株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。
チャンネルAJER
 
令和の政策ピボットの賛同者数が2万人を突破いたしました。
また、メルマガ「令和ピボットニュース」が始まりました。皆様、是非とも、メルマガ登録を!
 
予習編として「MMTポリティクス 現代貨幣理論入門」の第一回~第三回をご視聴頂けます。受講前に、ご覧ください。
 
三橋TV第175回【アベショックが始まった(前編)景気動向指数の衝撃!】
 
 令和元年の少子化対策白書はなかなか優れたデータが載っています。白書のデータを素直に見れば、誰にでも解決策が明らかになります。
 例えば、以下の二つ。
 
【日本の20歳代・30歳代の所得分布】
 
【結婚相手に求める条件(理想の年収と実際の分布との比較)】
 
 上記を見て、
「日本の少子化が止まらない主因は、特に30代男性の所得水準が左(安い方に)シフトしてしまい、結婚できなくなっているため」
 と、理解しない人は、目玉を取り換えましょう。

 結婚相手の男性の所得として、400万台から500万円台を望む女性が多数派。それに対し、現実の男性の所得水準は200万円台から300万円台が多数派。
 結果、結婚が増えない。少子化が進む。

 恐ろしいことに、1997年(デフレ元年)にはまさに女性の理想である400万円台から600万円台が多数派だったのです、日本の男性の所得分布は。

 それが、所得水準が過去二十年で左シフトしてしまった。
 
 今の日本の若者にとって、結婚が「贅沢品」と化してしまっている。子供を持つなど、もはや「夢」。
 
 狂った社会です。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※2月15日まで、竹村公太郎先生の「日本文明の誕生~神話から歴史へ~」がご視聴頂けます。
 
京都市在住、30代の4人家族…「普通の生活」に月48万円必要 教育費と車の維持費重く
 夫婦と子供2人の家族が京都市内で普通に暮らした場合、30代なら税、社会保障費込みで月48万6900円、40代は54万9800円、50代だと70万7500円が必要――。そんな調査結果を労組の京都総評が5日発表した。「非正規労働者にとって家族を持つことが不可能に近くなっている。賃金の底上げが不可欠だ」と警鐘を鳴らしている。』
 
 京都で四人家族、普通に暮らすために、30代で48万円が必要。
 
 恐らく、この金額を「高い」と思ってしまう日本人が多いのではないかと思うのですが、その時点で「狂っている」のです。

 何しろ、【日本の20歳代・30歳代の所得分布】からもわかる通り、97年の30代は、年収500万円から699万円、月収50万円前後を得ている男性が「最も多かった」のです。
 
 97年、日本国民は普通に結婚し、家族を持ち、暮らすことができていた。

 97年橋本緊縮財政により日本経済はデフレ化し、その後、まともなデフレ対策を打った政権はごくわずか(小渕内閣と、正気だったころの麻生内閣のみ)。

 そして、
「デフレ脱却!」
 を標榜して誕生し、すぐさま緊縮財政を強化した安倍政権が七年続いた

 結果、日本人はますます結婚できなくなり、出生数は統計史上初となる90万人割れ。
 
 すべては「政策的な必然」なのです。日本の運命でも、宿命でもありません。

 そして、原因がはっきりしている以上、解決策も明らかです。政府が財政拡大に転じ、雇用関係の規制は強化。国民の所得が安定的に拡大していく環境を全国的に構築する

 これ以外に我々が国家として生き延びる道はないのですが、現実には、
「財務省の緊縮財政至上主義」
「グローバル投資家の利益拡大要求により動く経済界」
 が政治力を発揮し、国民の実質賃金を引き上げる政策は止められる。それどころか、経営者を甘やかす雇用の規制緩和ばかりが進んでいく。

 幸いなことに、我が国は少子高齢化に端を発する生産年齢人口比率の低下により、人手不足が始まりました。
 
 ならばとばかりに、移民受け入れ。
 
 すべては、国民の所得を増やさないために。
 
 そして、デフレと貧困化で国民のルサンチマンが高まると「改革が足りないからだ!」と、さらなる緊縮財政、規制緩和、自由貿易というグローバリズムのトリニティが断行される。

 違います。我が国に必要なのは、改革ではなく「反グローバリズム的政策」へのピボット(転換)なのです。

 歳月が経過するたびに、状況がひたすら悪化していく。それでも、一日本国民としてできることはやりたいと思います。

 というわけで、明日は令和の政策ピボットシンポジウム「令和の政策ピボットは実現可能なのか?」開催日です。前にも書きましたが、
「実現可能なのか?」
 ではなく、
「実現しなければならない」
 のですが、とりあえずテーマとして座りが良いため、上記の通りとしました。

「結婚が贅沢品な社会は狂ってる」 
 この認識を、日本国民の全てが共有する必要があると確信しています。
 
「結婚が贅沢品な社会は狂っている」にご賛同下さる方は↓このリンクをクリックを!
本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。