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『少子化対策はデフレ対策である(前半)』三橋貴明 AJER2020.1.28

 

 

令和の政策ピボット呼びかけ人に、高橋あさみ様(私立Z学園高等学校 1年4組 16歳)が加わって下さいました。

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三橋TV第189回【「組織のため」に働く財務官僚が「国家」を壊す】
 
 厚生労働省は、奈良県在住のバス運転手、60代男性が新型コロナウイルスに感染していることを明らかにしました。男性は、武漢への渡航歴がなく、間違いなく日本国内における「ヒト・ヒト感染」です。

 男性の行動歴は、
・1月8-11日に武漢からのツアー客を、運転手としてバスに乗せた
・1月12-16日に別の武漢からのツアー客を、運転手としてバスに乗せた
 となっており、武漢から来日した中国人から感染したと考えて間違いないでしょう。
 
 また、武漢から日本人を帰国させるチャーター便第一便が、日本に向かっています。
 
新型肺炎 日本人帰国用のチャーター機 武漢を出発
 新型のコロナウイルスの感染が拡大する中国の湖北省武漢から、帰国を希望する日本人を乗せた最初のチャーター機は、羽田空港に向けて、予定より2時間近く遅れて日本時間の午前6時前、武漢を出発しました。
 中国の湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、武漢では空港が事実上、閉鎖されるなど公共交通機関がストップし、現地に滞在する日本人は帰国が困難な状況となっています。
 政府によりますと、これまでに、およそ650人が帰国を希望しているということで、希望者全員を順次、帰国させることにしています。(後略)』
 
 問題は、というより「日本国民が考えなければならない現実」は、武漢から帰国した日本国民を「隔離」することができないことです。
 新型コロナウイルスの潜伏期間は2週間程度と考えられていますので、少なくとも同じ期間、帰国者はホテル等で隔離するべきです。

 が、厚生労働省は、
「人権侵害に当たり、法的にも権限がない」
 と、帰国者に対して自主的な医療施設の検診を呼びかけるだけとのことです。

 日本には、
「新型インフルエンザ等が全国的かつ急速にまん延し、かつ、これにかかった場合の病状の程度が重篤となるおそれがあり、また、国民生活及び国民経済に重大な影響を及ぼすおそれがある」
 場合に、「感染を防止するための協力要請」が可能な法律がありますが(新型インフルエンザ等対策特別措置法)、新型コロナウイルスは対象外なのです。

 ならば、国会も開かれているわけですから、「政府」は国会が新型インフルエンザ特措法に「新型コロナウイルス」も含めるように動くべきです。

 無論、この非常時に、国会で「桜を見る会」の追求に多大な時間を費やしている野党は批判されるべきです。とはいえ、総理が自ら、
「新型インフルエンザ特措法の適用範囲に、新型コロナウイルスを加えてほしい」
 と、一言メッセージを発せば、それで済む話です。与党は国会で安定多数であり、さすがに野党も反対はしないでしょう(したらしたで、凄いですが)。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※2月15日まで竹村公太郎先生の「日本文明の誕生-神話から歴史へ-」をご視聴頂けます。。

 

 もっとも、今回の非常事態の中核は、武漢から帰国する日本人ではなく、あまりにも増えすぎた中国人観光客です。すでに、ウイルスに感染し、潜伏期間中の中国人が大勢、日本に入国しているのは確実なのです。


 実際、奈良県の60代男性バス運転手は、武漢から入国した中国人観光客から感染した確率が100%近いわけです。


 つまりは、政府は中国人の入国禁止と、滞在している中国人の帰国を促進しなければならないのです。日本国民の「生存権」「安全」「生命」を重んじるならば。


 すでに、北朝鮮は中国からの渡航者の入国を禁止し、アメリカでは武漢からの渡航者の入国を5つの空港に制限し、渡航者全員を検査しています(それでも、潜伏期間を考えると、苦しいところですが)、台湾は湖北省に居住している中国人の入国を拒否。フィリピンはウイルスの潜伏期間を考慮し、武漢から中部カリボ空港に到着した便の乗客約500人の送還を決定。


 さらに、香港までもが中国湖北省の居住者、および過去14日間に同省を訪れた中国人の入境を禁止


 各国は、各国の判断で、「国民を守る」ために主権に基づき動いているのです。


 ところが、我が国は動かない。総理は、1月24日の「新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する関係閣僚会議」で、
「(前略) 関係閣僚におかれては、検疫における水際対策の一層の徹底、サーベイランス強化のための国立感染症研究所で実施している検査について、全国の地方衛生研究所でも検査が可能となるよう体制を整備すること、国民の皆様に対する迅速かつ的確な情報提供、在留邦人に対する現地大使館を通じたきめ細かな情報発信や必要な支援の実施など、国内における感染拡大の防止や在留邦人の安全確保に向けて、引き続き全力を挙げてください。(後略)」
 と、例により「万全を期すべき事態を注視する」的な、「何もやらない」をそれっぽいレトリックで語るのみでした。

 

 洒落になりませんよ。
 

 せめて、アメリカ並みの「渡航者全員検査」程度のことはしてほしいのですが(それでも、潜伏期間を考えると、危険は危険)、結局は何もしない。


 我々は、自然災害はもちろん、「死ぬ可能性がある感染症の蔓延」に対してまで自己責任、自己防衛を迫られている。


 まさに、国家の店じまい。

 主権がない国を、非常事態が襲った。もはや、悲劇というよりは、喜劇。
 

 あえて断言しますが、中国人の人権や「インバウンド」とやらの経済効果よりも、「日本国民」の安全が優先する政府を望みます。現在の日本国は、「国民(人民)を守る」という点では、中国人を入国禁止とした「あの」北朝鮮にすら劣るのです。

 
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