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藤井聡や三橋貴明ってどんな人? 女子会ぶっちゃけトーク(ごめんなさいっ(汗)) [三橋TV第342回] 高家望愛・吉田奈央・saya
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改めて考えると不思議なのですが、変動為替相場制で、
「自国通貨建て国債の発行」
「中央銀行による国債買取」
という機能がある国家において、「そうではない国々(ユーロ加盟国、固定為替相場制の国、外貨建て国債発行国)」と同じように、
「財政赤字は悪である」
という固定観念が広まってしまっていました。
何しろ、
① 財政赤字(国債発行+財政支出)は政府から国民への貨幣供給
② 中央銀行が国債を買い取ると、償還・利払いの必要はなくなるためデフォルトはあり得ない
③ 変動為替相場制の供給能力が十分な国は、ハイパーインフレーションにはならない
は、まぎれもない事実です。特に、②と③に至っては、あの財務省さえ認めている。
「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。」
「近年自国通貨建て国債がデフォルトした新興市場国とは異なり、日本は変動相場制の下で、強固な対外バランスもあって国内金融政策の自由度ははるかに大きい。更に、ハイパー・インフレの懸念はゼロに等しい。」
上記は、財務省の公式見解です。国内向けには「言わない」ですが。
財務省としては、②と③は最悪、仕方がないとしても、①だけは国民に知らせたくなかったのだと思います。それが、昨年の「特別定額給付金」で露呈してしまった。
もちろん、我々は過去十年以上もそう主張してきましたが、国民が、
「政府が国債を発行し、財政赤字を拡大すると、自分の預金が増えた」
という実体験をしたことは大きい。(もちろん、今後は「一時的に預金が増えたが、税金で返還しなければならない」キャンペーンが始まりますが)
さらに、今回のコロナ禍を受け、世界で財政赤字に対する評価が変わりつつある。
『コラム:財政赤字は「むしろ良い」、変わりつつある評価
最近まで、ほとんどのエコノミストは、政府が平常時にささやかな規模以上に借り入れを膨らませる行為を非難してきた。彼らはおおむね政府を信用せず、公的債務が民間投資を圧迫するだけでなく、物価を高騰させ、景況感を冷やすと証明できる理論を持っていた。ところが今や、財政赤字はそれほど悪い存在ではない。むしろ総じて良いとの見解が優勢だ。(中略)
財政赤字を嫌う人々は、いつでも自分たちの思想を正当化する論理を見つけてくることができる。実際、足元で無害に思われる借り入れが、長期的な問題を蓄積させているのかもしれない。IMFの計算で米国の今年の財政赤字はGDPの5.6%、つまり1兆ドルを超える規模で、長らく予想されていた経済への悪影響がいよいよ顕在化する恐れもある。(後略)』
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『焦点:イエレン氏の「大きな行動」発言に透ける、政府債務論の変容
(前略)イエレン氏が上院で訴えたのは、債務の水準をいったん忘れ、利払い額と財政支出がもたらすリターンにこそ目を向けてほしいという点だった。将来、米国が高成長を達成する可能性が足元の借り入れ増を正当化し、約26兆9000億ドルに上る連邦債務に絡む脅威を弱めてくれるというロジックだ。
同氏は「債務が膨らみ続けているにもかかわらず、(国内総生産=GDPに対する)現在の利払い額の比率は2008年の金融危機前を上回っていない。パンデミックとそれが経済に及ぼす打撃に対処するためにわれわれが必要な措置を講じるのを避ければ、財政を赤字にしてもやるべきことをやる場合より、悪い状況に陥る公算が大きい」と言い切った。(後略)』
変わりつつはありますが、相変わらず、
・政府の負債について、総額や利払いを問題視する(あるいは、問題視しようと試みる)
・主権通貨国(変動為替相場制の独自通貨国)とそれ以外では、条件が全く異なるにも関わらず、同じ土俵で語る
といった欠陥があるのが悩ましいところです。
「財政赤字」を理解する上でのポイントは、
「政府の国債発行+財政支出+中央銀行の国債買取は、国王・領主の金貨鋳造による支払いと変わらない」
という点です。何しろ、
「バランスシートにおいて、政府や国王・領主の純負債が増える。反対側で、国民や領民の純資産が増える」
「政府や国王・領主は、バランスシートの貸方に負債計上された国債、金貨について返済を求められない」
わけですから、否定のしようがないでしょう。
【日本銀行が保有する国債の推移(兆円)】
http://mtdata.jp/data_73.html#jb
日本銀行の株式の55%は日本政府が所有している。政府と日銀は親会社-子会社の関係にあるため、負債も利払いも相殺。
特に、デフレの国では中央政府が国債を発行し、中央銀行が国債を買い取ったところで、何の問題も起きない(というか、インフレ率がマイナスである以上、日本政府の国債発行は足りない)
実際、日本銀行は2013年以降、何と400兆円も国債保有を増やした。で、何か問題がありましたか?
それにも関わらず、国債を「民間の借用証書」と同一視する「経済学」により、国家の経済政策が歪められてきました。それが、変わりつつある。
あ、念のため、変わりつつあるのは確かですが、財務省は、
「緊縮に都合が良い情報はクローズアップし、悪い情報は無視する」
スタイルを採っています。
例えば、外国で「財政赤字は悪」といった主張がなされると、国内で大々的に報じさせる。ところが、今回のような情報は無視させる。
完璧なダブルスタンダードでございますが、これが現実です。
少なくとも、外国において「財政赤字はむしろ良い」という流れができつつあるのは、武器の一つでございます。利用できる武器はすべて利用し、何としてもこのタイミングで政府の緊縮財政を終わらせるのです。
さもなければ、我々に繁栄の未来はなく、それ以前にコロナ禍の収束すらありません。
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