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「我々は今こそ資本主義の本質を知らなきゃいけない」(前半)三橋貴明 AJER2023.4.18

 

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年金倍増!高齢化による政府支出の拡大が日本経済を(まだしも)救った[三橋TV第703回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/oZC9OKF6o1I

 

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。」
 とは、鴨長明の方丈記の冒頭文ですが、歴史は、あるいは時間は流れて行っています。


 決して、同じ瞬間は訪れない。


 1997年の橋本緊縮財政以降、財務省主権国家と化し、同時に新自由主義という「小さな国家路線」が蔓延り、国家凋落と国民貧困化に直面している我々日本国民ですが、それでも変わっては来ているのです。


 「財務省主権」という、日本を亡国に追いやりつつあるうたかたも、やがては消えることでしょう。問題は、どのくらい「久しいのか」でございますが。

なぜ「失われた30年」を止められなかったのか…経産省が「結果を出せなかった」と反省するバブル崩壊後の誤算
"新機軸"で日本復活の「最大で最後のチャンス」を生かす 飯田祐二・経済産業政策局長
 1990年代以降、日本は成長できない国になった。世界1位だった国際競争力は34位に転落し、日本人の給料は30年も横ばいの状態が続いている。「失われた30年」はどこかで止められなかったのか。経済産業省で産業政策を取り仕切る飯田祐二・経済産業政策局長に聞いた――。
◇「失われた30年」の原因はどこにあるのか
――なぜ日本は成長できない国になってしまったのでしょうか。
 過去30年間、日本経済の成長は低迷しています。潜在成長率は3%台から1%未満になり、かつて世界1位だったIMD世界競争ランキングは34位(2022年)になり、国際競争力も低下しています。
 私は入省して34年目ですので、よく言われる「失われた30年」は自分のせいじゃないかと思う部分もあります。いろいろ手を打ってきたのですが。
 90年代以降、様々な制約を取り払い企業間の競争が活発になれば経済が活性化すると考え、規制緩和などの構造改革を実施してきました。それまでの特定産業の育成を目的とする政策から、規制緩和や減税など市場環境を整えることを目的とする新自由主義的な政策へと転換していったわけです。
 ところが、そうした政策は結果として期待通りにはいきませんでした。経済成長は停滞し、給料の上がらない国になってしまいました。規制を取り払えば企業は元気になり、うまくいく――。そういうわれわれの考え方、環境づくりが結果につながらなかったのだと思います。
◇「コストカット」と「海外投資」で活力を失った
――新自由主義的な産業政策で日本はどうなったのでしょうか。
 実はここ10年ほど、日本の資本金10億円以上の企業は売上額がほとんど変わっていません。内訳を見ると売上原価が下がって利益が増えている。つまりコストカット型になっているんです。
 本来なら、経済回復に向けて新しいことに挑戦していかなければいけなかった時期に、日本全体が、特に国内においてコストカットの方向に進んでしまったのです。(後略)』

 このインタビュー記事は、じっくりと読んで欲しい。その上で、何が正しく、そして「何が不足しているのか?(間違っている、というわけではない)」をお一人お一人に考えて欲しいのです。
 

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お待たせいたしました!三橋 貴明×茂木 誠氏『特別対談』世界を最も変えてしまった男 ジャン・ジャック・ルソーの真実 (後編)が公開になりました!

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 日本企業は、失われた30年において、国内投資ではなく海外投資を増やした(だから、失われた、わけですが)。なぜなのか。


 理由は簡単です。海外の方が収益率が高いから。他に理由はない。


 では、なぜ日本国内の収益率は低いのか。


 収益率とは、例えば「粗利益率=粗利益÷売上」であり、「資本収益率=純利益÷資本」などになります。


 ここでいう利益とは付加価値の合計、ずばり「GDP」のことです。粗利益は、従業員給与などが分配される前の付加価値です。純利益は、様々な費用(法人税含む)を支払った後に残った付加価値になります。


 利益、そのものである付加価値が全く増えていない。

【日本の名目GDPの推移(兆円)】


http://mtdata.jp/data_84.html#2022made

 日本の名目GDP(兆円)は、1997年の1.02倍。そりゃまあ、日本国内の収益率が高まるはずがない。
 ちなみに、ドル建てで見ると、まさに「無惨」。

【主要国のドル建てGDPの推移(1996年=1)】


http://mtdata.jp/data_84.html#dorudate

 日本のドル建てGDPは、96年比でマイナスです。キャッハーっ!!!、という感想しかないわ。


 もちろん、ドル建てGDPは為替レートにより左右されます。とはいえ、劣等国である欧州諸国ですら、1.5倍に増えているよね。


 ちなみに、民主党政権期に日本のGDPが大きくなっているのは、単に円高だったためです。


 円建てだろうが、ドル建てだろうが、日本は経済成長という面では劣等国どころか、落第国なのですよ。


 これ、現実。


 そして、この現実をもたらしたのが財務省の緊縮財政と、経産省などが中心になって進めた「新自由主義」なのです

『これまでの産業政策は、市場機能が重視され、官は民の邪魔をしないことに徹していました。官の役割は企業が活動しやすい市場環境を整えることだったのです。
 こうした考えを改め、社会・経済の課題解決に向けて、官も一歩前に出て大胆な国内投資を呼び込もうとするのが「新機軸」です』

 うん。市場に任せてそれで話が終わるなら、経産省はいらないのでは?

 

 現実はそうではないからこそ、経済産業省があるのでしょ。ようやく「仕事」をする気になったか。


 上記以降、飯田・経済産業政策局長の話は、延々と「供給サイド」の話が続き、別に否定する気はないのですが、
「国内の需要不足=収益不足」
 とうい点には踏み込めていない。まあ、国内の設備投資も需要と言えば需要なのですが。それこそ「新機軸」に出てきた、「大規模・長期・計画的」な財政出動は、どこにいった?


 ともあれ、新自由主義の旗を振っていた経済産業省が明らかに「反省」し、方向を転換したのは喜ばしいことです。
 

 変化は、急激には訪れない。革命やっているわけではないので、「そんなもんでしょ」と割り切り、ひたすら子々孫々のために抗うしかないのですよ。人類の歴史なんて、そんなもんです。
 

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