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「防衛費をめぐり日本の財政議論が始まった」(前半)三橋貴明 AJER2022.12.21

   

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2023年 日本国民の「貨幣観」が転換する一年になる[三橋TV第646回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/KSlcwXdUx2Q

 貨幣とは、誰かが「借りる」ことで貸借関係が生まれることで創出されます。当たり前ですが、「関係」に物理的な制約などありません。単なる情報ですから。


 ところが、多くの人類は貨幣について「モノ」であると認識し、経済に関する理解が狂ってしまう。これを、わたくしは「貨幣のプール論」と名付けました。
 

 貨幣のプール論に囚われた人の経済論は、もう、とにかく、圧倒的に、笑ってしまうほどに間違えてしまう。そもそも、「数字」という概念を理解していない人が、足し算で正解を出せるはずがないでしょ、というレベル。

増税に国債も…防衛費の大幅増を誰が負担? 日本国民が考えるべきは「3つの財源」 執筆:野口 悠紀雄
 岸田政権は防衛力強化に大きくかじを切り、2023年度の予算案で防衛費の大幅な増額を閣議決定した。ここで問題になっているのが財源だ。国債や増税などで賄うとされているが、防衛費増額については国債で賄うべきではない。その理由で一般に言われるのは「国債で、将来世代に負担を移転しているから」である。しかし本質的にはそうではない。この財源問題は日本経済に大きな影響を与えるため、日本国民は「国債の負担」に関する正しい理解の上に、この問題を議論する必要がある。(後略)』

 凄い・・・。野口悠紀雄、いい年して、貨幣について全く理解していない。

『(引用)第一に、国債を発行した時点で、国が全体として使える資源の総量が増えるわけではない。国債は国内の誰かが購入するので、その人の支出が減少している。』

 「資源」が何を意味するのか分かりませんが、誰かが支出を増やせば、誰かの所得は増えます。さらに、政府が国債を発行し、支出することでマネーストック(銀行預金+現金)の総量は確実に増えます。


 そして、国債を銀行が日銀当座預金で国債を購入したところで、銀行の支出は減りません。理由は、そもそも日銀当座預金は民間経済では使用不可能な貨幣だからです。


 野口悠紀雄、ここまで経済や国債発行、日銀当座預金について無理解だったのか・・・・。ある種の感動すら覚えました。
 

 野口は、要するに、
「政府が国債を発行し、支出することで、民間に預金が増える」
 という、特別定額給付金が証明した現実すら、全く理解していないわけですね。

『(引用) 第二に、将来、国債を償還する時点では国全体として使える資源の総量が減るわけではない。なぜなら、国債の償還金は国内の誰かが受け取るからだ。利子の支払いについても同様だ。
 つまり、国債の発行・償還・利払いに伴う資金移動は国内で起こるので、国全体として使える資源の総量には変化が生じない。この点で、外国債と内国債は基本的に異なるのだ。』

 相変わらず「資源」の定義が分からんのですが、要するに野口は完璧な貨幣のプール論で、貨幣が貸借関係の成立により「増えていく」という現実を全く認識していないことになります。つまりは、彼の頭の中の貨幣は、金貨銀貨なのです。

 

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 ちなみに、国債が償還されると「国全体として使える資金=銀行預金」は減ります。貸借関係がなくなれば、貨幣も消滅するのです。
 

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 ここまで頭の中が中世欧州だと、当然ながら「国債を発行すると、貨幣のプールから貨幣がなくなり、金利が上昇する~っ!」という発想になるわけですが、ホントになってた。

『(引用) これと同じことが、国の場合にも生じる。国が国債を発行して財政支出を増大させると、金利が上昇し、民間が設備投資にあてるための資金は減る。その結果、資本蓄積が減少し、将来の生産性が低くなるという問題が生じるのだ。』

 一枚の図で論破。

【日本政府の長期債務残高と長期金利の推移】


http://mtdata.jp/data_82.html#saimukinri

 日本政府の長期債務残高と長期金利は、逆相関に見えるのだが、これをどう説明するの、野口悠紀雄。(ちなみに、日本は諸条件を満たしているが故に、長期債務残高と長期金利がクロスしているわけで、全ての国が同じ状況になるわけではありません)


 今時、ここまで幼稚な財政破綻論を主張する人がいるとは思わなかった。昨日の1ドル500円オジサンたちですら、すでに日銀破綻論にシフトしているというのに。

 

 あれかな? 1ドル500円オジサンたちが、

「国の借金で破綻する~っ!」

「国債金利が急騰する~っ!」

「ハイパーインフレーションになる~っ!」

 は、さすがにボコボコにされて言えなくなったので、この手のベーシックな財政破綻論に対する批判の機会が無くなりつつあるため、それを懸念して、古臭い「金利が~っ!」破綻論を書いてくれたのかな、野口悠紀雄。

 

 まあ、いずれにせよ、この手の貨幣観を間違えた財政破綻論者が蔓延る限り、我が国が緊縮財政を転換することは不可能です。財政破綻論者を、駆逐しよう。

 

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