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三橋TV第185回【安倍総理大臣の「政治」を完璧に解明してみた】
 
 昨日は三橋経済塾第九期第一回講義開催日でした。ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
 ゲスト講師は竹村公太郎先生でした。インターネット受講の皆様は、一週間ほどお待ちください。
 
 さて、内閣府がプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)の新たな試算を公表しました。
 成長実現ケースであっても、目標の2025年にPBは3.6兆円の赤字で、PB目標が達成されないとなっています。

 そもそも、PB黒字化=国民赤字化です。

 地球上に住んでいる限り逃れられない法則、
「民間収支+政府収支+海外収支=0」
 により、政府の赤字を削減すると、(海外収支変化なしとすると)民間の黒字は間違いなく減ります。コインの表の反対側は、裏です。と言っているのと同じです。
 
 国民を貧困化させる政策を懸命に推進し、目標達成が遅れると嘆くのが、我が国のマスコミであり、政治家です。
 
『財政健全化へ多難な道のり アベノミクスに陰り
 内閣府が17日に示した中長期の財政試算は、政府が国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化を目指す令和7年度も3兆6000億円の赤字になるとして、昨年7月の前回試算から赤字額が拡大した。政府の2年度予算案は一般会計の総額が当初予算として2年連続で100兆円を超すなど歳出が膨らむ中、「アベノミクス」のもとでの税収増に陰りもみえ、財政健全化は多難な道のりが続く。
 「(赤字額の)3兆6000億円は決してむちゃくちゃに(PBの均衡化が)難しい数字ではない。しっかりと歳出改革の努力を実行したい」。西村康稔経済再生担当相は17日、政府の経済財政諮問会議後の記者会見でこう強調。平成28~30年度の3カ年で3兆9000億円の歳出効率化を実現したことを根拠に挙げた。(後略)』
 
 マスコミや政府の愚かっぷりは今更ですので、今回は内閣府の試算の中身について注目てみましょう。 
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】

http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※2月15日まで竹村公太郎先生の「日本文明の誕生-神話から歴史へ-」をご視聴頂けます。。

 

 PBと民間収支、海外収支をグラフ化しました。
 PBは「兆円」という金額、民間収支と海外収支は対GDP比なので、ご注意ください。
 
【内閣府の基礎的財政収支黒字化への試算(成長実現ケース)】
基礎的財政収支(左軸)、民間収支・海外収支(右軸)
 
 上記の通り、目標年度の2025年であっても、PBは3.6兆円の赤字です。
「だから大変だ~」
 と、大騒ぎしているのが上の連中ですが、問題はそこにはありません。

「民間収支+政府収支+海外収支=0」

 相変わらず内閣府は海外収支赤字(=日本の経常収支黒字)に過大な期待をしていますが、さすがに対GDP比4%以上の経常黒字が「継続的に拡大」すると想定するのは無理があったようで、マックスで対GDP比3.9%になっています。
 つまりは、海外収支は「(高い赤字水準で)ほぼ一定」という想定になっているのです。

 となると、上記の式から、
「政府のPBを黒字化させるには、民間の黒字を減らさなければならない」
 となってしまい、実際に民間収支は2019年の対GDP比6.6%から、2029年には2.3%に減らされてしまいます

 そして、現在の「グローバリズム」に基づく企業優先のプライオリティを考えると、「民間の黒字減少」の主役が「家計」になることは明らかです。

 つまりは、社会保障支出のカット、社会保障負担の引き上げ、さらには消費税増税など、家計を貧困化させる政策がこれからも続くことになります。

 有害そのもののPB黒字化目標を達成するために、有害な政策が採られる。
 政治家が、
「お前(国民)たちを貧しくする目標達成が遅れる! 大変だ!」
 と叫ぶ、狂った現実。

 狂った現実を改善するには、民主制の国である以上、有権者である国民が正しい情報を知らなければなりません。

 まずは、
「政府のPB黒字化目標は、国民赤字化目標である」
 という、当たり前の事実を、広く周囲の方々に伝えて下さい。
 我々を貧しくするために、政府が懸命になっているという狂った現実は、早急に終わらせなければなりません。
 
「狂った現実を終わらせよう」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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