三橋経済塾第九期の入塾申し込み受付中!

株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

「日本をダメにした財務省と経団連の欺瞞(前半)」三橋貴明 AJER2020.7.7

    

令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!

 

心拍数がハイパーインフレーション!中野剛志、希望を語る[三橋TV264回]中野剛志・森永康平・高家望愛

https://youtu.be/MmB2SRTnYU4

 

 ご存じの通り、ユーロ加盟国は金融の主権をECB(欧州中央銀行)に委譲しており、日本のように、
「インフレ率が許す限り、政府が国債を発行し、中央銀行が買い取り、財政支出を拡大する」
 経済政策は不可能です。


 まあ、日本も「主体的に採れる」にも関わらず、十分にやっていないわけですが、ユーロ加盟国はそもそも不可能です。
 主権通貨国ではないユーロ加盟国は、インフレ率と無関係にMMTポリティクスができないのです。


 イギリスはEUから離脱し、飲食や宿泊、娯楽などの業種に限り、7月15日から半年間、付加価値税(消費税)を20%から5%に引き下げました。


 実は、欧州では他にもドイツとオーストリアが消費税減税を決定していますが、この両国は「財政」が相対的に均衡に近いため、商品貨幣論(というか、土居丈郎)式に、
「財政に余裕があるため、減税できる」
 というレトリックになっています。


 つまりは、独墺以外のユーロ加盟国、EU加盟国は、ECBや欧州委員会の「縛り」により、財政政策や金融政策が自由になりません。

『EU首脳、7500億ユーロの復興基金で合意 倹約国の主張で補助金縮小
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2020/07/285298.php
 欧州連合(EU)首脳は21日、5日間に及んだ対面協議の末に新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の立て直しに向けた7500億ユーロ規模の復興基金案で合意した。(中略)
 復興基金の7500億ユーロは、トリプルA格付けの欧州委員会が共通債券を発行して調達する。当初、内訳は5000億ユーロが返済義務のない補助金、残りを融資としていたが、倹約4カ国が反対。ミシェルEU大統領が補助金3900億ユーロ、融資3600億ユーロという妥協案を提示した。
 ただ気候変動対策に充てられるはずだった資金が削られたほか、ハンガリーやポーランドなど、民主主義の価値を尊重していないとされる国への資金提供について条件は課されなかった。
 支援対象国が条件を満たしていない場合に資金提供を一時的に停止する「緊急ブレーキ」の仕組みが組み込まれ、倹約国側の意向が反映された。
 倹約国はまた、次期EU中期予算で払い戻しが増額されることになった。EU予算からの払い戻しは、かつて英国が受け取っており、英国のEU離脱を機にフランスが段階的に廃止したいと考えていた。
 復興基金案は今後、欧州議会の承認、全加盟国の批准が必要で、基金の稼働開始には時間を要する。
 復興基金を巡っては南東欧諸国と財政規律を重視する「倹約4カ国(オーストリア、オランダ、スウェーデン、デンマーク)」が対立し、議論は紛糾した。
 外交筋によると、マクロン氏は19日夜、これら4カ国に対して怒りを爆発させたほか、ポーランドのモラウィエツキ首相は「けちで自己中心的な国々だ」と非難した。
 オランダのルッテ首相は「いくつかのぶつかり合いはあったが、交渉の一部だ」と述べ、イタリアのコンテ首相との関係は「暖かい」ものだと話した。オーストリアのクルツ首相は倹約4カ国の交渉力は定着していると語った。(後略)』

 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
特別コンテンツ「近現代史研究家・林千勝先生【大東亜戦争の真実~国際金融資本とルーズベルト~】」が視聴可能となりました。

 

 元々は5000億ユーロが「返済不要の補助金」だったEUの復興基金が、3900億ユーロに絞り込まれ、融資が3600億ユーロ円となりました。
 しかも、支援対象国が条件を満たさない場合、資金提供が一時的に停止される
 さらに、まだ首脳会議で合意しただけであり、今後、欧州議会を通し、全加盟国の国会で批准しなければ基金が稼働しない。


 日本政府の「対策の遅れ」も相当ですが、EUは上を行きます。
 

 ほとんどの国が国会で批准したとしても、「いずれかの国(例えば、オランダなり、オーストリアなり)」の国会で紛糾するだけで、基金の資金は提供されないわけです。


 まさに、財政主権の喪失です。


 そもそも、各国によって財政も経済も状況が違う。それにもかかわらず「全加盟国」の合意に基づかなければ大規模財政拡大ができないという時点で異常なのです。ユーロやEUという「グローバリズムの国際協定」が、非常事態を想定していないことがつくづく理解できます。


 翻って我が国ですが、主権通貨国かつインフレ率が極端に低い日本の場合、政府は必要な「貨幣(※国債を含む)」を発行すれば、国民を救えます
 ところが、現実には財政破綻論者が蔓延っている。

 

 上記のEUの事例ですら、
「EUですら返済不要な補助金は減らした。日本も見倣うべき」
 と、両者の構造的違いを無視した言いがかり的な財政拡大抑制のレトリックに利用されかねません


 というわけで、各国の合意やECBという外部機関の決定無しでは動けないEU・ユーロ加盟国と、主権通貨国の日本では、保有する財政主権がまるで異なるという「事実」を理解し、広めておいてください。
 

 日本はインフレ率が許す限り、財政主権を好きなようにふるえますが、EU・ユーロ加盟国には無理なのです。
 

「日本政府は財政主権に基づき国民を救え!」に、ご賛同下さる方は、

↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。

㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。