株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

「もはや洒落にならない日本の食料危機」(前半)三橋貴明 AJER2022.11.8
   

令和の政策ピボット呼びかけ人に「呼びかけ人」に慶應義塾大学商学部准教授 岩尾俊兵先生が加わって下さいました。

また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

 

一般参加可能な講演会のお知らせ
2023年1月29日(日) 三橋貴明先生の仙台勉強会
http://mtdata.jp/data_81.html#sendai

 

コストプッシュ型インフレは革命的パワーをもたらす[三橋TV第636回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/g4gM9zR5qHI

 

 

 

 わたくしは、昨年の矢野康治の「矢野論文」以降の財務官僚たちの暴走について、心の底から感謝しております。何しろ、政治家(与野党問わず)が、

「財務省は異常な省庁である」
 という事実を強く意識し始めた。


 自民党サイドに限っても、財政政策検討本部発足、「骨太の方針」議論における「社会保障関係費を除き3年で1000億円」というキャップの存在発覚、第二次補正予算の議論の最中の財務官僚の暴走(勝手に金額を決め、総理に報告し、報道発表した)と、以前には考えられなかったイベントが続きました。
 

 そして、今回の防衛税議論。ついに、財務省は「首相指示」という禁断の手段に訴え、財務省不信は新たな段階に至りました

岸田首相、防衛費財源で増税に理解求める 国債は否定
 岸田文雄首相は10日夕、臨時国会が閉会したことを受け会見し、防衛力増強の財源として増税を行う考えを改めて示すとともに、国債を発行する可能性は「未来への責任としてあり得ない」と否定した。(後略)』

 未来への責任ねえ・・・・。

【1872年-2015年 政府債務の金額及び実質残高(2015年基準)の推移(単位:億円)】


http://mtdata.jp/data_53.html#Seifusaimu

 「国の借金は将来世代へのツケの先送り」ホイホイとして、島倉さんが作られた例の図を置いておきますね。
 日本政府の債務残高(2015年時点)は名目の金額で1872年の3740万倍!実質でも1885年の546倍!になっている。
 

 過去の日本政府がここまで負債(貨幣)を増やしてくれたからこそ、我々は現代、それなりに安全で快適な生活を送ることができている。国債発行は将来世代へのツケの先送りではない。国債発行は将来世代への「安全」「豊かさ」という名の贈物なのですよ


 それにしても、総理の「防衛増税」発言で、高市早苗経済安全保障担当相がツイッターで露骨に「異」を唱えたのには驚きました。時代は、変わったものです。

高市早苗@takaichi_sanae
 普段は出席の声がかかる一昨日の政府与党連絡会議には、私も西村経済産業大臣も呼ばれませんでした。国家安全保障戦略には経済安全保障や宇宙など私の坦務分野も入るのに。その席で、総理から突然の増税発言。反論の場も無いのかと、驚きました。』

高市早苗@takaichi_sanae
 企業が賃上げや投資をしたら、お金が回り、結果的に税収も増えます。再来年以降の防衛費財源なら、景況を見ながらじっくり考える時間はあります。賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません。』

 財務省としては「このタイミング」で総理に増税発言をさせ、増税路線を既成事実化したかったのでしょうが、自民党の国会議員たちは猛反発しています。
 

 とりあえず、選挙は近くないのだから、「自民分裂」とか言われてもダメージはない。積極財政派よ、ここは振り切れるべきです。


 議会制民主制の国なのだから、それでいいのです。そもそも、特定の誰か(今回は財務省)の邪な政策を邪魔するためにこそ、議会があるのですから。
 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

皇統論第四十六回「刀伊の入寇」、歴史時事第四十六回「イングランド大内戦(ピューリタン革命)」がリリースになりました。ぜひ、ご入会下さい。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 さて、消費税。

【日本の消費者物価指数の推移(対前年比%)】


http://mtdata.jp/data_81.html#CPI

 デフレ下の日本では、二十一世紀に入って以降、三回、物価が上昇しています。08年と22年は「輸入物価上昇」に起因するコストプッシュ型インフレですが、14年は「消費増税」に起因するコストプッシュ型インフレです。


 まさか、未だに「消費税は間接税で、免税事業者は益税を得ている」などと情弱なことを言っている人はいないと思いますが、消費税は直接税です。何しろ、納税者と担税者が同じく事業者なのですから。(消費税法に「消費者」という言葉は一切出てきません。関係ないからです)


 間接税で「納税免除」が許されるとなると、担税者(消費者)が支払った税金を、納税者(事業者)が横領したことになってしまいます。間接税で「納税免除」など、ありえないのです。


「でも、消費税が増税されると、物価が上がるじゃないか!」
 その通り。


 でもね、それは「外国から輸入するエネルギー価格が高騰し、サーチャージが跳ね上がり、電気代が上昇した」のと、全く同じ現象なの。今、まさにこれが起きているから、ピンとくるでしょ。


 例えば、輸入エネルギー価格が上昇したとして、電力会社が価格を据え置きにすることは論理的には出来るよね。でも、そんなことしたら、会社が潰れてしまうため、サーチャージを引き上げるわけ。


 同様に、「付加価値(=課税売上-課税仕入)」にかかっている消費税は、最終利益(税引き前利益)が赤字になる企業からも、容赦なく徴収されるのだよ。消費税が増税された際に、販売価格を引き上げない場合、コスト上昇分を企業が「呑む」ことになってしまう。


 輸入エネルギー価格上昇の影響を電力会社が「呑む」場合と同じだね。そんなことをしたら、倒産、廃業になってしまうために、価格を引き上げているに過ぎないんだ。


 例えば、わたくしの講演の場合、請求書に消費税が入ったり入らなかったりする。例えば、講演料100万円だったとして(実際にはもっと安いですが)、普通に請求書を出すと、
「講演料100万円+消費税10万円=110万円」
 という請求になるのですが、「予算が本当に本当に100万円しかないのです!」と泣きつかれた場合、
「講演料100万円」
 の請求書を出すのですよ。


 でもね、実際には110万円も100万円もともに「値付け」に過ぎない。講演を110万円で売っているのか、100万円で売っているのか。そんな話は政府にはどうでもよく、とにかく付加価値分から10%を徴税するよ、という話なのです。


 講演料100万円の請求書を出した場合は、÷11で、9万909円が政府に徴税されてしまうのです。


 消費税率が20%になると、講演料100万円から徴収されていた9万909円が、16万6667円に増加する。となると、増税分を回収するために、わたくしは講演料を引き上げざるを得ない、という話なのでございます。


 いかがですか? 消費税は、事業者の付加価値に課せられた税金なのです。消費税が増税された結果、物価が上がるのは「輸入物価上昇に起因するコストプッシュ型インフレ」と同様であり、「起因」の前が異なるに過ぎないのです。


 「国の借金」の嘘を暴き、真実を広めるために14年間も費やしてしまいました。確かに成果は出ていますが、14年は長いです。この後、消費税の嘘を広めるために、わたくしは何年費やすことになるのでしょうか。


 まあ、それでもやるんですけどね。わたくしは、とにかく政策的な「嘘」を許せないのです。潔癖症なので。
 

「政策的な嘘を許すな!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。

㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。