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3月22日が教えてくれた電力危機の現実」(前半)三橋貴明 AJER2022.6.7
  

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東アジアでアメリカのために代理戦争をする国は「どこ」なのか?[三橋TV第556回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/pCNq_ZW-pis

 


 何度も繰り返して恐縮ですが、輸入物価上昇によるコストプッシュ型インフレは、デフレギャップを埋めません。輸入物価上昇による「デフレ脱却」は不可能なのです。
 

 なぜか。
 

 A社が外国から50円の製品を輸入し、自らの付加価値(50円)を加えて100円で消費者に販売していたとします。このとき、GDPは50円です(100円ではありません。輸入は控除項目なので)。


 外国から輸入する製品価格が、60円に値上がりしました。A社が50円の付加価値を加え、110円で消費者に販売した。
 支出面のGDPにおける「民間最終消費支出」は110円になりますが、控除項目の「輸入」が50円から60円になったため、GDPは相変わらず50円のままです。


 輸入物価上昇はGDPを増やさない。つまりは、デフレギャップ(需要不足)は解消されないのです。
 

 ところが、輸入価格上昇が製品価格に転嫁されたため、我々の支出は増える。デフレギャップとコストプッシュ型インフレの共存により、我々の可処分所得は減る。


 これが、まさに今、日本で起きている経済現象なのです。

 

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【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。

http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

第四十回「皇統論 平将門の乱-坂東燃ゆー」「歴史時事 ウクライナ国民共和国」がリリースになりました。

ぜひ、ご入会下さい。

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国内需要不足21兆円、22年1~3月 前四半期から悪化
 内閣府は6日、日本経済の需要と潜在的な供給力の差を示す「需給ギャップ」について2022年1~3月期はマイナス3.7%だったとの試算を発表した。金額は年換算で21兆円の需要不足だった。21年10~12月期のマイナス3.3%(19兆円)から悪化し、10四半期連続のマイナスとなった。
需給ギャップは消費や設備投資といった経済全体の需要と、労働時間などから計算する潜在的な供給力との差をいう。需要が供給を上回ると、物価は上がりやすくなる。逆に供給が需要を上回る場合は物価の押し下げ圧力が強いとされる。
政府は脱デフレの目安として需給ギャップを重視する。4月の消費者物価指数が目標とする2%に届く一方で、需給ギャップはマイナスが続いており、デフレ脱却は道半ばとの見方は多い。今後、経済対策の規模拡大を求める声が強まる可能性もある。』

 内閣府のデフレギャップ(需給ギャップのマイナス)は、平均概念の潜在GDPを使っているため「小さく」なります。
 昨日、コメントしてくださった方もいましたが、21世紀政策研究所の【中間層復活に向けた経済財政運営の大転換】において、星野卓也氏が解説してくださっています。

『日本で広く用いられている内閣府の推計する潜在 GDP は、オーソドックスな成長会計のアプローチ―労働投入、資本投入、全要素生産性(TFP)の 3 つの要素が生産を規定する、との考え方に基づいて推計されている。労働投入や資本投入は就業者数等や資本ストック等のデータが用いられているが、TFP は「実際の GDP から労働投入、資本投入を差し引いた残差」を平滑化した値が用いられている。TFP と労働・資本投入を合計したもの潜在 GDP、これと実際 GDP の差分が GDP ギャップになる。こうして推計される潜在 GDPは実際の GDP の「平均」に近いものになる。

 つまりは、デフレで低成長が続く日本の場合、潜在GDPは次第に小さくなっていく(何しろ過去平均ですので)。となると、「=潜在GDP-名目GDP」で計算されるデフレギャップもまた、小さく見えるようになっていくわけです。

【日本の四半期別GDPギャップの推移(対GDP比%)】


http://mtdata.jp/data_79.html#GAP22Q1

 コロナ禍により、日本では(少なめに出る内閣府の数値で)20兆円規模の需要不足が定着してしまっています。


 最低でも、20兆円規模の「財政赤字の拡大」が必要な局面ですが、政府は相変わらずPB黒字化目標などと寝ぼけたことを言っている。
 

 デフレギャップ(需要不足)が定着しているにも関わらず、危機感を持っていない政治家たちの存在こそが、日本の本当の危機なのです。

 

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