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三橋TV第224回【我々の生存ための必須知識「国債という貨幣」の真実】
 
 さて、国民一人当たり10万円給付をめぐって色々と情報が飛び交っていますが、というかいきなり自民党議員たちが、
「自分たちが以前から要求していた~」
 と言い出したのには、さすがに面食らいましたが、それを言っていい自民党議員は、「日本の未来を考える勉強会」と「日本の尊厳と国益を護る会」が出した提言に名を連ねた人たちだけだと思いますが、
「お前ら、本当に両会が出したいずれかの提言の賛同人なの?」
 と、容赦なく突っ込んであげて下さい。
 
 それはともかく、重要なポイントは「財政赤字=新規国債発行」を増やすか否か、だけだと思います。何しろ、国民一人当たり10万円を給付すると、必要予算は12兆円。補正予算(新規国債発行)16.8兆円のままでは不可能です。

 ここで言う「不可能です」とは、手続き上の話であり、実務的には可能どころか「超簡単」でございます。

 単に、財務省が国庫短期証券12.8兆円分の紙切れを日銀に持ち込み、日銀当座預金を発行させ、各銀行に振込指示をするだけです。(で、後で政府保有の日銀当座預金で決済) 要するに、OMF(明示的な貨幣供給)です。いつも、やっていることです。

 問題というかポイントは、国庫短期証券はその年度の予算で償却することになっているため、「新規国債発行」もしくは「徴税」により償還資金を手当てしなければならないという点です。もちろん、新規国債発行で構わないのですが、それが果たして閣議決定済みの補正予算に組み込まれるのか。

 閣議決定された補正予算を組み替えるだけで前代未聞ですが、「新規国債発行追加」となると、これは財務官僚的には自殺したくなるほどの驚天動地でございますよ、はい。

 個人的には「財政赤字=新規国債発行」になると思っていますが、未だに、
「10万円給付とは言っても、後で税金で回収しなければならないんだろ」(※するかどうかは別。「しなければならない」と思っているのが問題)
 と、誤解する、貨幣に関して無知な国民が多数派で、財務省の、
「はいはい、さようでございますよ。じゃあ、コロナ増税」
 といった狂った緊縮路線の継続が図られかねないという点を懸念しているのでございます

 というわけで、このタイミングで、どうしても三橋TV第224回【我々の生存ための必須知識「国債という貨幣」の真実】をリリースする必要があったのです。

 さすがに、「銀行預金は市中銀行が書くこと(キーボードを打つこと)で発行する貨幣」という「単なる事実」は、皆さん、ご理解されていると思います。我々にしても、小切手や約束手形という貨幣を「書くこと」で発行できます。

 もっとも、小切手・約束手形、銀行預金、現金紙幣=日銀当座預金という貨幣には、必ず「対となる金融資産」すなわち「担保」があるのでございますよ。ここで言う担保とは、我々がおカネを借り入れる際に差し入れる資産とは関係がありませんので、ご注意ください。あくまで、
「発行した貨幣と同額の、金融資産」
 という意味になります。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※ノンフィクション作家「河添恵子」先生との対談「歴史から学ぶ中国と中国人の本質」が視聴可能となりました。

 

 詳しくは動画を見て頂ければいいのですが、
 
【貨幣ピラミッド】
 
① 我々個人も小切手(等)という貨幣を発行できますが、保有する当座預金(銀行預金)の範囲です。つまりは、バランスシートで言えば、右側の貸方に計上される「小切手」という貨幣と対になる、左側の借方の「当座預金」という金融資産がなければならないのです。
 つまりは、小切手の担保は銀行預金。
 
② 市中銀行は我々に銀行預金という貨幣を発行しますが、同時に借り手の「借用証書」が差し入れられます。バランスシートで言えば、貸方に計上される「銀行預金」という貨幣と対になる、借方の「貸付金」という金融資産が担保。銀行預金の担保は、実は借用証書でございます。「借用証書」には、もちろん日銀の借用証書(現金紙幣)を含みます。

