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「政治の本質ー中間組織の復活を」(前半)三橋貴明 AJER2020.8.9
    

 

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菅総理よ、理解せよ! 補償なき疫病対策は我々日本国民を不法化させるぞ [三橋TV第429回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/gaAjn9hazNk
 


 昨日のチャンネル桜「夏のキャスター大討論」で交わされた「ルサンチマン醸成」の議論は、極めて重要だと思います。


 今の日本人の多くは、「競争」を回避する教育を受けてきた。戦わないことが善なのです、と教えられて成長する。
 ところが、現実の社会には激しい競争が、争いがあるのです。何しろ、デフレという所得のパイが拡大しない状況で、構造改革により「競争せよ」とやってきた。


 デフレ下の競争激化。我々は通常の(適切なインフレ率の)経済よりも、過酷な競争を強いられる
 

 パイが増えない中での椅子取りゲーム。しかも、別に確保する椅子は一つでなくてもいい。一部の勝ち組は、複数の椅子を確保する。
 

 そして、日本人の多くは敗北し、椅子を確保できない。彼ら、彼女らは絶望し、ルサンチマンを貯めこむ。そのルサンチマンを活用し、さらなる構造改革が進む。
 

 断言しますが、デフレという所得のパイが増えない状況が続く限り、上記の構造は変わらないでしょう。


 そして、日本のデフレを継続させているのが、根本から貨幣観を間違えている「財政破綻論」。財政破綻論者は、貨幣のプール論、モノ(単一)・マネー論という「架空世界」の貨幣論に基づき、誤った財政破綻論を唱える。厄介なことに、これが一般の人には説得力を持ってしまうのです。


 もっとも、何しろ政府の長期債務残高が1970年度の「166倍」になったにも関わらず、国債金利は上がらず、インフレ率はマイナス。

【日本政府(中央政府・地方自治体)の長期債務残高(左軸、兆円)、インフレ率・長期金利(右軸、%)】


http://mtdata.jp/data_74.html#choki

 財政破綻論者は、我々「正しい貨幣観」の主張者たちではなく、「現実」により追い詰められつつあります。


  最後に彼らがすがるのは、
「今は破綻しないかも知れないが、いつか破綻する」
 すなわち「月が日本列島に落ちて来れば、日本は亡びる」論です。要するに、財政破綻論者の断末魔ですな。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

天災は忘れた頃にやってくる、国債暴落も忘れた頃にやってくる 国力の源を殺さず生き残るには
(前略)日本が必要とする「市場との対話」
 先に述べたように、第3の「市場への愛」は日銀の麻酔が切れる段階では改めてその安定が問われることになる。
 そもそも、日本で「市場との対話」が重視されていたのは、日本特有の資金フロー構造による面もある。日本の資金の多くは預金として商業銀行を中心に吸収されているため、国債の保有構造も商業銀行中心である必要があった。
 ただし、預金という短期の資金調達で銀行が長期の国債を保有することは、ALM(運用と調達のバランス管理)上の金利リスクを抱える。金利上昇局面ではVaR(バリューアットリスク:将来のリスクを現在価値に置きなおす手法)を中心としたリスク管理が一層変動を加速させ、売りが売りをよぶ不安定さを内包する。(後略)』

 高田創の「狼は来るったら、来る」でございますが、注目すべきは、高田が、
「日本の資金の多くは預金として商業銀行を中心に吸収されている」
「国債の保有構造も商業銀行中心である」
 と、国債が「銀行預金」で買われていると信じ込んでいる点です。

 

 いや、高田さあ、あんた、銀行のバランスシートを見たことないの? なぜ、銀行預金が銀行のBSの「貸方」に負債計上されているの?

 銀行が、どこかから「資金を調達」し、国債を買っていると思っているの?(思っているのでしょう)


 さらに高田は、「資金」(これが何を意味するのか、謎としか言いようがない)が銀行預金に「姿を変えている」と理解している。


 典型的な貨幣のプール論、モノ・マネー論ですね。


 高田創。ここからは別に煽りではないので、真摯に読んでね。
 

 実はね、銀行は「資金」を集めて預金にしているわけじゃないの。貸し出す際に、通帳に数字を書くことで、預金を発行しているんだよ


 さらには、銀行が国債を買う貨幣は「日銀当座預金」であり、銀行預金ではないの。その何よりの証拠に、日本銀行は「銀行口座」を持っていないんだな、これが。日本銀行のBSの資産を見ると、「銀行預金」はゼロなんだよ。
 

 国債が銀行預金で取引されているならば、莫大な国債を購入している日銀の「銀行預金がゼロ」というのはおかしいでしょ。日銀は、どうやって国債を買っているの?

 

 単に、国債を差し入れられた際に、日銀当座預金を発行しているだけです。


 念のため。プライムディーラー(銀行)などが日銀当座預金で買った国債が、金融市場で保険会社や家計などに「銀行預金」で購入されるケースはあります。とはいえ、当初は日銀当座預金です。


 この世には、「我々一般の国民や企業が使えないおカネ」があるんだよ。代表が、日銀当座預金。
 

 銀行預金にしても、銀行口座を持っていない人は使えないでしょ? 貨幣とは、モノではなく「貸借関係」であり、さらには「使うために必要な条件」というものがあるんですよ。


 まあ、ここまで懇切丁寧に説明しても、財政破綻論者たちは自説を変えないと思います(また、新たな破綻レトリックを創出する)。
 

 彼らを駆逐するためには、我々が正しい貨幣論、財政論を広めるしかない。
 皆さんが誰かに「正しい貨幣論」「正しい財政論」を語り、理解してもらったとき、わずかですが「良い方向」に進むのです。塵も積もれば山となるではなく、塵を積まねば、山には絶対になれないのでございます。
 

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