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「内閣府の経済財政に関する試算の恐怖」(前半)三橋貴明 AJER2020.8.2
    

 

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日本人を消滅に導くという「ミッション(任務)」を帯びた消費税 [三橋TV第424回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/CmzvHnd2940

 最近、地方講演が戻りつつあるのですが、各地を回って講演していると、気が付いたことがあります。
 貨幣観、財政観、そして経済政策の間違いの大本には、
「カウンターパートを想定できない」
 という、人間の弱点があるのだなあ、と。


 典型が「貨幣」に関する認識です。貨幣とは、「債務と債権の記録」です。つまりは、「誰かの貸しで、誰かの借り」なのです。
 

 日本銀行券は、我々の貸しで、日銀の借りです。銀行預金は、我々の貸しで、銀行の借りです。


 貨幣とは、「相手(カウンターパート)」がいなければ、存在し得ないわけです。何しろ「貸借関係」なのですから。
 

 この一点さえ認識すれば、
「誰かの借りは、誰かの貸し。「国の借金」は政府の借り。ならば、誰の貸し?」
 といった形で思考を「自ら」進めることができ、真実にたどり着けます。


 そういえば、以前、藤巻健史が、
「このまま国の借金を増やすと、日本の金持ちが資産を海外に逃がし、国債を買うお金が無くなって破綻する」
 と、これまたカウンターパート(両替相手)を無視した主張をしていて大笑いした(そして、突っ込んだ)記憶があるのですが、日本円は外国では使えません。
 

 お金持ちが外国に資産を移そうとしたところで、「両替」されるため、日本円が外国に出ていくことはありません。(外国で日本円が使えるならば別ですが) 藤巻は、まさに貨幣のプール論(しかも、地球上で単一(モノ)貨幣が使われているとの前提で、↑こんなアホなことを主張していたわけですね。


 それ以前の話として、銀行が国債を買うための貨幣は日銀当座預金であり、我々の銀行預金ではないんですけどね。
 

 いずれにせよ、貨幣とは「関係」なのです。ところが、誰もが「自分個人の宝物」として認識し、貨幣のプール論に騙される。


 グローバリズムは共同体を破壊し、人々を「個」に分割しようとします。もしかしたら、それと関係するのかも知れません。(グローバリズムは「国家の貨幣」が嫌いで、金だの銀だの、ビットコインだの、普遍的(に見える)貨幣を求める


 貨幣とは元来「共同体的」な存在なのです。もしかしたら、共同体を重視する人ほど、貨幣観を正し易いのかも知れません。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

政府の財政試算 楽観的予測では健全化遠のく
 楽観的な予測のままでは、財政健全化への正しい道筋は見えてこない。将来世代へのつけ回しを避けるため、政府は現実を直視し、改革の具体策を示さねばならない。
 内閣府は、年2回改定している中長期の財政試算を発表した。国と地方の基礎的財政収支(PB)は、政府が黒字化の目標としている2025年度に赤字が2・9兆円残り、27年度には黒字になるという見通しを立てている。
 黒字化目標の時期は、1月の段階では29年度と予想していたが、これが2年早まることになる。輸出の増加などで、20年度の国の税収が過去最高となったためだ。
 PBは政策に使う経費を借金に頼らずに、税収などでどれだけ賄えているかを表す指標である。
 20年度は、感染症対策で3度の補正予算を編成したため借金が膨らみ、PBの赤字額は56・4兆円となった。試算は赤字額が今年度以降、急速に縮小するとしているが、現実的とは言い難い。(中略)
 国と地方の長期債務残高は約1200兆円に達し、国内総生産(GDP)の2倍以上となっている。先進国で最悪の水準だ。
 PBの黒字化は、財政再建への第一歩にすぎない。それさえ具体的な実現方法を提示できないようでは、巨大な債務残高を減らすことは、かなわない。
 政府はPB黒字化の達成時期について、年度内に再検証するという。それを機に、財政状況を改めて確認し、歳入・歳出改革の方策を打ち出すことが不可欠だ。』

 来年度予算の概算要求締め切りが近いためなのか、大手紙に次々に的外れ(というか、害悪な)財政破綻論の「社説」が載り続けていますが、ちょっと面白いと思ったのは、読売新聞が昨年度の税収増の理由について、
「輸出の増加などで」
 と、書いている点です。


 いや、確かに輸出増により法人税も多少(4千億円)増えましたが、昨年度が増収になった最大の理由は消費税が「2.6兆円」増えたためです。理由は、19年度の増税時期が10月だったため、20年度から初めてフルに増税分が乗ってきたためです。読売新聞(あるいは財務省)は、我々の所得を「奪い取った」が故に、税収が増えたという事実を知らせたくないのかも知れません。
 

 それはともかく、読売新聞は相変わらず「債務残高を減らす」ことが財政健全化であると勘違いしています。


 いや、本当に政府が「債務」を減らしたとき、反対側で絶対に誰かの「債権」が消えるのですが。
 

 誰の債権、つまりは純資産、あるいは「財産」が消えるのでしょうか。もちろん、我々です。


 誰かの債務は、誰かの債権。誰かの負債は、誰かの資産。誰かの純負債は、誰かの純資産。
 

 貨幣には「カウンターパート」が存在する。この一点だけでも理解してもらえれば、読売新聞のような「国民の財産を減らすべき」というバカげた社説が載る国家から脱却できるのでございます。

 

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