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三橋TV第227回【なぜ安倍総理・麻生財相は国民の敵と化したのか?】
 
 現在の日本の(日本だけではないけど)状況を見ていると、1929年の大恐慌期というよりは、その前、1914年の第一次世界大戦前に本当によく似ています。 

 資本主義の暴走、といった抽象的な言葉を使いたくはありません。
「資本主義経済による特定の誰かの利益最大化方針と、国民国家による制御(要は規制)のバランスが崩れた」
 結果として、国民が二分化(ツーネーション化)。

 デイヴィッド・グッドハート風にいえば、エニウェア族とサムウェア族ですが、資本利益を中心に所得を得るエニウェア族と、生産活動(労働)により所得を稼ぐサムウェア族とで国民が分断され、政治権力はエニウェア族に集中してしまう

 エニウェア族は、自分たちの認識共同体の中で暮らし、似たような立場の人間としか話さず、非常事態に際し、「多数派の国民を守る政治」がよく分からない。何しろ、自らが「多数派の国民」だった経験を持たないわけですから。

 カール・マルクスは歴史発展観は完全に間違えていましたが、資本主義に対する分析は正しかったと思います。

 つまりは、資本主義を放置しておくと、資本家が剰余価値(労働者の付加価値からの搾取分)を再投資し、資本を分厚くしていくため、所得格差が拡大せざるを得ないという問題ですね。トマ・ピケティの言う、
「 r > g 」
 です。

 資本収益率が経済成長率(生産活動による所得の増加率)を上回るため、
「裕福な者は、より裕福になりやすく、労働に所得を依存する者は、相対的に裕福になれない」
 というわけで、政府による制御が必要なわけです。最も分かりやすい例が、累進課税の所得税の導入でございますね。実際、欧米諸国で所得税が本格的に導入されたのは、1914年以降のことです。
 
 つまりは、「戦争」という非常事態に突入し、国民が一丸となって立ち向かわざるを得なくなり、国家が強制的に「格差縮小」を図ったわけですね。

 第一次世界大戦が終わり、黄金の20年代には、所得税の最高税率は下がるのですが、大恐慌以降に再び上昇していきます。そして、1939年には第二次世界大戦に突入するわけです。

 第一次世界大戦という大戦争を経てすら、実のところ主要国では「エニウェア族」の政治力は大きいままで(結果、最高税率が下がった)、1929年に、今度は「恐慌」という非常事態を迎えた際に、
労働者、株式、農民、不動産などを清算すべきである。古い体制から腐敗を一掃すれば価格は適正になり、新しい企業家達が再建に乗り出すだろう(アンドリュー・メロン)」
清算により脆弱な企業を淘汰し、健全な企業を存続させる(井上準之助)」
 と、総需要が激減したことで過剰になった国民経済の供給能力を「潰せば、バランスする」という愚かしい考え方主導で政策が推進されたわけです(結果、恐慌が悪化した)。

 昨今の自民党内の議論などから聞こえてくる、
「もたない会社はつぶす」
「働かざるもの食うべからず」
 といった声は、まさに1914年-1939年までのエニウェア族の論調そのままです。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※ノンフィクション作家「河添恵子」先生との対談「歴史から学ぶ中国と中国人の本質」が視聴可能となりました。

 

 というわけで、このままでは我々は第一次世界大戦や大恐慌、第二次世界大戦期の「国民」同様に悲惨な状況に陥らざるを得ないのですが、日本は国民主権国家です。国民がエニウェア族とサムウェア族(+ノーウェア族)に分断され、マジョリティの「救われたい」という意思を無視する政治家が行われたとしても、責任は全て「国民」が背負わなければなりません。

 ならば、
「政府は自粛を要請するならば、損害を全額補償せよ」
 と、極々当たり前のことを叫び、同時に真っ当な動きを見せている政治家を支援するしかない。
 
国債発行で100兆円の給付を、全業種支援で自民山本・安藤氏提言
 自民党の山本幸三衆院議員は24日、安藤裕衆院議員と共同で、新型コロナウイルスの影響を受けた今年1月以降の全国全業種の損失を補填するため、国債発行による100兆円の給付が必要との提言を発表した。
 21日に岸田文雄自民政調会長、24日は菅義偉官房長官に提言。新型コロナウイルスにより日本の国内総生産(GDP)の20%が失われると想定し、20%に相当する100兆円の現金給付が必要としている。個人に対する生活保障の給付も含むという。』
 
 ちなみに、政府の自粛要請による損害の「補償」を求めることは、これは日本国憲法で認められた国民の正当な権利です。

 何しろ、我々は自粛要請、休業要請により、本来は得られるはずだった所得を失っているのです。つまりは、政府により財産を奪われている状況にあります。ついでに、私有財産を「使うな(休業せよ)」と「要請」されていることもまた、立派な私有財産権の侵害です。
 
 もっとも、政府は「緊縮財政」の下で、国民の損害の補償など、絶対にしたくない。だからこそ「自粛要請」という気味が悪い言葉を用い、社会的圧力により経済活動を停止しようとしている「風に見える」のです。

 というわけで、全ての国民は、
「2020年1月以降、政府の政策により被った全ての損害を補償せよ」
 と、叫ばなければなりません。

 実際、日本に中国武漢発祥の新型コロナウイルス感染症が蔓延してしまったのは、中国人「様」インバウンドへの期待や、習近平「様」国賓来日のために、1月時点で中国人(厳密には中国からの外国人)入国を規制しなかった安倍政権の責任なのです。

 政府の失政により、国民が多大な損害を被った以上、全ての損失補償は「当たり前」なのです。皆様も、是非とも「損失を補償せよ」との声を高めて下さい。さもなければ、エニウェア族を気取っているあの連中(国会議員たち)は、損失補償の必要性すら真面目に理解しようとしません。(国民が苦しんでいるって、そりゃ、自己責任だろ。てなもんです
 
 これが、日本の政治の現実です。ならば、現実を変えましょう。
 

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