株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

「ネットの資金需要」(前半)三橋貴明 AJER2022.2.8
  

 

令和の政策ピボット呼びかけ人に「HAL YAMASHITA東京 エグゼクティブシェフ 社団法人日本飲食団体連合会 副会長 山下春幸」様が加わって下さいました。。

また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

 

悪いことだからクローズドにやるんだろ!自民党「小委員会」の闇[三橋TV第515回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/BXKXZZEt1eA

 

 


 国営ロシア通信に、ロシアがウクライナに勝利した際の論説「ロシアと新しい世界の到来」が誤って掲載された件が話題になっています。
 無論、掲載直後に削除されたのですが、ウェイバックマシンによって保存されてしまいました。このミスは、先日の後藤田正純議員の「うっかり名簿を掲載しちゃった」とは比較にならないほど、世界の歴史に影響を与えそうです。
 
ロシア国営メディア 誤ってウクライナ軍に「勝利」の記事公開
 ロシアの国営メディアが、ウクライナ軍との戦争でロシアが勝利したことを前提とする論説記事を誤って公開した。掲載直後に削除されたが、インターネット上で拡散した。短期決戦での勝利を見込んでいたロシア側の思惑が露呈した形だ。
 記事は、ロシア軍がウクライナに侵攻を始めた2日後の2月26日午前8時1分、国営ロシア通信のウェブサイトに掲載された。勝利に備えてあらかじめ用意した原稿を誤ってアップしたとみられる。
 表題は「ロシアと新しい世界の到来」。「ウクライナはロシアに戻った。ロシア世界の一部としての自然な状態に戻された」と宣言。ウクライナとの戦争の「勝利」によって「ロシアは欧米に挑戦しただけでなく、欧米の世界支配の時代が完全かつ最終的に終わったことを示した」と強調し、冷戦後の欧米主導の国際秩序が終わりを告げたと誇った。』

 全文の日本語訳を山形浩生氏(「21世紀の資本」などの翻訳者の方ですね)が掲載されていました。

 


 最初に読んだ感想は、「我が闘争」かよ!でございますが、これを狂っていると切り捨てるのは危険だと思います。


 現在、経世史論で池田悠先生の「一次史料が明かす南京事件の真実 アメリカ宣教師史観の呪縛を解く」を公開していますが、動画の最後の方で、池田先生が、
「有能なインテリジェンスオフィサーは皆、詩を読まなければいけない」
 という「イスラエル情報機関史」の言葉を紹介してくれています。


 詩を読むとは、つまりは相手の価値観や感覚を理解すること、という意味ですね。相手の文化や感情を理解しなくては、情報を生かすことができないと、イスラエル情報機関は教えているのです。
 

 「ロシアと新しい世界の到来」において、「ロシア」「ベラルーシ」「ウクライナ」は一体であると主張しています。1991年末のソ連崩壊(文中では「1991年の悲劇、我らが歴史上の恐るべき大災厄、その不自然な断絶」と表現されています)によって分断された「ロシア」が、統一された、と主張してるのです。 


 しかも、ウクライナについて、わざわざ「小ロシア」という蔑称を使っている(蔑称のつもりはないかもしれませんが)。

 

【池田悠 一次資料が明かす南京事件の真実 アメリカ宣教師史観の呪縛を解く】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

中国共産党が「南京大虐殺!」と喧伝する南京事件とは、何だったのか? 実は「日本」や「中国」にのみ注目していると、その真実を理解することは絶対に不可能です。今回、南京事件の真相を「パーフェクト」に暴いた「一次資料が明かす南京事件の真実」を刊行された池田悠氏にご登壇頂きました。「驚愕」としか表現のしようがない「真実」を知って下さい。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 歴史的事実を申し上げますと、現在のウクライナは「分割されたロシア」ではなく、ポーランド・リトアニア共和国時代の「ウクライナ・コサック」をルーツとする国です。そうでなければ、ウクライナ・フリヴニャ紙幣の肖像が、ボフダン・フメリニツキーや、イヴァン・マゼーパ(共にウクライナコサックのヘーチマン(統領))である説明がつかんでしょ。


 大北方戦争以降、ウクライナはロシア帝国の支配下に入ることになりましたが、元々は「違う国」なのです。今のロシア連邦について、

「以前はモンゴル帝国の支配下にあったため、モンゴルの国だ」

 と、主張する人はいないでしょう。あるいは、

「イランはかつて、アレキサンドロス大王に征服された。よって、イランはギリシャの一部だ」

 と、主張する人は「狂人」と烙印を押されます。
 

 話がややこしいのは、ロシア(ベラルーシも)のルーツは、九世紀末に成立したキエフ・ルーシだということです。「キエフ」とついていますので、現在のキエフを中心に成立した国家でした。(キエフ・ルーシが、いかに「ロシア」になっていくのかは、経世史論の歴史時事十三回「兵士と剣の国」で解説しています) 


 もっとも、ウクライナ人からしてみれば、千年も昔などどうでもいい話で、現在は「ヘーチマン」をルーツとするウクライナなのです。
 

 それに対し、ロシア(プーチン大統領)は、ウクライナを「小ロシア」として、ロシアの一部とみなしている。
 

「いや、あんた、いまさら何を言っているの」
 というのは、我々の感覚であり、「プーチン大統領の詩」の世界では、ウクライナは「当然のこと」として「ロシアの一部」として認識しているのではないでしょうか。そういえば、プーチン大統領は、大北方戦争のポルタヴァの戦いで勝利し、ロシアを大国化したピョートル大帝を尊敬しているそうです。(ポルタヴァの戦いで、スウェーデンと共にロシアと戦った英雄が、先述のイヴァン・マゼーパ)


 自分の価値観ではなく、相手の価値観、相手の「詩」を読み、対応しなければならない。
 

 つまりは、中国共産党が「台湾」や「沖縄」あるいは「日本」について、どのように考えているか、我々の常識や価値観で判断しては「危険」という話なのでございますよ。中国共産党の「詩」に基づき、対応しなければならないのです。

 

本日のエントリーをご評価くださる方は、

↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。

㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。