株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。
チャンネルAJER更新しました。
「我々は今こそ資本主義の本質を知らなきゃいけない」(前半)三橋貴明 AJER2023.4.18
令和の政策ピボット呼びかけ人に「呼びかけ人」に慶應義塾大学商学部准教授 岩尾俊兵先生が加わって下さいました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!
美女二人に挟まれて人類の戦争についてリアルに語ってみた[三橋TV第694回]三橋貴明・高家望愛・saya
https://youtu.be/_r0FgcRRKIo
日本ではほとんど報道されていないように思えますが、3月1日、アメリカのバイデン大統領は一般教書演説で、「インフラ」を連呼していました。
『米国はかつて、世界で最も優れた道路、橋、空港を有していた。しかし我々のインフラは現在世界13位に落ち込んでいる。これを直さなければ、21世紀の雇用を競うことはできない。
米国再建のための史上最大規模の投資である超党派インフラ法の可決が重要だったのはこのためだ。これは超党派の努力のたまものであり、実現に尽力した両党の議員に感謝したい。
インフラに関する議論は十分に行った。これからはインフラを構築するときだ。それは米国を変貌させ、21世紀に我々が直面する世界、特に中国との経済競争に勝つための道筋をつけるものだ。
米国民が負けるほうに賭けるのは決して良い賭けではないと、習近平国家主席に言っている。我々は、米全土の道路、空港、港湾、水路を近代化し、何百万人もの米国人に良い雇用を創出する。それらすべてを、気候変動危機の壊滅的な影響に耐え、環境正義を促進しながら実行する。
50万カ所の電気自動車充電スタンドの全国ネットワークを構築する。すべての子どもたち、そしてすべての米国人が家庭や学校できれいな水を飲めるように、有害な鉛管の交換に着手する。都市、郊外、農村、部族コミュニティーなど、どこに住んでいようとすべての米国人に安価な高速インターネットを提供する。
すでに4000件のプロジェクトが発表済みだ。今夜は、荒廃した6万5000マイル超の高速道路と1500の橋の修復開始を発表する。
(「バイデン氏「自由は常に専制に勝つ」 一般教書演説全文」より)』
かつて、アメリカは公共投資を抑制し、インフラ整備を怠った結果、「荒廃するアメリカ」に陥りました。
もっとも、最近のアメリカは公共投資を増やしていまして、1996年と比較すると、公共投資を二倍に拡大しているのです。
【主要国の公的固定資本形成の比較(1996年=100)】
http://mtdata.jp/data_84.html#hikaku
それでも「インフラが足りない!」「インフラ投資が必要だ!」と、アメリカでは大統領が訴えているのです。
それに対し、対96年比で公共投資を半減させてしまった日本では、現実に様々な「不便」が生じているにも関わらず、政治家がインフラについて語ろうとしない。議論もしない。
「インフラ投資が必要だ」
と、主張すると、即座に、
「まだムダな公共事業のバラマキをするのか!」
といった、ステレオタイプな、古臭い、陳腐な批判が飛んでくるのを恐れているのでしょうが、それでも発言し、訴え、議論するのが政治家の仕事だと思うのです。
いや、それ以前の問題として、「インフラの危機を危機として捉えていない」可能性が高いですが。
日本国民は、いつ気が付くのでしょうか。
財務省の緊縮財政も、公共事業叩きも、土建屋叩きも、バラマキ批判も、「全てが間違っていた」ことに。
インフラ劣化により、自分たちの生活が「不便」になっていけば分かるのでしょうか。
もう、なり始めていますよ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
お待たせいたしました!三橋 貴明×茂木 誠氏『特別対談』世界を最も変えてしまった男 ジャン・ジャック・ルソーの真実 (後編)が公開になりました!
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『県庁所在地4割が翌日届かず ヤマト、東京発の宅配便 人手不足、インフラ劣化も影響
宅配便で翌日に届くエリアが縮小している。ヤマトホールディングス(HD)傘下のヤマト運輸では、関東―中国・四国(一部地域除く)間などで6月から翌日配達ができなくなる。東京発でみると翌日に届かない県庁所在地は約2割から約4割まで広がる。人手不足に加えて、高速道路などのインフラ老朽化がサービスレベルの維持を難しくしている。(中略)
また、インフラの劣化も大きな障害になってきた。ヤマトは翌日配達ができなくなる理由のひとつに「老朽化した道路の速度規制」を挙げる。ある物流事業者は「道路の工事や大雨などの影響で、のろのろ運転や渋滞に悩まされることが増えている」と語る。
高度成長期に整備された道路は大規模な補強工事が必要なタイミングに差し掛かっている。高速道路だけみても、NEXCO東日本・中日本・西日本の3社で開通40年以上たつ道路は22年3月末時点で全体の33%を占める。10年後には56%まで増加する見込みだ。(後略)』
このまま、国民や政治家が「インフラの重要性」から目を背けていると、道路補修だらけ、それどころか、道路が補修されず、通行止め続発。通れたとしても、厳しい速度制限がかけられ(もう始まっていますが)、物流の品質はひたすら下がっていくでしょう。
目を背けるのはやめよう。日本はすでに、インフラ劣等国です。何しろ、港湾や空港、高速道路の整備状況は、韓国以下なのですよ。
そして、政治家は堂々と「インフラの構築」を議論しろ。
何しろ、「アメリカでは~」、バイデン大統領がひたすら「インフラ!インフラ!」と言っている。アメリカ出羽守、こういう時こそ出番だよ。
「アメリカを見倣いインフラ再構築を!」に、ご賛同下さる方は、