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三橋TV第198回【厄介な隣国 ロシアはなぜ歴史的に「兵士の剣」の国なのか?】
 
 さすがに、この発言には驚きました。
「内需のファンダメンタルズはそこそこだ」
 民需(民間最終消費支出、民間住宅、民間企業設備)が全て年率マイナス10%強という凄まじい落ち込みを受け、「内需のファンダメンタルズはそこそこだ」。

 そもそも、内需のファンダメンタルズって、なんだ?
 
経済環境きめ細かく分析し、財政運営に万全期す=麻生財務相
(前略)2019年10?12月期の実質GDP(国内総生産)が5四半期ぶりのマイナス成長だったことを踏まえ、「経済環境をきめ細かく分析して経済財政運営に万全を期す」との考えも併せて述べた。
 内閣府が17日発表した19年10?12月期の実質GDP速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比1.6%減、年率換算では6.3%減だった。実質GDPのうち、個人消費が実質2.9%減だったことに関しては「前回(の消費税率)引き上げ時と比較すると小さい。内需のファンダメンタルズはそこそこだ」と指摘した。』
 
 安倍総理や麻生財務大臣が「嘘」をつくのは、今更ですが、さすがにこの発言は許しがたい。「ファンダメンタルズ」って何?

 この手の抽象用語を使い、失政を誤魔かす。そして、国民も「嘘の説明」で何となく納得してしまい、さらに野党があの体たらくであるため、内閣支持率が下がったとしても、「支持政党なし」「無党派層」が増えるだけで、野党に支持が移るわけではない。

 結果、何となく政権が維持され、支持率が「左翼叩き」「中韓叩き」などで回復し、振出しに戻る。

 こんな愚かなことを繰り返してきた日本国民ですが、要するにバカにされているんですよ、我々は

 もっとも、今回の消費税増税による「アベ・ショック」は、かなり洒落にならない。個人的には、消費の落ち込みよりも「設備投資」の急落にビビっています。
 
【日本の民間最終消費支出・民間企業設備(対前期比%)】
 
 19年10月増税では、四半期ベースで設備投資(民間企業設備)が対前期比で消費を上回る大きな落ち込みになりました。何と、▲3.7%(年率換算▲14.1%!!!)

 14年4月増税時は、▲1.9%、そして97年増税時は(グラフにはないですが)+0.3%と、マイナスになりませんでした。もっとも、消費税増税の翌年(98年)1-3月期以降、三期連続でマイナス化しました。

 何を言いたいかといえば、
「消費が減った。はい、設備投資削減」
 と、消費の低迷と設備投資縮小が「同時に起きる」ことはあり得ないという話です。無論、四半期の最初の月に消費税が増税されるため、多少は影響するかも知れませんが、設備投資の判断が消費判断よりも「長期的」であることは疑いようがありません。

 ということは、19年10-12月期の民間企業設備は、消費税増税がなかったとしても、マイナスに陥ったのではないか、という話です。(マイナス幅は小さいでしょうが)
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※「歴史に魅せられて、myと辿る邪馬台国への道(前編)」が視聴可能となりました。

 

 19年は輸出が対前年比でプラスになったことは、一度もありません。
 
【日本の輸出(対前年比%)】
 
 つまりは、外需縮小を受け、企業が設備投資の抑制に乗り出したタイミングで、消費税増税を強行してしまった。急激な消費の縮小に加え、元々の外需縮小の影響があり、設備投資が14年や97年を上回る大きな落ち込みになってしまったと考えるべきでしょう。

 恐ろしいことに、2020年に入って以降は、新型コロナウイルスの影響で、輸出はさらに落ちるでしょう。そこに、消費増税による内需縮小を受けた「さらなる設備投資抑制」が来るわけです。

 しかも、新型コロナウイルスは、当然、国内消費も縮小方向に向かわせます。さらに、7月1日に再増税。さらにさらに、五輪不況。

 別に、煽りたいわけではありません。とはいえ、昨年10月に増税を強行した安倍政権が、まさに「最悪のタイミング」で増税をしてしまったことは疑いないのです。

 さあ、速やかに「安倍政権の失政」の事実を国民が共有しなければなりません。

 経済成長率が対前年比マイナス6%超という悲惨な数字が出てきてさえ、
「経済対策の効果もあり基調として緩やかな回復が続く」(安倍総理大臣 2月17日 国会答弁)
「内需のファンダメンタルズはそこそこだ」(麻生財務大臣 2月18日 閣議後記者会見)
 と、責任者が平気で嘘をつく「政治」の下で、我々は生きている。この現実を見据え、国民一人一人が「どうするべきか?」を考えましょう。

 この状況において、現実から目をそらし、
「安倍総理はよくやっている」
「安倍総理を批判する連中はサヨクの屑」
 などと認知的不協和に陥ることは、将来世代への裏切りであることを自覚しなければなりません
 
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