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三橋TV第186回【「家族を想うとき」の主人公は、将来の貴方の姿です】
 
 通常国会が始まりました。総理は施政方針演説において、ついに「白タク解禁」を宣言。
 

【第二百一回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説】
自家用車による有償の運送サービス制度について規制緩和を行い、外国人観光客の皆さんの地方での足もしっかりと確保いたします。』
 
 自家用車による有償の運送サービスですから、「白タク」以外に表現のしようがありません。つまりは、タクシー会社という「企業」による管理なしの、「自由なタクシー業務」解禁です。
 
 すでに、中国人の白タクが跋扈しており、問題化しつつありますが、そこに今度は「ウーバー」に代表されるシェアエコのグローバリズムが襲来することになります。

 昨年12月9日、ウーバーは2018年、同社のライドシェアと関連して3千人以上が性的暴行の被害に遭っていた事実を発表しました。それはまあ、
「誰がドライバーか、誰も管理していない白タク」
 がウーバーでございますから、それこそ「何が起きるか分からない」のです。

 アメリカの犯罪学者によると、実は「見知らぬ相手からのレイプ犯罪」は頻度が低いとのことです。それが、ウーバーは違う。

「見知らぬ他人による殺害やレイプの発生頻度がいかに低いものであるか、ほとんどの人は知りません。これらの(Uberに関連した)レイプや殺人の発生件数を見ると、危機感を覚えずにはいられないのです。(シカゴ大学付属の研究機関NORCのシニアフェローのジョン・ローマン氏)」

 ロンドン交通局(TfL)は昨年11月25日、ウーバーの配車サービスに対し、ロンドンでの営業認可を新たに与えない方針を明らかにしています。
 さらに、昨年12月、フランクフルトの地方裁判所は、ウーバーがアプリによって、レンタカー会社に配車リクエストを送信することを禁止しました。

 世界がウーバー・モデルを問題視し、規制に走っている。
「だからこそ、日本という最後の巨大市場の規制を緩和するんですよ、三橋君」
 という感じでしょ、どうせ。
 
 ウーバーのモデルは、アマゾンフレックスや、フランチャイズ・ギグエコの運送業などと同じで、「価格競争」を激化させるデフレ化政策です。
「既存のタクシー会社より安いですよ」
 という「売り」がなければ、誰も「安全の保障がない」白タクを使おうとはしませんよね(中国人観光客は知りませんが)。

 というわけで、シェアエコ・ギグエコの勢力に既存の企業が価格競争を仕掛けられ、片端から潰れていく。失業したドライバーは、もちろん自らもギグワーカーとなるわけです。

 となると、将来が「不安定」となってしまい、彼らは消費を増やさない。ギグワーカーの増加=デフレ化です。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※2月15日まで竹村公太郎先生の「日本文明の誕生-神話から歴史へ-」をご視聴頂けます。。

 

 そういえば、ある女性のフリーランサーの方から、
「最も欲しいのは長期契約です!」
 と言われたのを思い出します。「雇用」とは労働分野における「長期契約」で、我々は最も安心感を得ることができます。その雇用を徹底的に破壊する。

 昨日も書きましたが、経済産業省自ら、
「「兼業・副業」、「テレワーク」、「雇用関係によらない働き方(フリーランス等)」を含めた多様で柔軟な働き方を、働き手一人ひとりが自由に選択できる社会へ向けて、今後も施策を検討してまいります。」
 と、堂々と宣言しているわけです。

 我々、一般の国民が「会社」という共同体からも切り離され、「家族を想うとき」のリッキーのごとく、自己責任、過重労働、低賃金、負債拡大の中で喘いでいく。貧困化した国民は、
「安くても、条件が悪くても働く」
 という状況に追い込まれ、デフレが進む。物価が安くなり、ついに日本は、
「安いから」
 という理由で外国人観光客が激増<今ここ。

 国民が貧困化し、将来が不安定になると、デフレから脱却できない。となると、外国人様に頼ろうということで、民泊解禁、白タク解禁。

 貧乏な日本人は、外国人観光客を相手に白タクでも運転して、小銭を稼げ、という話ですね。トゥクトゥクでないだけ、マシだろ、てなもんです。

 発展途上国かよ!
 
 まあ、何しろ、安倍総理の施政方針演説からは「デフレ」という言葉が消えたくらいですから、もう日本国民におもねる気も無くし、グローバリズムから与えられた宿題を片付ける気なのでしょう。

 そして、日本国民は総理の綺麗ごとのレトリックに騙され、自分たちを貧困化し、共同体をぶち壊す各種の「改革」「緊縮」を支持する
 
 いい加減にしましょうね。
 
 落ち着いて考えてみれば、誰にでもわかるはずです。総理の綺麗ごとのレトリックの裏に、「誰かのおカネ儲け」が必ずあることに。
 
 おカネ儲けの政治から脱却しましょう。そのためには、まずは自分の頭でしっかりと考えることです。
 
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