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「我々は今こそ資本主義の本質を知らなきゃいけない」(前半)三橋貴明 AJER2023.4.18

 

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希望ある日本国へ まずは負担が重い社会保険料を無くそうぜ![三橋TV第702回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/CqUr5AysNGA
 

 本エントリーの常連さんにはミミタコだと思いますが、内閣府は「供給能力>総需要」つまりは総需要不足であるデフレギャップ(需給ギャップのマイナス)が、小さく見える統計方式(平均概念の潜在GDP)を採用しています。といいますか、小泉・竹中により採用させられました。


 供給能力を「潜在GDP」、総需要は「名目GDP」です。「=潜在GDP-名目GDP」が大きければ大きいほど、その国のデフレ(総需要不足)は大きいという話になります。


 逆に言えば、潜在GDPを小さく見せることができれば、デフレギャップは縮小する

【インフレギャップとデフレギャップ】


http://mtdata.jp/data_46.html#Gap

 日本が「デフレではない」と主張したいならば、潜在GDPを小さくし、デフレギャップを(統計的に)縮小すればいい。


 具体的には、最大概念の潜在GDPから平均概念の潜在GDPに変える。


「全ての労働者や資本が稼働した際の生産量」
 から、
「労働者や資本の稼働の過去平均の生産量」
 に、供給能力の定義を変えてしまえばいいわけです。


 内閣府が潜在GDPの定義を「最大概念」から「平均概念」に変えた責任者は、竹中平蔵です。具体的には、「平成13年版経済財政白書(2001年12月)」が始まりなのです。


 経済財政白書は、当時の経済財政政策担当大臣(竹中氏)の責任監修の下で、公表されました。最大概念の潜在GDPから、平均概念への定義の変更が、責任者である竹中氏の意向に沿うものだったことは明らかです。


 平成13年版経済財政白書では、一応、
「なお、GDPギャップの推計値の解釈は、GDPギャップの定義や前提条件の違いがあるので注意が必要である。この推計では、潜在GDPを計算する際の稼働率について、過去の平均的な水準に近い概念を用いているが、他の推計では、過去の最大の稼働率を用いて、経済がその時点で達成できる最大限のGDPを推計し、それを潜在GDPと考え、ここでの推計より大きなGDPギャップを計測するものもある
 と、最大概念の潜在GDPについても言及されていますが、それ以降は平均概念一色になってしまいました。(最大概念の潜在GDPを維持していた日銀も、その後は内閣府に追随することになります)
 

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お待たせいたしました!三橋 貴明×茂木 誠氏『特別対談』世界を最も変えてしまった男 ジャン・ジャック・ルソーの真実 (後編)が公開になりました!

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需要不足、最大4兆円圧縮改定 コロナ要因見直しで
 内閣府は12日、経済の需要と供給の差をあらわす需給ギャップについて、推計から外していた新型コロナウイルス禍の要因を一部反映すると発表した。四半期の金額ベースの需要不足は見直しで最大4兆円縮んだ。
 実際の供給は想定より小さかったことを示す。コロナ禍の経済対策では、需給ギャップを規模の目安とする議論があった。
 内閣府はコロナ禍以降、労働時間の減少などを推計から除外していた。需給ギャップは実際の国内総生産(GDP、季節調整済みの年率)と、労働や資本の投入量などから算出する潜在GDPとの差を表す。供給力の落ち込みを織り込まない場合、需要不足は膨らみやすい。(後略)』

 おい、おい、おい、おい。


 コロナ禍が理由で労働時間が減ってしまったのを、「構造的な労働時間減少」と判断する、という「統計マジック」を使ってまで、潜在GDPを引き下げ、需給ギャップのマイナス(デフレギャップ)を小さくしたいのか・・・。


 凄い執念。


 当たり前ですが、コロナ禍による労働時間の減少は、構造的でも何でもない。「非自発的な労働時間の減少」です。それを「構造的(自発的)」と解釈することで、労働投入量を小さく「見る」ことになり、デフレギャップを縮小できる。


 ただし、デフレギャップの縮小は需要の拡大ではなく、供給能力の縮小により実現する。


 一体、何をやりたいんだ? 


 いや、もちろん分かっていますよ。


『(引用)コロナ禍では、与党の一部から内閣府が推計した需要不足を目安に、経済対策の規模を求める声が出た。』
 ため、↑この連中を黙らせたいんでしょ。


 内閣府は財務省の影響が強い省庁ですが、それにしてもここまでやるか!という印象です。


 もっとも、統計手法や「統計マジック」について無知な国民の多くは、
「内閣府によるとデフレギャップは縮小しているじゃないか(だから、財政出動はいらない)」
 と、間違った発想に誘導されてしまうのでしょう。(絶対に、↑この手のバカアンチ三橋がTwitter界隈に出没するからね。楽しみにしている(割とマジ)
 

 いや、自分の頭で考えよ。統計手法の変更により状況が「改善」して「見えた」として、そりゃあ本当の改善じゃないからね。自分の頭で考えれば、分かるでしょ。

 

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