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「垂直統合モデルの恐怖」(前半)三橋貴明 AJER2020.5.25

    

 

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永田町アカデミア 中小企業を守ることこそ経済安全保障の強化だ [三橋TV第395回] 三橋貴明・安藤裕・高家望愛


https://youtu.be/r5Zi339j39s

 菅内閣が推進している中小企業「淘汰」戦略、つまりはM&Aによる「垂直統合モデル」の追求は、様々なルートで進められています。
 銀行法改訂、地銀再編、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案、事業承継問題、そして最低賃金引上げ。


 6月11日、「事業承継・引継ぎ補助金」の公募が始まります。

中小企業庁 令和2年度第3次補正予算「事業承継・引継ぎ補助金」の公募要領を公表します(6月11日申請受付開始予定)
 事業承継やM&A(事業再編・事業統合等。経営資源を引き継いで行う創業を含む。)を契機とした経営革新等への挑戦や、M&Aによる経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業者等を後押しするため、「事業承継・引継ぎ補助金」による支援を実施します。
 本補助金は6月11日(金)の申請受付開始を予定しており、事前に公募要領を公開します。本補助金の申請は「電子申請(Jグランツ)」のみでの受付となりますので、GビズIDプライムアカウントの取得等の準備を進めてください。』
 
 露骨です。
 中小企業の経営者が、垂直統合モデルという「日本の技術立国」を終わらせる方向の選択をすると、政府が補助金を出す。これが、現在の日本の実態です。

 

「デフレで儲からないため、中小企業が事業承継問題で悩んでいる」
 という現実もまた、垂直統合モデルの推進に利用されている。中小企業を「儲かる」ようにすれば、承継問題は解消しますが、正しい政策「だけ」は採らない。


 さらに、政府は「最低賃金引上げ」により、地方の中小企業の苦境を加速させ、M&Aに追い込もうとしている。

「骨太の方針」骨子案を議論 最低賃金引き上げ 経済財政諮問会議
 政府は、経済財政運営の指針となる「骨太の方針」の骨子案について議論しました。賃金の引き上げを通じた地方経済の底上げなどを目指します。
 「グリーン、デジタル、地方、子供、この4つの課題に取り組んでいくことを示したいと思います」(菅首相)
 政府は25日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の指針、いわゆる「骨太の方針」の骨子案を示しました。骨子案には、地方創生のため「賃上げを通じた経済の底上げ」と明記。全国平均の最低賃金を早期に時給1000円に引き上げることなどで、都市部から地方への新たな人の流れを促す狙いです。(後略)』

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

お待たせいたしました。【三橋貴明×関良基】歪められた「開国」の歴史 後編〜日本が清・インドのように植民地にならなかった本当の理由 が公開になりました!

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

 

 賃金水準(実質賃金)は、生産性と労働分配率によって決まります。

【令和二年 地域別最低賃金】


http://mtdata.jp/data_75.html#saitei

【2015年 都道府県別生産性(千円/年)】


http://mtdata.jp/data_75.html#seisannsei

 例えば、鳥取や沖縄の最低賃金は、東京の八割ですが、生産性に至っては東京の六割に至っていません。
 ここまで生産性に違いがある以上、最低賃金の水準は違って当然なのです。


 政府が本気で最低賃金を引き上げたいと思うならば、生産性が低い地方への「投資」を拡大しなければなりません。「需要>供給能力」の状況にならなければ、企業は生産性向上のための投資をしたりはしません。


 地方の需要拡大政策なしで、最低賃金を強引に引き上げると(そうするつもりなのでしょう)、地方の中小企業の業績は益々悪化する。
 そこで、M&A、というわけでございます。


 最低賃金の引き上げは、一見、正しい政策のように思えます。とはいえ、
政府の財政政策により、デフレから脱却し、需要が安定的に拡大していく状況での企業の投資拡大
 というルートを辿る賃金上昇で限り、確実に「中小企業淘汰」の一翼を担うことになります(というか、そもそもそれが目的なのでしょう)


 というわけで、政府は最低賃金引上げよりも先に、地方の需要を拡大する財政拡大を決断しろ。それこそが、「都市部から地方への人の流れ」を作り出すという「事実」を、是非とも声を大にして主張して欲しいのです。
 

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