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「ガソリン税の「トリガー条項」の凍結を解除せよ!」(前半)三橋貴明 AJER2020.12.7
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https://youtu.be/571nwt03gjQ
信用貨幣論を理解し、貨幣のプール論から脱却すると、大手マスコミなどの「財政」に関する記事が、いかに的外れであるかが分かってしまうため、絶望してしまいます。
ちなみに、ここでいう「信用」とは、国家の信用が~」といった抽象的な話ではなく、貨幣が英語の「IOU(I owe you)」、つまりは「私は貴方に負債がある」であることを意味します。
貨幣のプール論に毒されたまま、日本の財政の記事を書くと、このように「無知をさらす」結果になるという典型的な日経の記事。
『巨額財政赤字、リスク忘れるな
政府は24日、2022年度予算案を決定した。21年度補正予算と合わせた総額は過去最大となり、財政赤字の膨張に歯止めがかかっていない。それでも長期金利は依然ほぼゼロ%のままで、巨額な政府債務に対する市場からの警鐘は一向に聞こえてこない。その原因として日銀による国債の大量購入を挙げる論者は少なくない。ただ、国全体の資金フローという観点からは政府の資金不足を民間の資金余剰が補うという構造的な問題がより重要である。
これまでも危機時に政府の資金不足が急拡大する局面は何度もあった。そのたびに企業の内部留保を中心に民間の資金余剰が拡大し、金利が上がることなく国全体の資金需給バランスが保たれてきた。
今回は政府の資金不足を家計が補う形でバランスが保たれた。日銀「資金循環統計」によれば、20年度の一般政府の資金不足は51.2兆円と、19年度の13兆円から大幅に増加した。それと同時に20年度の家計の資金余剰が50.1兆円に達し、19年度の15.4兆円から大幅に増えた。新型コロナウイルス禍により家計が預貯金を大きく増やしたことが、わが国の資金需給のバランスを維持する上で重要な役割を果たしたことになる。
今後、この資金需給のバランスが持続するかには疑問が残る。家計による預貯金の増加は一時的な可能性が高いからである。(後略)』
というわけで、日本の資金過不足を「非金融法人企業」「一般政府」「家計」「海外」で見てみましょう。
【非金融法人企業、一般政府、家計、海外の資金過不足(兆円)】
http://mtdata.jp/data_78.html#kabusoku
・・・・不思議なことに、政府が財政赤字(資金不足)を拡大するたびに、なぜか、一般企業や家計の資金余剰(純資産の増加、黒字)が拡大し、国全体の資金需給バランスが保たれています。
う~む、謎です。特に、2020年度は家計の資金余剰が50兆円に達し、政府の財政赤字が「ふぁいなんす」された。でも、今後は高齢化で預金が取り崩されるから、政府の財政赤字はファイナンスできなくなって破綻する~っ!
【歴史に魅せられて、myが聞いてみた〜皇統論編〜(後編)】
現在、三橋貴明とmyによる特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみる 皇統論編 (後編)」がご視聴頂けます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
って、アホか~っ!!!!!!
2020年度の家計の資金余剰が増えたのは、政府が財政赤字を拡大したためです。
「家計の預金が増えたから、政府の財政赤字が拡大できた」
のではなく、
「政府の財政赤字が拡大したから、家計の預金が増えた」
のです。
一般企業の収支+家計の収支+政府の収支+海外の収支=0
この原則からは、誰も逃れられません。
例えば、政府が100兆円の財政赤字になった場合、家計、一般企業、海外の何れかが(あるいは全てが)必ず、同額の黒字(資金余剰)になる。
これはもう、どうしようもない現実なのですよ、日経新聞。
日本の場合、海外は基本的に資金不足(日本の経常収支の黒字)です。つまりは、一般企業と家計の資金余剰が100兆円超になるだけの話。
念のため、そもそも一般企業の資金余剰が続いていることは、資本主義として異常です。今回のエントリーは、日経の記事がいかに根本から間違っているかを解説するために書いたため、そこには触れません。
それにしても、日経の大機小機執筆者は、資金過不足のグラフを90度回転させると、ほぼ左右対称になる(※金融機関を除いているため、正確な左右対称にはなりませんが)、そして左右対称に「なり続けている」、つまりは「資金需給のバランス」が常に維持され続けている現実を、少しは不思議に思わないのでしょうか。
「日経新聞はいい加減に貨幣のプール論から脱却しろ!」に、ご賛同下さる方は、