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「PB黒字化目標は民間赤字化目標 でしょ?!(前半)」三橋貴明 AJER2020.2.9
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安藤裕衆議院議員の内閣委員会での質問が記事になっていました。
『自民議員「国債増発で景気対策を」 コロナ拡大受け、消費税減税も提案
19日の衆院審議で京都選出の自民党国会議員が国債発行を取り上げ、新型コロナウイルスが収束するまでは増発分を経済対策の財源に充てるよう訴えた。
コロナ拡大以降、一貫して積極的な財政出動を政府に提案してきた安藤裕議員(京都6区)は内閣委員会で、国民1人当たり10万円を配った特別定額給付金も全額を国債で賄ったとし、「国債を発行すると新しいお金が誕生し国民を豊かにできる。政府の財政赤字は国民の黒字だ」と力説。コロナ禍で多くの企業や雇用が失われる経済崩壊を防ぐには「大胆な対策を打つ必要がある」と繰り返し強調した。
特に幅広い商品やサービスに課される消費税について「生きることに課税しているに等しい。税制としてあるべき姿か」と疑問を呈し、時限措置での消費税減税を西村康稔経済再生担当相に提案した。
ただ財政法は赤字国債の発行を原則認めておらず、発行には特例法の改正が必要になる。コロナの影響で増発が避けられない2021年度から5年間延長する改正案を審議した財務金融委員会では、本田太郎議員(京都5区)が「緊急時には必要な額の歳出を躊躇(ちゅうちょ)なく行うべきだ。よもや財政再建を優先して経済が崩壊したり、国民が路頭に迷うようでは本末転倒だ」と指摘した。』
「国債を発行すると新しいお金が誕生し国民を豊かにできる。政府の財政赤字は国民の黒字だ」
という「正しい貨幣論」が国会の場で語られたのは、初めてではないでしょうか。
誰かの黒字は、誰かの赤字。
誰かの資産は、誰かの負債。
少し考えてみれば、誰にでも理解できる話です。ところが、この貨幣の基本中の基本が全く共有されておらず、
「プライマリーバランスを黒字化し、国の借金を減らす」
という、「国民を赤字化し、資産を減らす」政策が推進されているわけです。
「いや、政府が赤字になれば、民間の黒字が増えるなど、信じられない!」
という方のために、今回は証拠を用意しました。
日本銀行は、日本のあらゆる経済主体について、
「黒字になったか(=純資産が増えたか、もしくは純負債が減ったか)」
「赤字になったか(=純資産が減ったか、もしくは純負債が増えたか)」
を「資金過不足」として統計を取っています。
黒字を資金過剰。赤字を資金不足と呼びます。
【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】
現在、特別コンテンツ 【信じがたい歴史的真実!フランス革命とMMT(現代貨幣理論)】の一部をYoutubeで公開中!
とうわけで、民間、政府、海外の資金過不足をグラフ化しました。
いつもは、民間について、家計と非金融法人企業で分けるのですが、今回はまとめました。
【日本の民間、一般政府、海外の資金過不足(億円)】
http://mtdata.jp/data_73.html#kabusoku
いかがです。民間が資金過剰(黒字)を増やすためには、政府か海外に赤字を増やしてもらわなければならないのが、一目瞭然になったでしょう?
誰かの黒字は、誰かの赤字。
図を90度回転させると、ほぼ左右対称になるのが分かります?
ちなみに、正確な左右対称にならないのは、金融機関を抜いているためです。日銀を含む金融機関を入れると、正確な左右対称になります。
というわけで、しつこいですが、「誰かの黒字は、誰かの赤字」。
この当たり前の事実だけでも、国民が共有できれば、これはでかい。
そういう意味で、安藤衆議院議員が国会で質問し、記事なったことは、確実に「前に進んだ」ことになります。
もちろん、わずかな一歩かも知れませんが、少なくともゴールに向かっていることだけは確かなのです。
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