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改訂版「インボイス制度導入は消費税増税に向けた基盤整備である」(前半)三橋貴明 AJER2023.3.7

  

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資本主義とは何なのか?儲かれば我々は投資するんだよ![三橋TV第683回]三橋貴明・saya


https://youtu.be/CsuiJTHo6ic

 これは、日銀副総裁を辞した岩田規久男先生に、経済動向塾のゲスト講師をお願いした際に直接聞いた話なのですが、岩田副総裁(当時)は、2013年、翌年度の消費税増税に猛反対していたそうです。


 問題は、自分が消費税反対を主張しても、
「どのマスコミも、一切、取り上げようとしなかった」
 上に、あるマスコミの記者(確か共同通信だったかと)から、
「岩田さん、そういう発言(消費税反対)はまずいですよ」
 と、言われて、唖然としたとのこと。


 「安倍晋三 回顧録」が話題になっていますが、本書について藤井聡先生が解説されています。

 

 

 断っておきますが、わたくしは岩田先生や故・安倍元総理(以下、安倍総理)の「実績」を擁護したいとは、微塵も思っていません。というか、結果だけ見れば、庇えるところは見当たりません。

 

 岩田先生は、まあ「緊縮財政を続けられたためデフレ脱却に失敗した」という話で、そもそも日銀副総裁に財政的な権力はない(厳密には「一国民」としての権力しかない)わけですが、安倍総理は別です。安倍総理は確かに、行政の責任者でした。


 しかも、支持率が比較的高く、一部に熱狂的な「安倍信者」がいた。


 それでも、「選挙に勝つ」ことがない限り、財務省を抑えることはできなかった。反・緊縮財政に転じようとすると、「倒閣運動」を起こされる。実際、財務官僚は自民党の野田毅や青木幹雄らと計らい、常に「安倍を変える」ことを相談していた。
 

 繰り返しますが、政治家としての安倍総理を庇う気は全くない。そもそも、反・緊縮財政に転じることができずとも、農協改革、電力自由化、水道民営化、移民拡大といった構造改革をする必要は全くなかった

 

 安倍政権の構造改革の結果としてのダメージを、今、我々は被っているわけですよ。政治的な実績だけ見れば、安倍政権は「緊縮財政+構造改革」という最悪の路線を突き進んだわけです。


 それでも、我々は正しいことを「知る」必要がある。何が問題なのか。更には、安倍政権にしても「緊縮財政」だったという事実を。


 いわゆる「安倍信者」は、未だに安倍政権が緊縮で、それが問題だったことを認めていない。ついでに、反・安倍派は、安倍政権は「バラマキ政権」と、意味不明な認識をしている。


 いや、両方間違っている。安倍政権は緊縮財政でした。さもなければ、PB黒字化目標を設定する必要はないでしょ?

 

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日銀が「国債」を買い続けている意味ってなに?元日銀副総裁がわかりやすく解説 元・日銀副総裁 岩田規久男
 私は経済学者として国内外の大学で教鞭をとったりした後、’13~’18年には日本銀行副総裁として金融政策の立案にも携わりました。そこで、感じたのは「経済を知れば、生活はもっと豊かになる」ということ。そのお手伝いができればと思い、『週刊SPA!』で経済のカラクリをわかりやすく発信していきたいと考えました。
 13年4月に「量的・質的金融緩和」を開始して大量に国債を買い続けた結果、日銀が保有する割合は国債発行残高の54%に達しています(’22年12月末時点)。
 このように、日銀が国債を買い続けるのは、すべての満期の国債金利を大幅に引き下げることで銀行の貸出金利や社債金利の低下を促し、消費や設備投資を増大させ、2%のインフレ目標を安定的に達成するためです。(中略)
 ただし、安倍政権時代のように、消費増税や基礎的財政収支(税収・税外収入と、国債費<国債の元本返済や利子の支払いに充てられる費用>を除く歳出との収支)の赤字削減を急ぐなどの緊縮財政政策を採用すると、金融緩和の需要増大効果を削いでしまいます。
 日銀が「量的・質的金融緩和」を開始してから、ほぼ10年経っても、2%のインフレ目標が達成できずに、国債を買い続けているのは、緊縮財政政策のためなのです。』

 そう。政府が緊縮財政を続ける反対側で、日銀は「デフレ脱却」という使命を与えられ、国債買取を続けざるを得なかった。結果、日本国債に占める日銀保有は52%に達してしまった。(岩田先生の54%は、国債に絞った数字です。わたくしは(面倒なので)財政融資資金も入れてしまっているので、数字が違う)


 なぜ、日銀が400兆円以上の国債を買い取ったにも関わらず、デフレ(総需要不足)の脱却ができなかったのか。安倍政権が緊縮財政だったから。これが、データが示す「事実」です。

 

 とりあえず、2013年に「日銀がカネを発行すれば、デフレ脱却できる」と声高に叫んでいた連中は、

「こいつら、本当にバカだなあ・・・」

 と思ったし、今でも思って呆れ返り、同時に軽蔑しているけど、岩田先生はそこに含まれていません。


 デフレ脱却のためには緊縮の転換しかない。岩田先生は、確かに日銀副総裁としてデフレ脱却に失敗した。とはいえ、その「原因」を公の場で明らかにしている


 そういう意味で、色々と皮肉は言いますが(「風が吹けば桶屋が儲かる」とか)、わたくしは岩田先生は「尊敬できる学者」だと思うのです。

 

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