えるとは「事前に支出する」という話であって、ありもしない財政問題を理由に、「事前の備え」を怠ることではない。
 

 ちなみに、日経新聞などは自民党の緊縮財政派を「財政規律派」と呼んでいます。面白いことに、西田昌司先生たちは「積極財政派」。


 積極財政派と対になる勢力なのだから、緊縮財政派が正しいのでは?


 「緊縮財政派」のイメージが、相当に悪くなっているので、「財政規律」という言葉を使っているのでしょうが、そもそも「財政規律」とは何なのでしょうか?


 一般的には、政府の債務対GDP比率の安定、となっているように思えますが、この「政府の債務」には、その国の中央銀行が保有する自国通貨建て国債が含まれてしまっているわけです。


 そもそも、フロー(GDP)とストック(政府債務)を比較すること自体がよくわからないのですが、加えて「返済・利払いが不要な債務(中央銀行保有国債)」まで政府債務に入れてしまっているわけですから、本当に意味不明なのです。


 もっとも、日本の場合はPB黒字化であったり、さらに酷い話ですが財務省内で「政府の債務削減」になっている可能制すらある。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

お待たせいたしました!三橋 貴明×茂木 誠氏『特別対談』世界を最も変えてしまった男 ジャン・ジャック・ルソーの真実 (後編)が公開になりました!

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

国家の存亡より「財政黒字」を優先する思考回路 財務省で伝承されてきた「財政規律の大原則」 中野 剛志 : 評論家
 元大蔵省(現財務省)事務次官の齋藤次郎氏が、『安倍晋三 回顧録』の中で安倍元首相が財務省について批判したのに対して、反論している(『文藝春秋』5月号)。
 安倍元首相は、財務省について「国が滅びても、財政規律が保たれてさえいれば、満足なんです」「省益のためなら政権を倒すことも辞さない」などと批判したのである。
 これに対して、齋藤氏は、「財政規律が崩壊すれば、国は本当に崩壊してしまいます。大幅な赤字財政が続いている日本では、財政健全化のために増税は避けられず、そのため財務省はことあるごとに政治に対して増税を求めてきました。それは国家の将来を想えばこその行動です」と反論している。
 実は、齋藤氏は、この反論の中で、極めて重大な問題を暴露していた。(後略)』

 「極めて重大な問題」とは、まさに「財政規律」の定義です。

『(引用)驚くべきことに、財務省が脈々と受け継いできた「財政規律の大原則」とは、「財政の黒字化は当たり前のことでなければならない」ということだと齋藤氏は証言したのである。
 欧米諸国にも財政規律は存在するが、すでに述べたように、その指標は、政府債務残高の上限であったり、あるいは対GDP比で見た財政赤字の比率であったりと、一定の財政赤字が許容されている。「財政の黒字化は当たり前のことでなければならない」などという発想はない。』

 そりゃそうですよね。誰かの黒字は、誰かの赤字。政府を黒字化させるためには、民間か海外のいずれか、あるいは双方を赤字にしなければならない。


 NPO(非営利団体)である政府が、なぜ黒字を追求しなければならないのか。というよりも、追及している政府など、日本以外にはありません。
 

 政府を黒字にするとは、国民を赤字にするとイコールです。


 財務省がどこまで「斎藤ドクトリン」に染まっているのかは分かりませんが、いずれにせよ「元・次官」という大物ですら、狂った財政観に支配されているという現実は深刻です。


 財務省内で、齋藤ドクトリン(財政の黒字は当たり前)が支配的となると、日本国の未来は絶望的と言わざるを得ない。


 もっとも、もちろん変える手段はある。「財政規律」に関する抽象的で意味不明な議論を終わらせることです。


 政府は、インフレ率が許す限りにおいて、財政赤字(国債発行+支出)を増やしても構わない。というよりも、増やさなければならないという「現実に基づく財政ドクトリン」を、早期に国民や政治家が共有する必要があるのです。
 

「財政赤字(国民の黒字)を増やそう!」に、ご賛同下さる方は、

↓このリンクをクリックを!
本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。
㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。