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「全ての歴史がイギリスから動く(前半)」三橋貴明 AJER2020.8.10

    

令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。
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8月25日 20:00~  sayaスペシャルライブ開催決定!
https://in.saya-ohgi.jp/sy200825live_yt
※当日、参加できない場合、アーカイブ視聴が可能です。

 

レバノン爆発事故から見えてくる国家の本質「生産諸力」 [三橋TV第277回]

https://youtu.be/Eu006ARRJk0

 

 相も変らずというか、我が国では­「平成時代の遺物」といえる経済評論家やら、エコノミストやらが、平成時代同様に、日本を衰退させる政策をまことしやかに提案してきます。
 彼らの言説は、一見、もっともそうに見えるので、結構、厄介です。

『歴史的長期政権はコロナショックを機に経済政策の大幅転換を(木内 登英)
https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2020/fis/kiuchi/0819
財政の健全化や金融緩和の正常化をもっと進めておくべきだった
 8月24日に、安倍首相の連続在職日数が、佐藤元首相を抜いて歴代単独1位となる。ただし、この空前の長期政権には現在、経済面で強い逆風が吹いている。コロナショックによる未曽有の経済の悪化だ。それを機に、従来の経済政策の効果や妥当性なども再検証され始めている。
 8月17日に発表された2020年4-6月期の実質GDPは、前期比年率-27.8%と、戦後最大の下落幅となった。その結果、実質GDPは政権発足以来の改善分を一気に失ってしまったのである。
 足もとの経済の悪化は、新型コロナウイルスの感染拡大が引き金となって引き起こされたものであり、これを政権の経済政策の失敗によるものとするのは誤りだ。
 ただし、政権が新型コロナウイルスの発生や感染拡大を予見することは当然できなかったとしても、2009年以来の世界経済の長期回復という追い風がいずれ終焉を迎え、それが日本経済に逆風となることは十分に予見できたはずだ。現政権下で実現された比較的良好な経済環境は、国内政策の効果よりも海外経済の長期回復という追い風による部分が大きかった、と筆者は考えている。
 その追い風がいずれ逆風へと転じることに予め備えて、財政の健全化や金融緩和の正常化をもっと進めておくべきではなかったか。そうしていれば、現在の経済の悪化のもとで、財政・金融政策面での対応余地はもっと大きくなっていたはずだ。
潜在成長率を高め、生産性上昇率を高める政策を最優先に
 筆者は、日本の経済政策の中で最も優先順位が高いのは、潜在成長率を高め、生産性上昇率を高めること、と考えている。生産性上昇率の向上は実質賃金上昇率の向上をもたらし、広く国民が自らの将来の生活に明るい展望を持てるようになることにつながるからだ。(後略)』

 経済成長とは、GDPが増えることです。GDPとは、
「我々が働き、財やサービスを生産し、消費・投資として支出してもらうことで得られる所得」
 の合計です。


 繰り返しますが、上記所得創出のプロセスにおいて「生産」「支出」「所得」は必ずイコールになります。


 国内総「生産」(GDP)は、国内の生産の合計であり、支出の合計であり、所得の合計でもあるわけです。これをGDP三面等価の原則、と呼びます。


 すなわち、「生産=所得」であるため、労働者一人当たりの所得の合計でもあるのです。国民一人当たりのGDPが増えれば、ミクロ的には実質賃金上昇をもたらし、人々は豊かになっていきます。


 というわけで、木内氏のコラムの最後の部分、
「生産性上昇率の向上は実質賃金上昇率の向上をもたらし、広く国民が自らの将来の生活に明るい展望を持てるようになることにつながる」
 は、正しい。


 実質賃金上昇≒生産性向上です。労働者一人当たりの実質の生産が増えれば(実質GDP拡大)、実質賃金は(余程、労働分配率が下がらない限り)上昇していきます。


 問題は、その前の部分。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

※特別コンテンツ、近現代史研究家・林千勝先生【大東亜戦争の真実~近衛文麿の野望~】が視聴可能となりました。

 

「潜在成長率を高め、生産性上昇率を高める」


 これを読んだ瞬間に、「あ、こいつは経済指標について、何も分かっていないか、単なる嘘つきだな・・・」と、嘆息してしまいました。


 潜在成長率とは、潜在GDPの拡大ペースのことです。潜在GDPの定義を書くと、現在の日本では、
「国・地域が財やサービスを生産するために必要な各生産要素を、それぞれ過去の『平均的な水準』で供給した場合に実現できると推計されるGDP」
 となります。つまりは、今の統計では、「平均概念の潜在GDP」になるのです。(最大概念の潜在GDPではない)

【日本の潜在成長率(%)の推移】


http://mtdata.jp/data_71.html#senzai

 平均概念の潜在GDPを引き上げる方法は、実は、簡単で、経済成長すればいいのです。


 経済成長し、GDPが増えていけば、その「過去平均」となる平均概念の潜在GDPは勝手に増えていきます。結果、潜在成長率が高まった、良かったね(皮肉)となります。


 図の通り、昨今の潜在成長率は1%を切っていますが、それは「過去平均の経済成長率」が1%に満たないためです。実は、ただ、それだけなのです。


 というわけで、潜在成長率を引き上げたいならば、財政拡大によりデフレギャップを埋め、デフレ脱却でGDPを増やしていけば済む話です。


 ところが、木内氏らは、
「潜在成長率を高めるんだ~」
 と、デフレ促進策である緊縮財政や「企業の自助努力」なる構造改革を提唱する。
 

 いや、お前らが奨める政策を採った結果、デフレが続き、潜在成長率の低迷が続いているんだよ・・・。

 

 バカなのでしょうか? 嘘つきなのでしょうか? バカな嘘つきなのでしょうか?(恐らく、二番目


 もっとも、普通の国民は潜在成長率の仕組みなど全く知らないため、木内氏のような論調にコロリと騙される。


 正しく、理解しましょう。


 潜在成長率を引き上げるためには、デフレから脱却し、現実のGDPを拡大する必要があるのです(統計的に、そうなっている)。そして、日本のデフレ脱却(今や「恐慌脱却」ですが)のためには、財政拡大が不可欠です。


 財政拡大こそが「潜在成長率」を高めるのです。いい加減、国民を騙すのはやめましょうよ、木内さん。
 

「財政拡大こそが潜在成長率を高める」に、納得頂けた方は↓このリンクをクリックを!

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