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「貨幣と所得の本質が解る『経常収支』と『金融収支』」(前半)三橋貴明 AJER2023.4.10

 

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なぜ日本銀行の国債保有は50%を超えたのか?岩田規久男教授の正しい回顧[三橋TV第690回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/R5JTOOn2D3g
 

 経済学的な「常識」のいくつかは、大きく間違っています。
 代表が、資金循環統計を「さかさま」に見てしまい、
「民間(家計、企業等)の貯蓄(資金過剰)があるから、政府は財政赤字(資金不足)になれる」
 と、間違った解釈をしている点です。
 

 典型的な貨幣のプール論で、政府は国債発行で市中銀行にある我々の預金を借りていると理解してしまう。いや、本当に我々の預金が借りられているならば、国債発行で「我々の預金が減る」ことになるのでは?

【日本の各経済主体の資金過不足(億円)】


http://mtdata.jp/data_84.html#kabusoku

 図の通り、資金過不足統計において、資金過剰の総額と、資金不足の総額は、必ず一致します(当たり前ですが)。


 正しくは、

政府や海外が資金不足になっている(純負債を増やしている)からこそ、反対側で民間が資金過剰(純資産を増やす) になっている
 のでございますが、経済学者はこれを逆に読み替えてしまう。驚くべきことに、岩田規久男教授すら、この「罠」に陥っている。


 現実は、誰かが負債(借り入れ)を増やす(資金不足になる)ことで、誰かの資産が増えている(資金過剰になる)わけでございます。銀行の預金発行の仕組みを知れば、誰にでも理解できるでしょ。
 

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お待たせいたしました!三橋 貴明×茂木 誠氏『特別対談』世界を最も変えてしまった男 ジャン・ジャック・ルソーの真実 (後編)が公開になりました。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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 そして、二つ目の大いなる誤解。政府は国債発行で「誰」におカネを借りているのでしょうか?
 

「市中銀行では?」
 と、思われた方が多いでしょうし、一次的には間違っていません。とはいえ、本質的な話をすると、政府がカネを借りている相手は日本銀行です。

【三橋貴明】日本政府は誰にカネを借りているのか?
 中野剛志先生の「どうする財源」を読み、「うおっ!」と思ったことが一つ。
 民間企業(や家計)は、銀行からおカネを借りる。すると、銀行が「銀行預金」という貨幣をゼロから創出する。
 民間企業が自らの負債(銀行にとっては資産)となる借用証書を差し入れると、銀行が自らの負債(企業にとっては資産)となる貨幣を発行する。
 これは、分かりますよね。
 それでは、政府の国債発行の場合はどうなるのでしょうか。
 オペレーション上、政府は国債発行で市中銀行から「日銀当座預金(日銀の負債)」という貨幣を調達する。
 とはいえ、そもそも日銀当座預金は、政府の借用証書である国債を(銀行から)差し入れられた際に、日銀がキーボードを打ち、発行している。
 実は、政府が誰に借用証書を差し入れ、貨幣(日銀当座預金)を発行させているのかといえば、結局のところ日本銀行なのです。(後略)』

 民間企業(等)は、銀行に借用証書を差し入れ、「銀行の負債」である銀行預金を調達する。
 政府は、国庫債券を日本銀行に差し入れ、「日銀の負債」である日銀当座預金を調達する
 

 無論、財政法五条で日本銀行の国債直接引き受けは禁じられています。とはいえ、何しろ日本銀行が「日銀当座預金」を発行する際に、受け入れる借用証書は「国債」なのです。
 

 確かに、一次的に日銀当座預金を発行してもらうのは、市中銀行です。とはいえ、市中銀行は「自らの借用証書」を日本銀行に差し入れているわけではない。差し入れているのは、政府が発行した国債なのです。 

 

 市中銀行のATMに行き、我々は「現金紙幣」という日銀の借用証書を差し入れ、銀行預金を発行してもらっている。別に、我々の借金が増えるわけではありませんよね。あれと、同じです。市中銀行が日銀に国債という借用証書を差し入れ、日銀当座預金にしてもらう。国債を差し入れたことで、市中銀行の借金が増えるわけではない。
 

 結局のところ、市中銀行は、
「日本政府が借用証書を日本銀行に差し入れ、日本銀行が自らの負債となる日銀当座預金を発行する」
 という、政府の通貨発行の「仲介」をしているのに過ぎないのですよ。


 その「仲介」に使う日銀当座預金が、銀行間決済や政府-銀行間決済にも使われている。これが、現代の日本国家の「貨幣の仕組み」なのです。
 

 お分かり頂けました?

 

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