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「財務省が掲載している決定的な証拠」(前半)三橋貴明 AJER2022.6.14
  

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反・グローバリストの「日本国民」の皆さん 左右ではなく上下で戦え[三橋TV第568回]三橋貴明・高家望愛

https://youtu.be/2QlscGedpIU

 

 


 はい、というわけで、決定的に重要な動画が配信されました。「【大スクープ】自民党・積極財政派が暴いた財務省のスキャンダル〜PB黒字化目標に隠された罠」でございます。


 内容に入る前に、自民党の国会議員との対談や鼎談を配信するたびに、「ガス抜きだ」とか、適当に知った風な言葉を使うのやめてください。恥ずかしいから。そもそも、この動画は内容的に、自民党積極財政派のガス抜きには全くなっていない。


 しかも、高市政調会長をあれだけ批判しているわたくしを、自民党(それ以外でも)勢力のシンパとしてカテゴライズをするのも失礼極まりない。参議院選挙が(事実上)始まって以降、わたくしが対談した人物の政党は、れいわ新選組、国民民主党、参政党、自民党。本日から配信される複数の動画で、日本第一党、NHK党、立憲民主党、(再度)れいわ新選組の方とお話ししています。


 ちなみに、「誰々と対談しないのか?」「どこどこは無視するのか?」系の批判も筋違いです。わたくしは、基本的に「依頼を受ければ、(スケジュールが合う限り)全て受ける」方針を貫いていますので。


 さて、本動画で明らかになったこと。


1.財務省が2015年の時点で、「社会保障費以外の歳出は三年間に1000億円までしか増やせない」という文言を忍ばせていた(後述)。かつ、骨太の方針2015の方針が、2023年度予算編成でも踏襲されるように仕組んだ。
2.自民党の国会議員(特に中堅から上)たちが「消費税減税」を嫌悪するのは、できの悪い子供(消費税)を生み、懸命に(税率10%まで)育てたという「愛」によるもの


 1についてですが、財務省は「自省の権力を高める」ために、常に緊縮財政を振りかざします。だからと言って、財務省が勝手に、
「あ、この予算はカットです」
 と、やるわけにはいかないのです。査定権(というか査定機能)を用い、各省庁からの予算申請をカットするためには、何らかの行政文書が必要なのでございます。


 具体的には、法律や閣議決定です。


 閣議決定されるPB黒字化目標は、確かに緊縮財政を強行する論拠になりますが、「来年度の予算規模」を決定するわけではないのです。方向性的には「2025年度までに黒字化」と言った感じで、緊縮を強制しますが、「来年度予算で、いくら削れ」は決まっていない。


 だからこそ、財務省は骨太の方針2015に「罠」を潜ませた。具体的には、以下ですね。

【骨太の方針2015より引用】



 お分かりですね。まずは社会保障関連費の増加(三年間1.5兆円)を2018年度まで継続することを掲げ、その後、全然、別の「注釈」で「一般歳出の伸び」を三年間で1.6兆円とすることを記載している。


 すなわち財務省は、社会保障関連費以外は、三年間で1000億円しか増やせないという「キャップ」を嵌め、それを延々と継続する仕組みを構築したのです。

 

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 というわけで、骨太の方針2022では、

【骨太の方針2022より引用】



 財務省が最後の最後に「骨太の方針2021に基づき」という言葉を挿入し、かつ自民党の緊縮財政派(稲田朋美らだと思いますが)が、
「これは残すべき」
 と、強硬に主張した。


 結果、「え? 何で?」と、自民党積極財政派が調査を開始し、ついに「骨太の方針2015」に仕組まれた罠が明らかになったのです。


 というわけで、実は日本の国会議員たちは、国会やその他の場でどれだけ「議論」しても、全く無駄。財務省は、受け継がれている「骨太の方針2015」に基づき、淡々と予算カットが可能な構造が作られていたわけでございます。


 いや、冗談でも何でもなく、本当に日本は財務省主権国家だったのです。


 例えば、PB黒字化目標を破棄したところで、上記のキャップがある限り、財務省は概算要求の時点で、普通に「三年間の(社会保障関連費を除く)歳出増は1000億円まで」という査定をしてくるでしょう。何しろ、閣議決定された骨太の方針で、そうなっているのですから。


 しかも、三年間1000億円というキャップの存在を、閣議決定した当の安倍晋三総理大臣(当時)すら知らなかった、という話なのでございますよ。


 ちなみに、内閣府は「三年間で社会保障関連費を除く1000億円」というキャップの存在を認めました(新聞報道もされています)。


 そして、こちらは新聞報道はされていませんが、高市政調会長らが突っ込んだ「重要な政策の選択肢」の重要な政策とは、岸田内閣の新しい資本主義関連、および骨太の方針2022に掲載されている全ての政策を含みます。(官僚が答弁しています)


 具体的には、
・成長と分配をともに高める「人への投資」を始め、科学技術・イノベーションへの投資、スタートアップへの投資、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資
新しい資本主義が目指す民間の力を活用した社会課題解決に向けた取組や多様性に富んだ包摂社会の実現、一極集中から多極化した社会をつくり地域を活性化する改革 
 戦略的な外交・安全保障や同志国との連携強化、経済安全保障等
強靱で持続可能な経済社会に向けた防災・減災、国土強靱化の推進や東日本大震災等からの復興、国民生活の安全・安心に向けた基本的な方針
 などになりますね(何しろ、骨太の方針2022に書かれている) 


 別に、自民党を嫌悪しても良いですが、財務省が仕組んだ「罠」を見破ったのは、これは自民党国会議員の手柄です。


 何しろ、我々は実は財政主権を持っていなかった。その事実すら、知らずに「積極財政を!」と議論していたのが現実なのですよ。

 

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