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「貨幣と所得の本質が解る『経常収支』と『金融収支』」(前半)三橋貴明 AJER2023.4.10
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なぜ日本銀行の国債保有は50%を超えたのか?岩田規久男教授の正しい回顧[三橋TV第690回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/R5JTOOn2D3g
最近の日本政府、あるいは日本国の政治が凄いと思われるのは、
1.コストプッシュ型インフレによる国民困窮、少子化、防衛安全保障弱体化など、政府が「支出」をしなければならない「状況」から、政治家が目をそらせなくなってきた
2.支出拡大に際し、貨幣観を間違えているが故に「財源論」として増税や社会保険料引き上げという、「問題を悪化させる政策」が進められる
というわけでございますね。
現在の日本はデフレーション(総需要不足)が続いています。
【日本の需給ギャップの推移(対GDP比%)】
http://mtdata.jp/data_84.html#DGAP
デフレギャップが小さく見える内閣府の統計ですら、対GDP比で2%前後の需要不足が定着してしまっている。最大概念の潜在GDPで測れば、需要不足はさらに大きくなる。
昨日のエントリーで解説した通り、デフレが継続し、民間の「企業」が負債や投資を拡大しようとしない以上、政府が財政赤字と支出を増やさなければならない。
「財源」を国債とすることにより(支出時点ではいずれにせよ国債なのですが)、コストプッシュ型インフレによる国民の困窮を救え、少子化を「解消方向」に向かわせ(時間はかかります)、防衛力強化もできる。かつ、デフレギャップが埋まる。
ところが、「財源」という理由で増税や社会保険料引き上げをしてしまうと、デフレギャップはむしろ拡大し、諸問題も解決しないというよりは「悪化」することになる。
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三橋 貴明×茂木 誠氏『特別対談』世界を最も変えてしまった男 ジャン・ジャック・ルソーの真実 (前編)公開中!
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『少子化対策の財源に社会保険料、連合会長が異論「賃金にも影響」
政府が掲げる「異次元の少子化対策」の財源の一部を、社会保険料に上乗せして徴収する案を検討していることについて、労働組合の中央組織・連合の芳野友子会長は13日の定例会見で「徴収しやすいところから取るという方法はどうなのか」と異論を唱えた。芳野氏は少子化対策を議論する政府の「こども未来戦略会議」のメンバーの一人。
医療保険などの社会保険料は、企業と従業員が折半で負担している。芳野氏は会見で「社会保険料から(徴収する)となると賃金にも影響する。今は賃上げの方が非常に重要だ」と指摘。「子育てを社会全体で支える考え方にふさわしい財源のあり方について、合意形成が可能となる議論を丁寧に進めていくということではないか」と話した。
政府は児童手当や育児休業の拡充といった少子化対策を検討している。最大の課題となるのが数兆円規模ともみられる財源の確保策で、6月までに大枠を示す方針だ。』
コストプッシュ型インフレを受け、企業は「賃上げ」を求められている。
少子化対策の財源として、社会保険料の引き上げをやってしまうと、現役世代はもちろん、企業側も負担が増えてしまう。厚生年金の保険料は、労使折半なのです。
つまりは、
1.企業に賃上げを求める
2.政策の「財源」として社会保険料引き上げを検討する
時点で、とんでもない不整合なのです。いわゆる「アタオカ」です。連合会長が社会保険料引き上げに反対するのは、分かる。
分かりますが、「子育てを社会全体で支える考え方にふさわしい財源のあり方」を間違った貨幣観に基づき議論すると、確実に、
「ならば消費税の増税を」
という話になる(今の日本では)。というか、財務省は「これ」を狙っているのでしょう。
ちなみに、消費税を増税すると「利益+人件費(社会保険料含む)」への課税が増えることになるため、結局は賃上げを妨害することになります。
最近、高齢者と現役世代を争わせる「高齢者叩き」が目に余りますが、これもまた、「高齢者の社会保障引き下げ」「高齢者の社会保険料引き上げ」が目的なのでしょう。
実際、後期高齢者医療制度の保険料引き上げがあっさりと衆院を通ってしまった。
昨日も書きましたが、貨幣観を正そう。本当に、それしかない。
貨幣観という「考え方」の間違いにより、日本は亡国路線を突き進んでいる。先人たちに対し、あるいは子孫たちに対し、申し訳が立たないですよ、さすがに。
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