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「ネットの資金需要」(前半)三橋貴明 AJER2022.2.8
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変わらなければ生き延びられない!「財政ファイナンス」の現実を見ろ[三橋TV第507回]三橋貴明・高家望愛
1月の「財政政策検討本部」第三回勉強会の講師は、青木泰樹先生と、先日、取り上げた東京財団の早川英男氏でございました。
テーマは「貨幣と信用創造」ですから、なかなか適切な人選だと思います。
ポイントは、キーストロークマネー(昔の「万年筆マネー」)こそが「信用創造」であり「Money Creation」の肝であることを「国会議員」たちが理解できるか否かです。青木先生はもちろん、早川氏にしても、
「銀行に預金をして、その一部が準備預金になって、残りが貸し出されて・・・」
という、大学入学共通テスト「現代社会」のごとき、意味不明な説明はされていないでしょう。(先日の論考を読む限り)
また、先日の第四回勉強会は、積極財政派が本田悦郎氏、緊縮派が小林慶一郎教授でした。
テーマは、
「財政政策の機能(税は財源か、財政政策の限界、財政政策をコントロールする指標は何か)」
でございます。
『「アベノミクス批判」の岸田総理に宣戦布告…とうとう安倍晋三元首相の「反撃」が始まった…!
(前略)さて、件の「検討本部」会合で本田氏が出席者に配布した「アベノミクスの現代的意義」と題した資料(A4版36枚)には、次のように記述されている。箇条的にピックアップすると、(1)ゼロ金利下での財政出動(減税)は効果大、(2)財政赤字を上回る民間資金余剰(貯蓄超過)、(3)企業投資と財政赤字が経済を拡大する原動力、(4)成長の牽引力:成長率(拡大)-金利(抑制)、(5)成長率>金利は歴史的に見られてきた―など挙げて、ポスト・コロナのマクロ政策(財政金融統合政策)が極めて重要であると結論づけている(注意:「成長戦略については制度改革に時間がかかるので、早急に着手するが、本格的な効果が出るのにはデフレギャップがなくなったとき」という但し書きがある)。(後略)』
何か、財政政策の議論を無理やり「政局」と結びつけようとしており、とっ散らかった記事なので、本田氏の説明資料部分のみ引用しました。
【再掲 三橋貴明×佐藤健志 フランス革命とMMT(現代貨幣理論)】
現在、三橋貴明と佐藤健志による特別コンテンツ「信じがたい歴史的真実!フランス革命とMMT(現代貨幣理論)」がご視聴頂けます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
本田氏は、わたくしが頻繁に使う「資金過不足」の統計をベースに語っているように思えます。
【金融機関、非金融法人企業、一般政府、家計、海外の資金過不足(兆円)】
http://mtdata.jp/data_78.html#shikinkabusoku
『(引用) (2)財政赤字を上回る民間資金余剰(貯蓄超過)』
貯蓄超過とは、日銀統計の「資金過剰」と同じ概念です。恐らく本田氏は、
「一般企業(非金融法人企業)の資金過剰が、財政赤字(一般政府の資金不足)を上回るほど大きくなっている」
と、指摘されたのでではないかと拝察いたします。
実際、2021年の数字を見ると、政府の資金不足が23.1兆円。それにたいし、一般企業の資金過剰が24.2兆円。
本来、一般企業は資金不足にならなければならないにも関わらず、資金過剰状態が続き、しかも21年は政府の資金不足を上回ってしまった。
分かりやすく表現すると「カネを借りて投資する気、全くなし」という話ですね。
となれば、政府がするしかない。本田氏の資料にあるように、
『(引用) (3)企業投資と財政赤字が経済を拡大する原動力、』
は確かなのですが、現実に企業が資金過剰を続ける以上、財政赤字以外に日本経済を拡大させる原動力はありません。
次回の第五回勉強会のテーマは、
「5 過去の経済政策の検証(戦後の高度成長と所得倍増論、バブルと不良債権処理、バブル後の長期停滞の原因)」
です。積極財政派の講師は、恐らくは会田卓司先生なのではないかと予想します。
さらに、第六回は、
「6 新しい資本主義に向けて(民間経済と公共政策、分配と成長、長期計画の必要性)」
講師は、原丈人先生か、藤井聡先生か・・・。
財務省側も財政健全化本部を使って攻勢をかけてきています。
最終的には、積極派と緊縮派とで、政調において議論することになるでしょう。議論をオープンにすることで、正しい「貨幣観」「財政観」が国民に共有されていく。
それこそが、財務省が最も恐れていることなのです。
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