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「竹中平蔵は何故反緊縮に転じたのか(前半)」三橋貴明 AJER2020.12.8

    

 

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竹中平蔵はなぜ「財政均衡論」が間違いと認めたのか? [三橋TV第325回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/pRWakEiyJdo
 

 本日はチャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。12時からLive配信です。

【Front Japan 桜 - 令和2年12月11日号】
https://youtu.be/QQvE0RLZSRA

 さて、昨日の続きです。
 「オレの利益を最大化」がモットーのグローバリズム(グローバリスト、ではなく)という「考え方」は、日本国の大問題である東京一極集中をさらに進めようとしています。


 となると、必然的に「地方」は衰退していく。
 

 元々、地方銀行と中小企業、そして現地で暮らす人々が一体となり、維持されてきた「地域共同体」は破壊され、雇用の場が失われ、さらに東京一極集中が進む。


 今回の第三次補正予算にも、
「最大1億円の事業再構築補助金の創設」
「合併・経営統合等を行う地域金融機関に対する資金交付制度」
 と、地銀潰し、中小企業潰しの施策がばっちりと入っています。


 さらには、デフレとコロナ禍で経営が悪化している企業について、中期的に「ゾンビ企業」とレッテルを貼り、廃業に追い込む。

「ゾンビ企業」延命に身構え
 「そろそろ『じゃぶじゃぶ』の点検に取りかからなければならない」。日銀内では最近、こんな声が上がり始めている。
 「じゃぶじゃぶ」とは、新型コロナウイルスで打撃を受けた企業への資金繰り支援策のことだ。日銀は3月以降、融資を促すため金融機関に有利な条件で資金を供給する政策を導入・拡充してきた。11月下旬時点の残高は51兆円と国内総生産(GDP)の1割にあたる水準まで膨らんだ。
 政府による給付金などもあいまって、企業倒産や失業者の増加は一定程度に抑えられている。黒田東彦総裁も一連の政策は「相当効果がある」と話す。そんな中で日銀が気にかけるのは、支援先を問わない潤沢な資金供給が生む、いわゆる「ゾンビ企業」の問題だ。(後略)』

 記事によると、日銀の鈴木人司審議委員は、12月3日の講演で、
本来は廃業しているはずの非効率な企業まで延命されることで、生産性の伸びに重しとなる副作用が生じる可能性がある
 と語り、別の日銀幹部も、
どういった企業が生き残るべきなのか。選別の議論がどこかのタイミングで必要になる
 と、発言しているとのこと。


 まさに、「企業選別論」。国民意識、国家観ゼロ。
 

 「選別の議論」などと、自分は安全な場所に立ち、上から目線で言ってのける屑連中です。


 そもそも、日本企業の生産性が伸びないのは、デフレであるためです。需要が、仕事が、市場がないんですよ! 
 十分な仕事がない状況で、生産性向上の投資をする経営者などいない。


 政府の緊縮財政が諸悪の根源であるにも関わらず、緊縮路線は改めず、地方経済の中心である中小企業を潰していく。
 

 もっとも、地域共同体の象徴であった「お祭り」などのイベントは、観光資源として残す。但し、市場は日本国民ではなく、インバウンド。外国人様様。


 地方の住民は、白タクや民泊で外国人観光客様相手に小銭を稼げ!という話ですな。

 

 そして、農業は商業農業に徹し、輸出中心とする。
「更なる輸出拡大を軸とした農林水産業の活性化!」
 このコロナ禍において、農業の輸出振興を目指す。第三次補正予算の資料にも、ばっちり書かれています。
 

 国民農業の主力たる「家族経営」を潰し、大規模化。農業すらをも、ビジネスと化していくわけです。
 

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 現在の日本の状況を観ており、どうしても頭に思い浮かべてしまうのは、「連合王国」時代のアイルランドです。


 1801年に連合王国に編入されたアイルランドの農民は、ブリテン島の地主に支配され(一応、「同じ国民」だったのですが)、極貧生活を強いられていました。
 

 生産される穀物の多くは「輸出商品」であり、アイルランド農民はジャガイモで辛うじて飢えをしのいでいる状況でした。


 1845年、ジャガイモに疫病が発生。それにも関わらず、地代収入減少を恐れるブリテン島の地主たちは、「アイルランドからの食料輸出」を停めようとせず、大飢饉が発生。
 

 アイルランド島の人々の二割が餓死し、一割以上がアメリカやカナダに移住。


 結婚や出産が激減し、アイルランド島の総人口は、全盛時の半分にまで落ち込みます。信じられないことに、現在に至っても、アイルランド島は大飢饉前の人口を回復していません。
 

 アイルランド語を話す人も激減し、文化・伝統は徹底的に破壊されました。


 なぜ、ここまで悲惨な事態になったのかといえば、連合王国の「政治」がアイルランドの人々のために動かなかったためです。


 ちなみに、当時のアイルランドは連合王国の国会に議員を送り込んではいました。とはいえ、アイルランド選出の議員の七割が地主か、もしくは地主の関係者だったのです。地主の「利益」のために、少なくとも百万人以上の「同じ国民」が餓死したのです。(連合王国が正式に責任を認め、謝罪したのは、何と1997年のでした)


 日本の場合、何しろ震災大国でございますので、地方衰退は「全ての国民の危機」でもあります。それにもかからず、「議会」の国会議員たちが「国民を守る」ために動かない(そういう「構造」になっていることは、すでに解説した通り)。


 農業の「商業農業化」は、国民の食料安全保障に直結します。さらには、人口の集中は「大震災」のリスクを高める。
 

 そして、東京一極集中は、確実に少子化を加速させる。
 

 菅内閣の地方潰しは、「世界最古の国、日本国の亡国」以外の結末はもたらさないという事実を、どうか知って欲しいのです。

 

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