株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

「防衛費をめぐり日本の財政議論が始まった」(前半)三橋貴明 AJER2022.12.21

   

令和の政策ピボット呼びかけ人に「呼びかけ人」に慶應義塾大学商学部准教授 岩尾俊兵先生が加わって下さいました。

また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

 

高家望愛先生に学ぶ日本の少子化の解消方法は?[三橋TV第652回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/w-GgdP6KLKI

 国債60年償還ルールの議論が、ついに自民党で始まりました。


 改めて、日本の一般会計歳出に占める「国債費」は22%を占めます。とはいえ、国債費は14.6%の「債務償還費」と、7.4%の「利払費」に分かれます。


 ちなみに、アメリカの歳出に占める利払い費は6.8%で、債務償還費は計上されていません。実際の国債費は、日本もアメリカも同じようなものです。


 世界で唯一、日本のみが「国債60年償還ルール」に基づき、債務償還費を計上しているため、歳出に占める国債費の割合が膨れ上がっているのです。


 国債は(実は日本も含め)永遠に借り換えされていくものです。グローバル・スタンダードでは、そもそも「債務の償還」という概念が存在しません。理由は、国債の実質的な償還が、「国民の純資産」を奪い取ることになってしまうためです。


 何が悲しくて、「国民の財産を奪い取る」政策を実施しなければならないのでしょう。日本の異常な財政をグローバル・スタンダードに合わせれば、歳出は債務償還費分の16.8兆円の「削減」が可能となり、防衛費増額(防衛費のみならず)の「財源」を確保することができますよ、天動説貨幣観の政治家の皆さん。

防衛財源確保、自民が議論本格化 「国債60年償還」延長案浮上 萩生田氏ら主導 市場の信認に懸念も
 防衛費増額の財源を巡る自民党の特命委員会が16日に始まった。歳出改革や税外収入など増税以外の財源を模索する。国債の「60年償還ルール」見直しで財源を捻出すべきだとの案も浮上する。償還期間を延長・廃止しても、浮いた国債費を防衛費に使えば借金は膨らむ。借金返済の担保が消えれば、市場の信認を失う恐れもある。
 萩生田光一政調会長が委員長を務める。初回の16日は非公開の役員会を開いた。増税幅の圧縮に向け、税以外の財源を議論する。安倍派を中心に根強い増税への不満を吸収する狙いがある。
 政府は防衛財源の確保法案を通常国会に提出する方針だ。16日は法案審査を優先的に実施することで一致した。出席した党幹部は「国会での法案審議が一段落したタイミングで税以外の財源論を議論する。『60年償還ルール』も議題に上がる」との見通しを示した。(後略)』
 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

皇統論第四十七回「武士の誕生」、歴史時事第四十七回「ウィリアム三世」がリリースになりました。ぜひ、ご入会下さい。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 日経は、あたかも「債務償還費」が「一般会計から特別会計に繰り入れられ、債務の実質的な償還に回されている」かのごとき図を掲載していますが、そんなことはありません。何しろ、おカネに色はないのです。


 実際には、
「一般会計歳出から「債務償還費」の数字が特別会計に移り、その上で国債発行残高が結局増え続けている」
 だけの話でございますよ。

【日本国債種別発行残高(兆円)】


http://mtdata.jp/data_81.html#syubetsu

 何しろ、国債発行残高は何だかんだで、日本においてさえ増え続けている。つまりは、全体で見れば「債務償還費」など単なる借換債に過ぎず、その上で新規国債が増えていっているのでございますよ。


 欺瞞も甚だしい。あまりにも意味がなく、眩暈がする。
 

 日経は(恐らく財務省の指示で)「市場の信認」を繰り返していますが、ならば国債償還ルールがない日本以外の国々は「市場の信認がない」のか?


 というか、なぜ国債60年償還ルールが「反グローバル・スタンダード」であることを書かない? お前ら、グローバル・スタンダードが大好きだろ? 今こそ従おう!グローバル・スタンダードに!


 日経新聞、まさにダブルスタンダード。
 

 いずれにせよ、国債償還ルールの廃止の絶好の機会が来ました。もちろん、そもそも「財源」など普通に国債発行で構わないのですが、貨幣のプール論に冒された政治家たちは「どこかに財源はないのか?」の発想から抜けきれていません。


 ならば、とりあえずは償還ルールの廃止で「財源確保」とやらを実現すればいい。増税よりはマシです。
 

「確かに増税よりはマシだ!債務償還ルール廃止を!」に、ご賛同下さる方は、

↓このリンクをクリックを!
本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。
㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。