③ 現金紙幣は日銀当座預金とイコールです(形状が違うだけ)。日本銀行は市中銀行に日銀当座預金(=現金紙幣)を発行しますが、貸方に計上される「日銀当座預金・現金紙幣」という日銀発行の貨幣と対になる、借方の金融資産が何かといえば、実は「国債」です。日本銀行は、市中銀行から国債という「借用証書」を差し入れられた際に、日銀当座預金を発行します。当然ながら、日銀当座預金や、皆様がお持ちの現金紙幣の担保は「国債」になります。

④ それでは、政府発行の貨幣である「国債」の担保、つまりは政府のバランスシートの貸方に計上されている国債(されています)と、対になる借方の金融資産は何なのでしょうか。
 
 答えは、
「そんなものはない!」 
 でございます。

 そして、それでいいのです。理由は、政府が一切の金融資産(担保)なしで国債を発行することで、政府が債務超過(純負債)状態になるためです。

「政府が債務超過って・・・、それでいいのか!!!!」
 と、思われた方が多いでしょうが、いいのです。理由は、政府が債務超過になってくれなければ、我々の純資産(財産)が生まれないためです。

 三橋TVの例をとりますと、この世にわたくしと高家さんしかいなかったとします。
 
高家さん:わたくしに100万円貸し、80万円を借りている
わたくし:高家さんに80万円を貸し、100万円を借りている
 
 上記の場合、高家さんは20万円の純資産になりますが、わたくしは20万円の純負債(債務超過)になります。当たり前です。この世の「純資産」は「純負債」と必ずイコールになります。これは、地球上で生きている限り、絶対に逃れられない法則です。

 というわけで、政府が金融資産の担保なしで、金融負債となる「国債」を発行し、自らの純負債(債務超過)を膨らませてくれるからこそ、我々の純資産が増えるのです。逆に言えば、政府が債務超過を全て清算すると、我々の純資産が消滅します。

 まとめますと、
.政府だけが一切の金融資産の担保なしで、国債という貨幣を発行できる
2.政府が国債発行で純負債(債務超過)を拡大すると、反対側で我々の純資産が増える
 これは、誰にも否定できない真実なのです。
 
 つまりは、今回の補正予算の組み換えで、財政赤字=新規国債発行が増えた場合、我々の純資産が間違いなく増えます

 それにも関わらず、「自分」と「政府」を混同し、
「いや、借金を膨らませることは悪いことだ!]
 と、反発するバカ頭が弱い人が少なくないでしょうから、上記の「事実」を説明してあげて下さい。ついでに、教えてあげてください。

「お前は、政府じゃないから」

 パーソナリティというか「主語」をわざと曖昧にし、聞き手を混乱させ、国民に誤解させるというのが、財務省が過去二十年以上に渡り展開してきたプロパガンダの柱です。

「いや、借金は借金だ! 国の借金は返さなければならない」
 と、頑なに言い張るバカ頭が弱い人には、
「政府が負債を返済すると、お前の純資産という財産が消滅するけど、それでいいの?」
 と冷たく優しく問いかけてあげて下さい

 そして、騙されていたのは、別にお前がバカなせい頭が弱いせいじゃないよ。財務省が悪辣なだけだよ。と、真実を伝えて差し上げて下さい。
 
 ちなみに、「国債という貨幣は、本当に何の担保もなく発行できるのか?」との疑問を抱いた人はいるでしょうし、真っ当な疑問ですが、もちろん担保はありますよ。国債の担保とは・・・、動画で全て明らかにしています。

 大げさでも何でもなく、現時点で日本国民の多数派が貨幣や財政の真実を共有できるか否かに、我々の人生がかかっているのです。是非とも、「財政赤字は国民の財産拡大」という真実を広めることにご協力ください。

 

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