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「防衛費をめぐり日本の財政議論が始まった」(前半)三橋貴明 AJER2022.12.21

   

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防衛費の安定財源は防衛需要である 需要こそが貨幣を創出する[三橋TV第645回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/XrRYVQdqVkw
 

 

 中野剛志先生が、三橋TVでご紹介くださっている著書「世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道」で、現在のコストプッシュ型インフレについて「デフレ化要因」であると解説していらっしゃいましたが、所得が上昇せず、支出のみが増える以上、当然、そうなります。


 そもそもデフレーションとは「総需要の不足」でございます。コストプッシュ型インフレによる実質賃金、可処分所得の減少は、需要不足を引き起こす。当然ながら、デフレ化要因です。


 同じことは、日本銀行も説明しています。


 4月11日の参院決算委員会における、日本銀行の西田昌司参議院に対する答弁。


『ウクライナ情勢を受けました供給不安に起因する資源・穀物価格の上昇は、短期的にはエネルギー・食料品を中心に、物価の押し上げ要因となる一方、家計の実質所得の減少や、企業収益の悪化を通じまして、国内需要の下押し要因となります。このことは感染症からの回復がなお道半ばにある我が国経済に悪影響を与え、長い目で見れば、基調的な物価上昇率の低下要因ともなり得ます。』


 日本銀行が説明している通り、コストプッシュ型インフレは「家計の実質所得の減少」に加え、「企業収益の悪化」を通じ、需要を抑制します。


 企業収益の悪化。つまりは、企業がコストアップ分を価格に転嫁できず、付加価値(所得)を減らしてしまうという現象です。


 わたくしの行きつけの美容院が、値上げをしました。値上げをしたところで、美容師さんの所得が(名目的に)増えるわけではないでしょう。
 電気代の高騰が原因です。
 

 もっとも、美容院が電気代を多く支払ったところで、電力会社の所得が増えるわけではない。所得が増えるのは、あくまで海の向こう側のエネルギー生産者です。


 電力会社も、美容院も、コストアップ分を価格に転嫁しただけでございまして、付加価値は増えません。


 価格転嫁できる事業者は、まだマシです。

 

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【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。

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皇統論第四十七回「武士の誕生」、歴史時事第四十七回「ウィリアム三世」がリリースになりました。ぜひ、ご入会下さい。

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物価高でも価格転嫁できないサービス業 値上げなら顧客減少の不安 モノとの二極化鮮明 苦悩の経営
 2022年は食品や家電といったモノの値上げが相次ぎ、消費者は物価高に悩まされた。だがこの間、外食や理美容などサービス価格はほとんど、コスト増加分を価格に上乗せ(転嫁)できず、モノとの二極化が鮮明になっている。国内ではサービス業で働く人の割合が高く、二極化は今後の賃上げにも影を落とす恐れがある。
 「値上げするかどうか悩ましい」。東京都世田谷区で喫茶店を営む男性(44)は語る。燃料費や輸送費の上昇で、海外産コーヒー豆の価格が高騰する中、昨年12月にコーヒーの店内価格を550円から620円に引き上げたが、来店客数は減少。仕入れ値は例年より10%以上も上がったが「もう値上げしたくないのが本音」だ。
 理容店も価格転嫁に苦慮する。東京都理容生活衛生同業組合の役員で、品川区の理容店「ロダン」を営む山﨑裕介さん(55)は「常連客から『物価高で食費がかかって大変』との声を聞くと心情的に上げづらい」と価格を据え置く。昨年11月に月4万3000円だった店の電気代は最近では月6万4000円に上昇。ドライヤーや照明器具の使用は減らしづらいため、電気代の高騰が収益を圧迫し続ける。
 価格転嫁では他にも「コロナ第8波で客入りが悪い中、値上げのタイミングを決めにくい」(飲食業の40代女性)、「料金を引き上げると顧客が安い店に流れてしまうとの不安がある」(理容業の60代女性)などの声が上がる。実際、帝国データバンクの調査によると「価格転嫁できている」と答えた企業の割合は、製造業では8割を超えたが、サービス業では4割超にとどまった。(後略)』

 特に厳しいのは、サービス業です。


「顧客が安い店に流れてしまうとの不安がある」
 とは、まさにサービス業の経営者の本音でしょうが、値上げをしなければなりません。さもなければ、廃業に追い込まれる。


 無論、サービス業が値上げをしていくと、消費者物価が上がり、我々国民の実質賃金がさらに減る。だからこそ、政府というものがあるのです。


 消費税の廃止を含めた、国民救済策の議論を始めなければなりません(遅すぎるわけですが)。特に、来年4月は電気料金、小麦価格が二割~四割程度上昇することが確実なのです。


 現在のコストプッシュ型インフレにより、我々国民は「真綿」ではなく「ピアノ線」で首を絞められているような状況に到っています。


 歴史を振り返ると、ピューリタン革命にせよフランス革命にせよ、あるいはロシア革命にせよ、コストプッシュ型インフレにより国民が「目に見える形」で貧困化していった時期に起きました。コストプッシュ型インフレは歴史を動かすのです。


 無論、革命を起こすべきと言いたいわけではありません。議会を動かすのです。それ以外に、方法はありません。

 それでは、2022年は大変、お世話になりました。
 来年も三橋貴明をよろしくお願いいたします。

三橋貴明

 

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