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『現金給付10万円から解る貨幣の真実』(後編-1)』三橋貴明 AJER2020.6.2

    

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笑えない真実 財政破綻論者の主張が日本を財政破綻させる[三橋TV251回]

https://youtu.be/pHEpyaRWnuk

 

 26日に書籍版が刊行になる「自民党の消滅」のメインのテーマの一つであり、経世史論の【皇統論:第十七回】聖徳太子の日本国でも詳しく解説しましたが、日本国民は「権利」「権力」「権威」「共同体」「国家」「規制」等の言葉の意味を正しく理解しなければならないと思うのです。

 その上で、理想的な「状態」を模索する。

 財務省の緊縮財政至上主義を問題視する人が(問題視するべきですが)、
「財務省は解体しろ!」
「国税庁を財務省から切り離し、歳入庁を作ろう」
 といった提案をされており、別に反対はしないのですが、問題の本質は「財務省の権力の肥大化」ではなく、「財務省と他の勢力との権力のバランスが壊れた」ことであることは理解しなければなりません。

 財務省を解体しようとも、国家の歳入と歳出を管理する役所は必要です。
 
 別に官庁に限らず、特定の省庁の権力が圧倒的であることが問題なのであり、重要なのは権力バランスなのです。

 かつて、国土交通省は道路特定財源により、独自に道路の整備が可能でした。ところが、2008年の道路国会により、道路特定財源が一般会計に移されました。
 
 すなわち、財務省の管轄下に移され、国土交通省はその後、財務官僚に頭を下げなければ、道路予算一つ組めない状況に至ります。つまりは、権力のバランスが大きく財務省側に傾いてしまったのです。
 
 この手の「政治」が繰り返された結果、我が国では財務省のパワーが圧倒的な「状態」に至ります。
 
 あるいは、政治団体。

 以前もか書きましたが、日本の有権者は1億人以上。つまりは、我々国民は何だかんだ言って、一億分の一未満の主権しか持っていないのです。 

 となると、一票一票では「弱体」な我々の票をある程度コントロールできる、国家と有権者の間に挟まる「中間組織」が重要になります。農協、経団連、医師会、連合、建設業協会、大企業、JC、商工会議所、後援会など、中間組織たる政治団体が、票を取りまとめ、政治に影響を与えることは「民主制」において「正統」です。

「そんなことだから、しがらみだらけの政治になるんだ! しがらみから自由な、一切の既得権益と無関係な有権者の票で政治を決めるべきだ」
 と、思われた方がいるかも知れませんが、中間組織が消滅すると、マスコミをコントロールする者が絶対権力を握る全体主義になるだけです。結果、国民に選ばれた政権が、国民を害する政策を好き放題に推進することになります。
 
 というか、だからこそグローバリズムは農協や医師会など、「国民の安全保障」に関わる中間組織を目の敵にし、「既得権益!」とレッテルを貼って潰そうとするわけです。

 そして、同じ「既得権益」であるはずの経団連については、グローバリズムを推進する同志であるため、もちろん批判しない。マスコミも、グローバリズムや経団連が望む「国民を害する構造改革」を礼賛する。

 中間組織から切り離された「個の有権者」は、マスコミから垂れ流される情報に基づき「投票」するため、自分たちを害するグローバリズム、構造改革をむしろ「礼賛」する。そして、自分たちを守ってくれる農協や医師会など、「経団連以外」の政治勢力について、
「既得権益を潰せ!」
 と、攻撃するわけでございますね。

 つまりは、現在の日本におけるグローバリズムの蔓延は、政治勢力という分野において「権力のバランス」が壊れた結果なのです。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
評論家・中野剛志世先生の「通貨論争史 イギリス編」がご視聴頂けます。

 

 わたくしは7月2日に「日本をダメにした財務省と経団連の欺瞞」を小学館から刊行しますが、別に財務省や経団連に「消え失せろ!」とかやりたいわけではありません。

 財務省や経団連が消滅したところで、似たような別の権力が出現するだけです。そして、他の対抗するべき勢力の権力が及ばなかった場合、現在と全く同じ状況になります。

 重要なのは、権力の消滅ではなく、権力のバランスです。さらには、我々は「個の有権者」のままでは、政治に限りなく小さな影響しか与えられないという現実を知り、「中間組織」の重要性を見直す必要があります。
 
 例えば、地元の国会議員に対し、地元の友人たちを集め、集団で陳情することは、間違いなく「個の有権者」よりも政治力を発揮します

 この手の話がマスコミに載ることはありませんので(当たり前ですが)、わたくしは今週末に「自民党の消滅(書籍版)」、来週末に「日本をダメにした財務省と経団連の欺瞞」を世に出し、「政治の本質」について国民に問いたいのでございますよ。

 省庁や政治勢力がバランスし、互いに足を引っ張る「しがらみの状態」と、権力のバランスが崩壊し、「個の有権者」たる国民が、一方的に垂れ流される情報にのみ基づき投票する「しがらみが消滅した状態」と、いずれが正しいのでしょうか。別に、ベストとは言いませんが、前者の方が「マシ」だと思うのは、わたくしだけなのでしょうか。
 

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