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「全ての歴史がイギリスから動く(前半)」三橋貴明 AJER2020.8.10

    

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8月25日 20:00~  sayaスペシャルライブ開催決定!
https://in.saya-ohgi.jp/sy200825live_yt
※当日、参加できない場合、アーカイブ視聴が可能です。

 

「日本政府は資産も大きい!」式の財政破綻否定論にはご注意を [三橋TV第275回]
https://youtu.be/4H5e541AzeE

【Front Japan 桜】墓穴を掘った日本政府~貨幣とPB黒字化目標の真実 / 戦後75年~戦中教科書に学ぶ、尚武の精神[桜R2/8/14]
https://youtu.be/hXAwpmMgDBg
【ch桜・別館】ソロキャンプを奪われた三橋所長が○○オタクに![桜R2/8/14]
https://youtu.be/qRgO0WOgjeM

 チャンネル桜「別館」の方で語っていますが、最近は「貨幣の探求」が趣味みたいになっており、持ち前のオタク気質を活用し、誰よりも、どこよりも、貨幣の「真相」を追い求め、深く、深く、物質の原子をこの目で見るがごとく、インプットし、思考し、アウトプットしていっています。
 

 結果、気が付いたのは、「語彙が足りない」という事実です。


 わたくしの知識の話ではありません。貨幣制度を完璧に説明する際の、日本語の語彙が足りないのです。(別に、日本語だけではなく、英語等でも同じでしょう)


 過去の人類は、商品貨幣論に基づき、貨幣を理解していた。


 ところが、現実は信用貨幣論(+α)で貨幣制度は成り立っている。商品貨幣論的な説明しかされてこなかった人類にとって、貨幣制度の「奥の奥」まで理解する語彙が不要だったのでしょうか。


 一つ、例を挙げます。


 これは、近々、三橋TVで目にすることになりますが、わたくしが高家さんに、「日銀のETF購入」について説明する際に、
「日銀はETFを買う際に、日銀当座預金を増やしているだけ。日銀当座預金は日銀にとって負債だから、負債で資産(ETF)を買っているわけです
 と、説明すると、「負債で資産を買う」という表現の真意を理解した高家さん(この人、本当に地頭が良い)が、
「おお~っ!」
 と、感動するシーンがあります。


 慣れない人には厳しいでしょうが、バランスシート(BS)で書きますね。日銀が証券会社(※証券会社は日銀当座預金の口座を持っています)からETFを買うと、

日銀のBS
 借方       貸方
 ETF 1兆円  日銀当座預金 1兆円

 となるため、日銀は「負債」である日銀当座預金で、「資産」ETFを買ったことになります
 とはいえ、この表現って「正確」なのでしょうか。


 あるいは、国債発行。
 政府が国債を発行すると、借方で日銀当座預金が、貸方で国債が増えます。

政府のBS
  借方             貸方
 日銀当座預金 1兆円  国債 1兆円

 ↑これは、政府が国債を発行し、日銀当座預金を「借りた」ことを意味しますが、
政府が日銀当座預金という資産を、国債という負債で買った
 と、表現することもできません? 


 また、我々は「預金」という言葉を、自然と「資産」として理解してしまいます。とはいえ、銀行預金は銀行の負債で、日銀当座預金は日銀の負債です。


 今度は、銀行の貨幣発行(貸出)で考えてみましょう。
 銀行が皆さんに、3千万円貸したとします。

銀行のBS
 借方                  貸方
 借用証書(貸付金) 3千万円  銀行預金 3千万円

皆さんのBS
 借方            貸方
 銀行預金 3千万円  借入金 3千万円

 となりますが、この場合、
「銀行は銀行預金という負債で、借用証書という資産を買った」
 と、同時に、
皆さんは、借入金という負債で、銀行預金という資産を買った
 と、双方が成立してしまいます。


 ここで、
「え? 前者はともかく、後者の「借入金で銀行預金を買った」という表現はおかしいだろ? 借金でカネを買うって、意味わからん
 と、思われたとしたら(思われた方が多いでしょうが)、まさに、
「銀行預金は貨幣だが、借入金は貨幣ではない」
 という思い込みに縛られています


 銀行預金だって、銀行の負債ですよ。

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

※特別コンテンツ、近現代史研究家・林千勝先生【大東亜戦争の真実~近衛文麿の野望~】が視聴可能となりました。

 

 さあ、混乱してきませんか? 


 混乱して、当然です。何しろ、日本において、ここまで突っ込んで、貨幣制度の「本質」が語られるのは(恐らく)初めてです。語彙が不十分であるため、わたくしは「既存の語彙」を使い、何とか「現実」を説明しようとしているわけですが、自分でも巧くやれている自信がありません


 貨幣とは単なる「情報」に過ぎず、様々な経済活動において、借方と貸方で、情報=数字がピコピコと動いているわけですが、それを表現する適切な語彙がないため、「買う」といった言葉を使わざるを得ない。となると、「買う」という言葉のイメージが先行し、実体がよく分からなくなってしまうわけでございます。(強いて言えば「交換」? でも、交換だと「資産と資産を変える」イメージになるから、やっぱり違うよね)


 我々は、商品貨幣論という間違った貨幣観の蔓延により、貨幣の説明に関する語彙の発展を妨げられていた可能性があるのです。自分たちが日常的にやっていることについて、表現する語彙を持っていない

 ワクワクしません?
 

 江戸末期から、明治初期にかけ、欧米から様々な新たな概念が流入した日本では、偉大なる先人たちが「造語」により危機を乗り越えました。貨幣制度を完璧に説明するためには、同じことをする必要があるように思えます。


 まあ、わたくしは学者ではないので、造語等にまで手を出す気はありませんが、いずれにせよ、貨幣の世界は本当に奥深い。
 というわけで、本日の三橋経済塾のわたくしの講義のテーマは「貨幣とは「情報」である」でございます。
 

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