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「ガソリン税の「トリガー条項」の凍結を解除せよ!」(前半)三橋貴明 AJER2020.12.7
    

 

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 先日の安倍元総理の、
日本銀行は国の子会社。立派な中央銀行だが、5割は政府が株を持っているから、連結決算上は債務ではないという考え方も成立する」
 に、日刊ゲンダイが噛みついています。

『安倍元首相またまた妄言「日銀は国の子会社」…円の信認ガタ落ちで通貨危機に現実味
 安倍元首相の発言がまた物議を醸している。首相在任中のアベノミクスと放漫財政を正当化するためなのか、赤字国債は国の借金ではなく「背負っているのは日本銀行」などと言い出した。(後略)』

 いや、とりあえず「日銀は政府の子会社」は、否定できない事実ですよ。
 
『日本銀行法 第八条(出資金) 日本銀行の資本金は、政府及び政府以外の者からの出資による一億円とする。
2 前項の日本銀行の資本金のうち政府からの出資の額は、五千五百万円を下回ってはならない。』

 日銀の資本金は一億円で、その内、政府が5500万円を持っているため、日本銀行は政府の子会社です。


 ちなみに、日本銀行はホームページで、
『日本銀行はわが国唯一の中央銀行です。日本銀行は、日本銀行法によりそのあり方が定められている認可法人であり、政府機関や株式会社ではありません。』
 と、説明していますが、実はJASDAQに上場していたりします
 

 一応、JASDAQで取引されているのは「出資証券」であり、株式ではないという建前になっていますが、「資本」の売買がなされているのは同じです。しかも、JASDAQは「株式市場」であり、日本銀行の出資証券の価格は「株価」として掲載されます


 ちなみに、日銀の株式を持っていたところで、何しろ「株主総会」は開かれず、株主に議決権はなく、配当金も制限されています。何か、頻繁に「日本銀行を支配しているのは国際金融資本だろ」と、凄まれるのですが、いや、日本政府です。何しろ、株式の55%を所有している。
 残りの45%を買い占めたところで、日銀に影響力を振るうことはできません。


 日銀は、自分たちは認可法人であり、株式会社ではないと主張していますが、55%の株を持つ日本政府が「親会社」であることに変わりはありません。親会社、子会社間のお金の貸し借り、利払いは、連結決算で相殺です。これは株式会社だろうが、認可法人であろうが、協同組合であろうが同じです。会計のルールがそうなっているのです。(日本政府は日銀保有国債の利払いをしていますが、日銀決算後に国庫納付金として政府に戻り、税外収入に組み込まれています)


 現在、政府の国債の48%は子会社の日本銀行が「貸し手」であるため、安倍元総理の発言は(用語の厳密性はともかく)正しい

 

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 ゲンダイの記事を読むと、
「建前であっても、中央銀行の独立性を元首相が否定したら円の信認に関わる」(日銀関係者)
「財政法が禁じる直接買い入れを事実上、認めるようなもの。日銀を私物化したアベノミクスの本質が発言に表れている」(財務省関係者)
 といった日銀「関係者」や財務省「関係者」のコメントが載っています。


「日銀は政府の子会社」
 は単なる事実であり、しかも日銀の独立性は「手段の独立」です。安倍・元総理のコメントが、なぜ「日銀の手段の独立」を否定したことになるのか、さっぱり分かりません。そもそも「円の信認」って、何でしょう?


 また、安倍・元総理は「市場を通じて日本銀行に買ってもらった」と、正しいことを主張している。日本銀行が市場から国債を買うことは、財政法五条とは関係ありません。というか、日銀は国債を買わなければ、通貨供給ができません。

 

 もっとも、日銀「関係者」や財務省「関係者」にしても、「日銀は政府の子会社ではない」とは主張できないようですね。事実に反してしまうから。


 さらに、ゲンダイは、
『(引用)それに、子会社に借金をツケ回して逃げるのは、バブル崩壊後に横行した「飛ばし」の手法である。山一証券はそれで倒産した。元首相の立場でこんな妄言を繰り返せば円の信認はガタ落ちで、それこそ通貨危機を招きかねない。』
 などと世迷言を言っていますが、民間の金融機関と日本銀行を同一視するわけですから、そのレベルの低さにあきれ果ててしまいます


 日本銀行は「利益」を目的とした機関ではないため、時価会計を採用していません。国債を買い取り、地球滅亡の日まで借り換えをすればいいだけで、インフレ率が高騰しない限り、何の問題もない。


 さらに、日銀が買う国債は、すでに「政府支出」が終わった既発債で、インフレ効果は完了しています。


「日銀は政府の子会社」
 という、安倍・元総理の認識は正しい。そして、この認識こそが、
「日本円建ての国債の債務不履行はあり得ない」
 を導くのです。


 というわけで、本日は「日銀は日本政府の子会社」について、論点をまとめてみました。
 

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