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「岸田総理大臣 真の異次元の少子化対策を教えてあげますよ」(前半)三橋貴明 AJER2023.2.28

   

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奴らのカネをむしり取れ!財源確保法案と防衛力強化資金の真実![三橋TV第673回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/-T72iCd5QgM

 日本の少子化の真因を語る決定的なデータである、例の「男性の従業上の地位・雇用形態別有配偶率」等が最初に少子化対策白書に掲載されたのは、「令和元年度版」からだと思います。

【男性の従業上の地位・雇用形態別有配偶率】
http://mtdata.jp/data_66.html#haiguuritsu

 令和元年度版「少子化対策白書」を読むと、
「男性の雇用環境・所得水準の悪化が、非婚化をもたらし、少子化になっている」
 ことに加え、
「少子化対策白書を作成した官僚は、なぜ少子化なのか、問題を正しく認識している」
 ことが分かります。


 というわけで、当時、安藤裕先生と、
「もしかして、官僚は問題を正確に把握しているのでは?」
「していると思いますよ」
 という会話を交わした記憶があります。


 その後も少子化は悪化の一途をたどり、岸田内閣において「異次元の少子化対策」という響きだけは勇ましいキャッチフレーズが叫ばれたものの、中身は例によって「子育て支援」。いや、子育て支援の拡充に反対はしませんが、それは少子化対策にはなりませんから。


 少子化は男性の雇用環境・所得水準の悪化、及び東京一極集中により起きている。と、データに基づき叫び始めてからすでに五年以上が経過しました。
 

 出生数80万人割れを受け、いきなり「少子化の真因は非婚化(表現は色々ありますが)」という論調がメディアに登場し始め、少しびっくりしています(いいことですが)。
 

 ちなみに、非婚化と晩婚化は違います。麻生太郎が、
「少子化の理由は晩婚化」
 と、主張しましたが、違いますからね。晩婚化ではなく、非婚化です。今、結婚していない日本人は、結婚を遅らせているわけではなく、生涯、結婚できないのです。
 

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https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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麻生副総裁のいう晩婚化など起きていない。起きているのは若者が結婚できない状況である
荒川和久 独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
◆晩婚化のせいではない
 昨日、自民党の麻生副総裁が、「(少子化の)一番大きな理由は出産する時の女性の年齢が高齢化しているからです」などと発言し、少子化の最大の原因は晩婚化との見方を示したというニュースを見かけた。
 「少子化は晩婚化のせいである」という言説は、一部の識者も言っているが、これは正しくはない。晩婚化など起きていないのである。
 確かに平均初婚年齢の推移をみれば、皆婚時代だった1980年には夫27.8歳、妻25.2歳だったのに対して、2020年には夫31.0歳、妻29.4歳となっており、これだけ見れば、晩婚化していると思うかもしれない。しかし、それだけで晩婚化と断ずるのはあまりに短絡的である。
 晩婚化としてしまうと「初婚の年齢が後ろ倒しになったので、いずれ結婚はするだろう」という安易な誤解を招く。
 百歩譲って「晩婚化」はあったとしよう。しかし、「晩婚化」は少子化の直接な原因ではなく、むしろ本質的な原因によって生じた単なる表層にすぎない。
◆晩婚ではなく若者の婚姻減
 では、実際に、ファクトを検証し、本質的な原因に迫ってみよう。
 2021年の婚姻数は約50万組である。2010年はまだ約70万組もあった。この10年ちょっとの間に28%減である。出生数は2010年約107万人から2021年約81万人で減少率は24%であるから、大騒ぎしている出生減より婚姻数の絶対減の方が深刻なのである。(後略)』

 荒川氏に加え、櫻井よしこ氏が「未婚化」という表現を使い、正しい少子化対策を訴えていました。

未婚化対策に叡智を

(前略)未婚化対策がいかに大事かということだ。若者が結婚しない最大の理由に種々の調査は収入の不安を掲げている。未婚化と貧しさには強い相関関係がある。シワ寄せは非正規雇用の男性に集中し、彼らは結婚願望も低い。企業の協力で非正規雇用を減らすか、彼らの賃金を高める施策に日本の叡智(えいち)を結集するときだ。(後略)』

 別に「日本の叡智を結集」とか大仰なことを言わずとも、緊縮財政を転換し、雇用規制を強化し、
「安定的な雇用環境の下で、賃金が安定的に上昇していく社会」
 を取り戻し、さらに公務員給与を引き上げ、非正規公務員は正規公務員に(本人が望めば)転換し、地方への大々的なインフラ投資と税制優遇で、東京一極集中を解消すれば済む話なんですけどね。


 ちなみに「済む話なんですけどね」と、わたくしが簡単に言えるのは、正しい貨幣観に基づいているためです。
「日本は財政破綻しない」
 という真実を理解すれば、実は日本の少子化問題は「正しい政策を普通にする」だけで、解決できることが分かるはずなのです。
 山田昌弘教授も「未婚化」という表現を使っていますね。

社会学者・山田昌弘氏に聞く少子化対策“失敗の本質”「最大の原因は未婚化。低収入の男性は選ばれない」
(前略)より重要な未婚対策にも岸田首相は言及しない。日本が少子化に陥った最大の要因は、結婚しない人が増えていることです。
──身の縮む思いです。未婚化が進んでいる理由はどう考えていますか。
 極めて単純です。収入の低い、あるいは不安定な男性は子育てパートナーとして選ばれにくい。それに尽きます。(後略)』

 山田教授は、後略部で極めて重要なことを証言しています。

『(引用)──政府関係の研究会で、そう(※収入が低い、不安定な男性は子育てパートナーとして選ばれにくいこと)指摘すると、政府のある高官から「私の立場で同じことを言ったら、クビが飛んでしまう」と言われたそうですね。
 1990年代後半のことです。その逸話を昨年、経団連で披露すると、講演概要がHPにアップされた途端、クレームが来たそうです。皆、実感しているのに、公で発表したり論じたりするのは、ずっとタブー視されてきました。誰もが「格差」を認めたがらない。』

 現実を見ましょう。山田教授の言う通り、収入が低い、不安定な男性は子育てパートナーとして選ばれにくい、あるいは選ばれないのです。


 ならば、少子化対策としてやるべきことは明確ですよね。


 結婚適齢期男性の雇用、所得の安定化です。岸田内閣が打ち出すべく「異次元の少子化対策」は、「異次元の非婚化対策」でなければならないのですよ。
 

「異次元の非婚化対策が必要だ!」に、ご賛同下さる方は、

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