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「防衛費をめぐり日本の財政議論が始まった」(前半)三橋貴明 AJER2022.12.21
令和の政策ピボット呼びかけ人に「呼びかけ人」に慶應義塾大学商学部准教授 岩尾俊兵先生が加わって下さいました。
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一般参加可能な講演会のお知らせ
2023年1月29日(日) 三橋貴明先生の仙台勉強会
http://mtdata.jp/data_81.html#sendai
年末だからぶっちゃけて議論してみた 財務省、立憲民主党、そして核武装[三橋TV第642回]原口一博・三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/e9VZJg2ImXM
本日はビッグイベントがあります。この日のために、二年間、トレーニングを続けて参りました。シンポジウム後の懇親会にお越しの皆様、ご期待ください。
令和五年度予算が閣議決定されました。
メディアは、例により、「過去最大!」と財政危機を煽っておりましたので、きちんと中身を分析、評価したいと思います。
『23年度予算案決定、過去最大114兆円 国債依存なお3割 コロナ有事の財政、脱却できず
政府は23日、一般会計総額が過去最大の114兆3812億円となる2023年度予算案を決めた。新型コロナウイルス禍で拡張した有事対応の予算から抜けきれず、膨らむ医療費などの歳出を国債でまかなう流れが続く。米欧で1~2割前後に下がった借金への依存度はなお3割を超す。超低金利を前提にしてきた財政運営は日銀の緩和修正で曲がり角に立つ。
23年1月召集の通常国会に予算案を提出する。一般会計で当初から110兆円を超えるのは初。(後略)』
というわけで、令和五年度予算はこちら。
【令和五年度一般会計歳出・歳入(億円)】
http://mtdata.jp/data_82.html#reiwa5
令和三年度、四年度の一般会計歳出はこちら。
【令和三年度・四年度 一般会計歳出(億円)】
http://mtdata.jp/data_82.html#34
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【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
皇統論第四十七回「武士の誕生」、歴史時事第四十七回「ウィリアム三世」がリリースになりました。ぜひ、ご入会下さい。
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とりあえず、今後のキーになりそうな「債務償還費」です。
令和四年度は16兆円、令和五年度は16.8兆円。「予算史上最大!」と煽っていますが、内、8千億円は何の意味もない債務償還費増加分です(特別会計に移して、国債借り換えに使うだけ)。
「防衛費」は令和四年度が5.4兆円、令和五年度が6.8兆円。さらに、防衛力強化資金(仮称)繰り入れが3.4兆円(本件は別で取り上げます)。
社会保障費や地方交付税交付金は増額になっているため、とりあえずは省略。
公共事業費、相変わらずジャスト6兆円。公共事業費は、第二次安倍政権発足以降、ずっと6兆円です。
もっとも、補正予算で国土強靭化予算が組まれるため、年度総額では増えています。当初予算は、なぜか頑なに6兆円。
食料安定供給関係費、令和四年度が1.2701兆円、令和五年度1.2654兆円。減ってるじゃん!
エネルギー対策費、令和四年度8756億円、令和五年度8540億円。減ってるじゃん!
いや、防衛費増額も大事ですが、「防災」「食料」「エネルギー」という安全保障も危機に瀕しているわけですよ。その状況で、公共事業、食料安定供給、エネルギー対策の予算を増やさない。
まあ、「政治力」の問題なのでしょうが、もっと頑張れよ国土交通省、農林水産省、資源エネルギー庁。(ちなみに、分かると思いますが、防衛費の増額については、全く反対しているわけではありません)
というか、債務償還費の8千億円増額分がなければ、総額の増額分が変わらなかったとしても、防災、食料、エネルギー安全保障関連費を積み増すことはできたのです。
結局のところ、国債残高は増え続けるため、国債60年償還ルールに縛られ、債務償還費を一般会計歳出に計上し続ける(世界で唯一!)ことは、「財政の硬直性」をもたらさざるを得ないのですよ。
来年こそ、国債償還ルールの廃止を!
「来年こそ国債償還ルールの廃止を!」に、ご賛同下さる方は、