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「防衛費をめぐり日本の財政議論が始まった」(前半)三橋貴明 AJER2022.12.21

   

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異次元の少子化対策という名の消費税増税推進路線を叩き潰せ![三橋TV第654回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/G6vWw_wDKUA

 

 幻冬舎ゴールドオンラインに、インボイス制度に関する素晴らしい記事が掲載されていましたので、ご紹介いたします。


 本記事は、インボイス制度に関する問題点がほぼ網羅されており、しかも事実関係が正確で、驚嘆しました。まるで、森井じゅん先生や安藤裕先生が書かれたかのごときです。筆者は「GGO編集部」となっておりますので、幻冬舎の方々が独自に調査され、書かれたのでしょう。素晴らしいの一言です。

「どうするインボイス制度」事業主の8割が総スカンで制度崩壊の足音迫る!?
 東京商工リサーチは2023年1月16日、インボイス登録の状況を公表しました。それによると個人事業主の登録率は12月末時点で23%にとどまっており、このペースだと10月に迫るインボイス制度の施行が危ぶまれる可能性も出てきました。インボイス制度の何が問題なのか、2022年12月に発表された政府の「2023年度税制改正」にも触れながら、改めて解説します。
◆そもそも「消費税」のしくみはどうなっているか?
 消費税のインボイス制度は、消費税の納税義務を負う事業者が税額を計算する際に問題となる制度です。
 少なからぬ人が誤解していますが、消費税は、「事業者」が納税義務を負う税金です。
 事業者が、商品・サービスの価格の10%または8%(軽減税率)の額について納税する義務を負っています。一般消費者は納税義務を負っておらず、ただ、事業者が商品・サービスの価格に消費税相当額を上乗せすることが認められているだけです。
 私たちが日ごろ「消費税を払っている」と思い込んでいるのは、正しくは、事業者が納税義務を負っている消費税の額を転嫁されているにすぎません。また、消費税法上、事業者が消費税相当額を価格に上乗せしなければならないという法的義務はありません。
 したがって、価格に消費税相当額を上乗せするかどうかは、事業者が自己責任によって判断させられているにすぎないのです。(後略)』

 ちなみに、わたくしが消費税の正体について理解できたのは、現在のコストプッシュ型インフレが発生して以降です。


 コストプッシュ型インフレ(※輸入物価上昇に起因する)は、国民の所得が増えないにも関わらず、支出は増える。結果、可処分所得や実質賃金が減少する。
 

 輸入物価上昇に起因している以上、現在のコストプッシュ型インフレで所得が増えているのは外国の生産者であり、日本国民ではありません。統計的に、必ずそうなるのです。


 そして、消費税増税は、やはり我々の所得は増えていないにも関わらず、支出のみが増える。実質賃金や可処分所得減少です。価格に「転嫁」された分は、生産者の所得にはならず、政府に吸い上げられ、国債と相殺されて消滅しています。
 

 GGOの記事にもある通り、消費税を負担しているのは(「消費」税と銘打ちながら)事業者です。消費税は事業者の付加価値、つまりは人件費+利益に課せられた税金なのです。
 

 無論、消費税が増税された際に、消費者物価が上昇する傾向は強いのですが、それは「政府に支払わなければならないコスト」が増えたことを受け、小売業が最終価格に増税分を転嫁しているに過ぎないのです。


『(引用)消費税法上、事業者が消費税相当額を価格に上乗せしなければならないという法的義務はありません。』
 

 その通りです。消費税が増税された際に価格を引き上げるかどうかは、売り手と買い手の「力関係」により決まります。
 

 例えば、消費税が増税された際に、
「消費税が上がったので、価格を倍にします」
 も通るのですよ。力関係に極端な差があるならば。
 

 ついでに、現在の「輸入物価上昇に起因する」コストプッシュ型インフレにしても、事業者は価格引き上げの義務はありません。というか、
「輸入物価が上がったので、価格を引き上げます」
 が通るか否かにせよ、結局は「力関係」で決まるのですよ。


 消費税が増税される、あるいは輸入物価が上昇した際には「自動的に価格を引き上げられる」と理解している人は、ビジネスをやったことがない人ですね。
 

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 それにしても、GGOの記事で、


『(引用)この点について、「免税事業者は本来なら消費税相当額を納税すべきだったのに自分のものにするという『益税』が横行していた。インボイス制度は本来のあり方に戻すものであり正当だ」という論調がみられます。「益税」という表現が使われることがあります。
 「ひろゆき」や「ホリエモン」はまだしも、残念なことに、一定程度の理性と見識を持ち合わせているとみられていた知識人のなかにも、一部、制度に関する勘違い、あるいは無理解に基づいて、この立場に与している人がいます。』


 と、あるのには笑ってしまいました。「一定程度の理性と見識を持ち合わせているとみられていた知識人」とは、誰なのでしょうか。高橋洋一氏か、あるいはデービット・アトキンソン氏か。


 まあ、ひろゆき氏や堀江氏にしても、真摯な態度で消費税やインボイス制度について学べば、普通に態度を翻すのではないですか。というか、そうするべきです。


 消費税やインボイスの制度を理解した上で、
「売上が低い零細な事業者にとって、消費税の納税事務にかかる労力とコストが重く酷であるため、免税措置を講じる」
 という当初の方針と真逆であるにも関わらず、強引にインボイス制度を導入しようとしている日本政府について、
「零細事業者など、潰れればいいんだ。インボイス導入賛成」
 と、主張したいならば、そうすればいいけど、少なくとも「益税論」といった嘘八百を吹聴することはやめるべきでしょう。価値観が人によって違うのは当然ですが、嘘に基づく批判はダメでしょ


 消費税が本当に間接税(=消費税は「預り金」)であるならば、そもそも免税措置が存在するはずが無いんですよ。他人から預かったおカネを懐に入れるのでは、それは普通に「横領」というのです。


 免税措置が存在する時点で、消費税は直接税なのです。当然ながら、直接税に益税などないのです。

 

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