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「防衛費をめぐり日本の財政議論が始まった」(前半)三橋貴明 AJER2022.12.21

   

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今年の冬を乗り越えられない!もはやギリギリな日本の畜産業[三橋TV第649回]大塚健太・三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/apsA8r_wxuE

 昨日のエントリー「「税金を集めて、みんなのために支出する」という神話」が危険なのは、もちろん、緊縮財政の推進力になってしまう点もあるのですが、それに加えて、
「国民分断のツールになってしまう」
 ためでもあります。

 

 いわゆる、
「俺の税金を、あんな奴らにバラマキやがってっ!」
 というレトリックですが、不思議なことに↑この手のことを叫ぶ人たちの怒りは、政府よりも「あんな奴ら」に向かいます。
 今でも、しかもわたくしのTwitterやYoutubeコメント欄において、
「高齢者の福祉を削って、現役世代に回せ!」
 と、見事なまでに緊縮分断策に乗せられた人が出没します。いや、あんたもその内、高齢者になるんだが。恐るべき想像力の欠如。


 この手の発想がバカバカしいのは、そもそも「高齢者の福祉」を削らなくとも、現役世代への支援を増やすことが、普通に可能であるためです。もちろん、国債を発行すればいい。というか、政府支出は「全て」国債発行(もしくは国庫短期証券発行)を「財源」としているのです。


 税金は、後から徴収し、貨幣(民間の銀行預金)を消滅させているに過ぎない。これを否定することは、誰にもできません。
 

 ところが、貨幣のプール論に囚われ、「政府は税金を集めて支出している」と勘違いしていると、
「俺の税金を~」
「高齢者の福祉を削り~」
 といった考え方にたどり着いてしまう。厄介なことに、この手の「考え方」に到る連中の多くは、
「自分はきちんと自分の頭で考えて、この結論にたどり着いたんだ」
 と、勘違いしています。


 実際には、単にマスコミを経由して流される財務省のプロパガンダに思考を支配されたに過ぎません。そうではない! と、主張したいならば、
「銀行預金は、いかにして生まれるのか?」
 について、説明してみなさい。


 いずれにせよ、「税金を集めて支出する」という誤った考え方に支配されると、「あいつのせいだ!」と、他の国民に対する憎悪を漲らせることになる。結果、国民が分断され、いがみ合い、攻撃し合うことになるため、政府は責任を逃れることが可能で、かつ共同体が破壊される。
 

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【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。

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皇統論第四十七回「武士の誕生」、歴史時事第四十七回「ウィリアム三世」がリリースになりました。ぜひ、ご入会下さい。

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非正規労働者ら対象の子育て給付創設、少子化対策で政府方針…社会保険から拠出金
 政府・与党は、新たな少子化対策として、年金と医療、介護、雇用の各社会保険から拠出金を積み立て、非正規労働者らを対象とした子育て支援の給付制度を創設する方向で調整に入った。国民1人あたりの月額保険料を総額で数百円程度引き上げ、全世代で子育てを支える仕組みを構築する。
 複数の政府・与党関係者が明らかにした。2024年度以降の制度導入を目指し、来年の通常国会への新法提出を検討している。(後略)』

 実質賃金が対前年比で3.8%も下落している国で、少子化対策として社会保険料を引き上げる。凄い国です、改めて。


 実際に本制度が導入された場合、
「俺の保険料で、何で非正規労働者の子育てを支えなければならないんだ」
 系の主張が確実に広がります。結果、国民の分断が広がる。

 

 特に、実質賃金が下がり続けている国では、トレードオフ(こっちを削り、こっちに使う)の発想は、確実に国民の所得を減らします。上記の例でいえば、非正規労働者は(多少は)助かるでしょうが、反対側で多くの国民の可処分所得が「目の前で減る」ことになる。

 

 となれば、可処分所得を減らされた人たちの怒りが(なぜか政府ではなく)非正規労働者の子育て世代に向かう。賭けてもいいですが、

「非正規雇用のくせに、子供なんて持つなよ!」

 といった罵倒が、特にネットに溢れかえることになるでしょう。緊縮政府の思うつぼです。


 やめようよ。非正規労働者の子育てを支援したいならば、普通に国債を発行すればいい。


 別に、社会保険料を積み立てなくても、普通に子育て支援はできるよ。


 しかも、またもや少子化対策が「子育て支援」(※子育て支援の拡充に反対しているわけではありません。念のため)。真の少子化対策は、「非婚化」の解消なのです。子育て支援を拡充したところで、少子化問題が解決することはありません。


 結局のところ、
「政府は税金を集めて支出しているわけではない」
「国民同士がいがみ合ったところで、問題は解決しない」
 といった「情報」を多くの日本国民が共有しない限り、我が国の亡国は避けられないのです。お一人お一人が、できることをやってください。とりあえず、緊縮による国民分断政策に乗せられないように

 

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