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改訂版「インボイス制度導入は消費税増税に向けた基盤整備である」(前半)三橋貴明 AJER2023.3.7

   

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「高齢者の集団自決」論の裏に何がある?自己責任論と国民の分断[三橋TV第678回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/sjL33AqW1IM
 

 日経新聞の大機小機は、時々バグってまともなことを言い出します。もちろん、中の人が異なるのでしょうけれども。

ゾンビ企業、切り捨てより再生を
 中小企業は日本の企業全体の99%超、従業員数では7割を占めている。中小企業なしに日本経済は成り立たない。手厚い公的な支援策もそのためにある。
 だが、同時にその生産性の低さが問題視され続けている。半数以上が赤字法人といわれ、経常利益率は3~4%台と、大企業の約半分の水準にとどまる。労働生産性(従業員1人当たり付加価値額)も同様だ。とくにゾンビ企業と蔑称される、極めて非効率で借金も満足に返せない存在が日本経済の足かせになっているといわれる。(後略)』

 ゾンビ企業論の何が一番嫌いなのかと言えば、
「ゾンビ企業は潰せ。新陳代謝が必要だ」
 とか言っている連中は、自分たちは安全な場所にいることです。


 長引くデフレーションに繰り返される消費税増税、コロナ禍、ロシア・ウクライナ戦争、コストプッシュ型インフレと、経営環境がひたすら悪化していく中、懸命に生き延びている中小企業。
 

 経営者の「経営努力」だけではどうにもならない現実があるわけです
 

 大機小機に試算がありますが、いわゆるゾンビ企業が中小企業の10~15%とすると、そこで働く人は100万人を越えます。


 ゾンビ企業で働いていた人たちは、成長産業に移ればいい。と、適当なことをいう人がいますが、人間は機械の部品ではありません。
 

 特定の業界、特定の企業で働き続け、自分の中に様々なノウハウ、スキル、技能を蓄積し「人材」となった人たちを、
「ゾンビ企業は潰せ」
 の一言で切り捨て、蓄積されたノウハウは消滅する。それで本当にいいのでしょうか。

 

 しかも、成長産業とやらに移ったとして、彼らはまた一からノウハウの蓄積を始めなければならない。人生設計も大きく狂う。

 

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『(引用)昨年末に13社の大企業や団体による下請けいじめが公表されたが、最近では下請法違反の指導・勧告件数は増加傾向にあり、年間で8000件ほどに上っている。
 表面化しにくい問題にもかかわらず、これだけの数が明らかになっている。現実にははるかに多いのではないか。要は、大企業が中小企業の犠牲によって、生産性を上げていることになる。』

 生産性とは、要するに従業員一人当たりの付加価値(粗利益)です。下請けを叩き、売上原価を下げさせれば、確かに大企業の生産性は上昇します。


 とはいえ、その分、下請け企業の生産性はさがる。


 デフレーションという総需要不足が続く中、消費税の転嫁問題と同じで、大企業と下請け企業が「損を押し付け合う」構造があるわけです。そして、力関係により、下請け企業が損しているケースが多いという話ですね。


 下請け企業が損を引き受けない場合、単に「他の所から調達します」と言われるだけです。
 

 大企業側は大企業側で、株主資本主義の下、純利益を最大化することを株主から求められる。となれば、売上原価(及び人件費)を削減しなければならない。


 2023年の上場企業の配当総額は前期比2%増の約14兆円。もちろん、史上最大です。
 

 需要不足で、所得のパイが増えない中、働き手や中小企業の取り分が抑え込まれ、上場企業の株主に回っているわけですね。


 もちろん、下請法違反はダメですが、大企業と中小企業の力関係により、所得が大企業側に偏って分配される(結果、計算上、生産性が高くなる)。これは、自由主義経済である以上、ある程度は仕方がない話です。 
 

 ならば、せめて所得全体のパイを政府は増やさなければならない。つまりは、財政拡大による本格的なデフレ脱却です。
 

 所得のパイが膨らんでいくならば、「力関係」で勝てない中小企業側にも、それなりに利益が残る。(これまた、計算上、生産性が上がる)


 限られた所得のパイ、あるいは膨らまない所得のパイを国民同士で奪い合う構造からは、いい加減に脱しましょう。

 

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