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令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。

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三橋TV第221回【恐怖に怯える日本国民を利用し政治権力を高める】
 
 「時局 2019年 05 月号」に、連載「三橋貴明の経世論 第38回 「令和恐慌」始まる」が掲載されました。
 
 チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
 
 さて、今後の「世界」を大変革しそうなニュースが報じられました。
 
FRB、一般企業に資金供給 英中銀は政府に短期資金融通
 主要国の中央銀行が新型コロナウイルスに伴う経済危機克服に向け、異例の措置に相次いで踏み切った。米連邦準備理事会(FRB)は9日、一般企業への融資など新型コロナに対処する2兆3000億ドル(約250兆円)の緊急資金供給策を決めた。英国のイングランド銀行(中央銀行)も9日、英政府が一時的に資金不足になった場合に短期の資金を融通する仕組みを拡充すると発表した。企業や政府にマネーを供給する中銀の政策対応は、未踏の領域に入りつつある。
 FRBの緊急資金供給策のうち、一般企業向けは民間銀行を通じて6000億ドルを提供し、1年間は無利子とする。7500億ドルの資金枠を設けて大企業などから社債の買い取りも開始する。資金繰り難の企業に中銀がマネーを供給するのは極めて異例だ。』 
 
 ついに、中銀から政府への資金融通も「タブー」ではなくなっていっている。まあ、元々タブー化していたのが変なのですが。
 
 ちなみに、アメリカの一般企業もFRB準備預金の口座を持っているわけではないため、実際には「市中銀行」経由のマネーの貸出になると思います。

 例えば、1億ドルかりるとして、
① 一般企業がFRBに1億ドルの借用証書を差し入れる(借入申込)
② FRBが、一般企業が取引している市中銀行に、振込指示(一般企業の銀行預金の口座を1億ドル増やす)。
③ FRBが、②の市中銀行のFRB準備預金の口座を1億ドル増やす
 といったオペレーションでしょうかね。

 さて、より重要なのはイギリス中央銀行が、
「英政府が一時的に資金不足になった場合に短期の資金を融通する仕組みを拡充する」
 という部分ですが、これがOMF(明示的な資金供給)になります

 ちなみに、日本も国庫短期証券(旧:政府短期証券、法律用語では「財務省証券」)を日銀に差し入れ、日本政府が日銀当座預金を入手する仕組みは普通にあります。というか、通常の予算のほとんどは、この仕組みで発行されています。

 日銀の国債直接引き受けは財政法五条で禁じられているはずですが、実は普通にやっています。財政法の第七条一項は、以下の通りとなっています。

「第七条 国は、国庫金の出納上必要があるときは、財務省証券を発行し又は日本銀行から一時借入金をなすことができる。」

 もちろん、財政法では国庫短期証券は歳入(税収)で後から償還することにはなっていますが、日本政府が「税収無しで、支出している」事実は決定的に重要です。何しろ、世の中の人のほとんどは、
「政府は我々から税金を徴収し、支出している」
 と、考えているのです。

 実際には、政府は財務省証券を日銀に持ち込み、貨幣を発行させ、予算として支出しています。そもそも、国家、あるいは財政とはそういうものなのです。

 政府が徴税前、あるいは「税金を徴収しない」段階で支出しているという事実について、スペンディング・ファースト(支出が先)と呼びます。日本国民の多数派の認識とは異なり、政府は別に支出に際して徴税は必要としていません。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※ノンフィクション作家「河添恵子」先生との対談「歴史から学ぶ中国と中国人の本質」が視聴可能となりました。

 

 昨年のMMT講義で、OMFやスペンディング・ファーストについては、本ブログのユーザーの皆様はご理解されているでしょうが、記事のポイントは、英中銀が「拡充すると発表した」の部分です。例えば、日本銀行が財務省証券と引き換えに日銀当座預金を発行し、そのまま「忘れたフリをする」だけで、政府は一切の債務負担なしで貨幣発行ができるわけです。


 そして、未だに財政破綻だハイパーインフレだ言っている、頭の中が金貨銀貨のバカ中世人の「常識」とは異なり、政府が貨幣発行で財やサービスを買ったとしても、インフレギャップ(総需要>供給能力)が拡大しなければ、インフレ率は上昇しません。


 また、インフレ率が上昇したならば、企業の生産性向上の投資を促し、政府自らも投資することで、供給能力を高めるのです。これが、経済成長です。


 もしかしたら、我々は天動説の貨幣観(金貨銀貨の「商品貨幣論」)が、地動説(要は正しい)である信用貨幣論に転換する瞬間を目撃しているのかも知れません。


 さらに、FRBの方は、地方政府支援ということで、「地方債購入」を通じて最大5000億ドルを振り向けるとのことです。
 

 地方債購入は、我々も主張し続けてきた「手」の一つですが、FRBに先を越されました。
 日本の場合、日銀が地方債を買うにしても、
「どの地方自治体の債権を、いくら買うのか?」
 で、もめるに決まっているので、ここは一律(各地方債の10%なら、10%)で割合を決めてしまうのが良いと思います。いずれにせよ、地方債が事実上「消滅」すれば、地方自治体は新たに起債し、地域住民を救えます。

 

 ちなみに、中央銀行が地方債を買い取った際のバランスシートの流れは、前回の三橋経済塾で「演習」しましたので、塾生の皆様は復習してみて下さい。


 いずれにせよ、OMFや中銀の地方債購入が、
「もはやタブーではない」(元々、タブーにしていたのがおかしかった
 時代が訪れようとしています。


 幸いなことに、日本の民間(特にネット)では「貨幣観」の議論が進んでおり、全体の層の厚さや質が世界最高だと思います(それだけ長い期間、貨幣観の間違いに苦しめられてきたということですが)。皆様、是非ともこのタイミングで貨幣観を正しい「信用貨幣論」に改め、OMFや中銀の地方債買取を実現し、日本国と日本国民を救う活動の一翼を担って頂ければと存じます。

 

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