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「ネットの資金需要」(前半)三橋貴明 AJER2022.2.8
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積極財政への転換のためには構造改革主義者をも取り込むべきか？[三橋TV第514回]三橋貴明・高家望愛
ロシア軍ウクライナ侵攻を受け、欧米（遅ればせながら日本も）諸国がＳＷＩＦＴからの排除、中央銀行のロシアの外貨準備凍結といった制裁を決定。
驚くべきことに、日本銀行もロシアの外貨準備を凍結しました。
『日銀、ロシアの外貨準備を凍結 21年時点で4～5兆円
日銀はロシア中央銀行から預かる外貨準備を凍結する。日本政府がロシア中銀との取引を制限する制裁を表明したことにあわせ、円建ての外貨準備をロシアや他の金融機関などに送金できないようにする。2021年時点で金額は4兆～5兆円規模だったとみられる。ロシアのウクライナ攻撃に伴う制裁の一環。中銀の外貨準備を凍結するのは異例だ。（後略）』
そもそも論をしておきますが、なぜ外貨準備が必要なのかといえば、自国通貨暴落を防ぐためです。
めんどいので、今後は「ルーブル」を使いますが、ルーブルが他通貨に対し暴落すると、輸入物価が上昇し、インフレ率が急騰します（今のレバノンのケースですね）。
ロシアは国内の資本蓄積が不十分で（「ロシア製品」って、聞いたことあります？エネルギーと兵器以外で）、元々、インフレになりやすい国です。
「原油こそ我らが全て」
とは、ロシアのエリートが自国を揶揄する際に使う表現ですが、原油・天然ガスの決済が困難になるかも知れない。さらには、ルーブル暴落時に、ロシア政府は外貨準備の取り崩しができないかもしれない。
という予想が、ルーブルとロシア（のドル建て）国債を一気に暴落させました。これも、自己実現的予言の一種ですね。
【ロシア・ルーブルの対ドル為替レートの推移（ルーブル）】
http://mtdata.jp/data_78.html#RUB
ロシアルーブルが暴落すると同時に、ロシアの外貨建て国債の金利も急騰。
ロシアのドル建て国債の未償還残高は３３０億ドル（約３兆８２０億０円）。ロシア国債を保証するクレジット・デフォルト・スワップ（ＣＤＳ）は、デフォルト（債務不履行）確率５６％を示唆しています。
ロシア中央銀行は、現在「無制限の資金供給」に踏み切っています。それはまあ、ルーブルを発行することはロシア中銀に可能です。
とはいえ、外貨はそうはいかない。
ルーブルの為替レートが下落すると、外貨建て国債の実質的な価値がどんどん高まっていく。
本来、ロシア政府は為替介入でルーブルを買い支えなければなりませんが、外貨準備を凍結されている（全てではないでしょうが）。
【池田悠 一次資料が明かす南京事件の真実 アメリカ宣教師史観の呪縛を解く】
https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
中国共産党が「南京大虐殺！」と喧伝する南京事件とは、何だったのか？ 実は「日本」や「中国」にのみ注目していると、その真実を理解することは絶対に不可能です。今回、南京事件の真相を「パーフェクト」に暴いた「一次資料が明かす南京事件の真実」を刊行された池田悠氏にご登壇頂きました。「驚愕」としか表現のしようがない「真実」を知って下さい。
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ロシア中銀は、政策金利をこれまでの年９・５％から、一気に２倍に引き上げ、年２０％にすると発表しました。高金利政策で、ルーブル売却を防ごうとしているのです。
ロシア中銀は、
「ロシア経済の外部条件は劇的に変化しており、利上げで通貨安とインフレのリスクを抑制する」
との声明を発表していますが、無駄でしょう。
早期の戦争終結と制裁解除がない限り、ロシアがデフォルト（財政破綻）に陥る可能性は濃厚だと思います。
諸外国が「政策」的に、特定の国を財政破綻（国債の債務不履行）に追い込むというのは、これは人類初めてのケースではないかと思います（他に例があったら、ご教授ください）。
問題は、その後、です。
ロシアには「売り物」はあるわけです。すなわち、原油・天然ガスです。
デフォルト後にインフレ率が（さらに）上昇するのは確実ですが、鉱物性燃料を売り、国民に必要な財を入手することができるか。
ここで、中国という厄介な存在があるわけです。ロシアが国民経済のために必要とする財の多くは、中国には提供できます。
極めて重要な問題であり、間違った情報を拡散したくないので、考察はここまでとしておきます。
いずれにせよ、今回、ロシア国債の問題を取り上げた理由はお分かりですね。ロシアは国内の供給能力が不足し、為替レートを安定させることができないが故、「外貨建て国債」のデフォルトに至るのです。(前（９８年）のパターンだと、同時にルーブル建て国債もデフォルトさせてしまいましたが）
「ロシアは外貨建て国債の債務不履行に陥る」
「理由は、ロシア経済の供給能力が不足し、為替レートを安定化させることができないため」
この基本的知識を、できるだけ多くの日本国民が「事前に」共有する必要があります。
さもなければ、
「ロシアは財政破綻した～！日本も～！」
が出現し、財政破綻を煽るに決まっておりますので。
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