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12月21日(土)シンポジウム「令和の政策ピボットは実現可能なのか?」が開催されます。
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三橋TV第173回【ケン・ローチ監督最新作から見える搾取ビジネスの恐怖】
 
 一昨日は三橋経済塾第八期最終回の講義開催日でした。ご参加された皆様、お疲れ様でございました。
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 第一回のゲスト講師は、竹村公太郎先生です。台風19号による荒川や利根川の「危機」が、いかに深刻だったか。河川の専門家のお話を伺います。

 
 先日のチャンネル桜の「Front Japan 桜」藤井聡先生と佐藤健志先生の回、
【Front Japan 桜】反緊縮は「憲法違反」だ! / 5%へ減税せよ~露わになった消費増税の「経済被害」[桜R1/12/6]
 が、ものすごく面白かったのですが、前半に佐藤先生が、
「ナショナリズムというOSがインストールされていないパソコンで、MMTというアプリケーションをインストールしても、動作しない」
 という主旨のことを仰り、「なるほど!」と、思ってしまいました。

 MMT自体は、単なる「現代の貨幣の説明」です。もっとも、思想的には中央政府と中央銀行を「統合政府」として捉え、「主権通貨」を発行する。財政ではなく「経済のバランス」を「国家」主導で追求するという考え方になっています。

 といいますか、主権通貨を発行する変動為替相場制の国は、「財政破綻」の可能性はゼロであるため、経世済民を実現することが可能であることを説明したのがMMTです。

 ということは、当たり前ですが主役は「国家」となります。国家が国民のために、主権通貨を発行し、経済をバランスさせる。具体的には、適正なインフレ率の下で、生産性が向上し、国民が豊かに、安全に暮らすことを目指す。
 
 まさしく、ナショナリズム(国民意識)が基盤になっているのです。となると、ナショナリズムというOSが載っていないパソコンでは、MMTは動作しない。厳密には、ナショナリズムを嫌悪する人は、結局はMMTを正しく理解することができないという話になります。

 我が国では、大東亜戦争敗北後、当初はGHQにより、後には「日本人」によりナショナリズムの破壊が進められました

 それでも、戦争を戦った世代が現役だった頃は、まだしもまともだったのですが、戦争世代が引退した「平成」の時代、我が国は驚異的なスピードで「構造改革」されていきます。具体的には、国家を否定し、国境を否定し、カネ、カネ、カネ。「今だけ、カネだけ、自分だけ」(鈴木宣弘先生)、国民が分断され、貧困化し、互いに罵り合い、攻撃し合い、結果的に構造改革がさらに進む形に「構造改革」されたのです。

 MMTによる経世済民は、ナショナリズムというOSの上でなければ正常に動作しない。となると、ナショナリズムを嫌悪する日本人(政治家に多い)は、MMTを理解できない。というか、理解したくない。

 結果、右も左もグローバリズム。左はナショナリズムを批判し、グローバリズム礼賛。右は、口先だけで「国家国民」と叫び、愛国的スタイルを装いつつ、グローバリズム推進。

 そこに、ナショナリズム前提の「MMT」という黒船がやってきたわけで、日本でMMT批判(しかも、中身が適当)が激しい理由が分かります。あるいは、我々が十年以上も前からMMT的なことを主張してきたにも関わらず、全く受けいられらなかった主因が理解できます。

 というわけで、MMTというアプリケーションを使うためには、日本国民の健全なナショナリズム復活をも目指さねければならない。ナショナリズムの「背骨」となるのが、歴史です。歴史とは、国民のメモリー(記憶)なのです(中野剛志先生)。
 
 そして、個人的に最も重要な歴史であると考えているのが、建国史になります。世界最長の歴史を誇る我が国の建国史、つまりは「古代史」を正常化させなければならない。

 経世史論の皇統論で「日本の古代史」がテーマになっているのは、「日本国の建国史」を正しく知ってほしいためなのでございますよ。

 邪馬台国東遷説、邪馬台国畿内説、騎馬民族征服王朝説、さらには「日本は2300年前に朝鮮半島から水田稲作などの文明を教わった」説など、日本書紀や古事記という「正史」を完全無視した、狂った通説を潰すのです。まあ、記紀や中国・朝鮮半島の史書(魏志倭人伝、宋書、三国史記など)を普通に読むだけなので、難しい話ではないのですが。
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※2月15日まで、竹村公太郎先生の「日本文明の誕生~神話から歴史へ~」がご視聴頂けます。
 
『超奇跡! MMTはジブリで分かる!
◆奇跡の経済理論、登場!
 2019年、わが国では消費税率が10%に引き上げられました。
 消費税とは読んで字のごとく、消費することの負担を重くする性格の税。つまりは景気を冷え込ませ、経済をデフレ(需要が供給よりも少なく、ゆえにモノをつくっても売れない状態)へと向かわせる効果を持ちます。
 デフレ不況が長年続いたわが国で、そのような税を強化したらどうなるか、なかなかコワいものがある。
 現に10月の実質消費支出は前年比5.1%減、景気動向指数は前月より5.6ポイント悪化。
 10〜12月期の景況判断指数も、大企業(全産業)がマイナス6.2、中小企業(同)にいたってはマイナス16.3を記録しました。
 まさに総崩れの印象ですが・・・
 そんな日本で最近、話題になった経済理論が「MMT」。
 Modern Monetary Theory (またはModern Money Theory)の頭文字をつないだもので、日本語では「現代貨幣理論」と訳されます。(後略)』
 
 佐藤先生が、スタジオ・ジブリの新社屋建設を例にとり、キーストロークマネー(昔は万年筆マネー)について説明されています
 これまた、実に分かりやすい。
 
「鈴木くん、金は銀行にいくらでもある。人間、重いものを背負って生きてゆくもんだ」(徳間書店の徳間康快社長)
 
 銀行は、現実の「業務」として、キーボードを叩くだけで貨幣(銀行預金)を発行しています。銀行の貸し出し、顧客の借り入れこそが、銀行預金という貨幣を「ゼロ」からこの世に創出します。

 無論、銀行は「誰にでも」貨幣を貸してくれるわけではありません。当然ながら「与信」が前提です。銀行が、借り手は「利払いや返済が可能」であると判断して初めて、銀行預金という貨幣が発行されるのです。

 借り手が貨幣(銀行預金)を借り、投資し、財やサービスを生産し、利払いや返済をしていく。徳間社長のいう「重いもの」とは、借金のことではなく、「財やサービスを生産し続けること」なのでございますね、なるほど。

 そして、統合政府に至っては、与信すら関係なく、「経済のバランス(需要と供給能力のバランス、つまりはインフレ率)」を横目で眺めながら、貨幣を発行すればいい。最近は、財務省のADAMSⅡと日銀のシステムが連携し、政府小切手という「紙」すら不要です。

 日本政府が国債発行で、市中銀行から日銀当座預金を借り、支払いを市中銀行に指示する(振込指示)。市中銀行は、政府からの支払いを受ける企業(等)の預金口座の数字を「キーストローク」。その後、日銀当座預金で、銀行-政府間決済をする(政府の日銀当座預金が減り、市中銀行の日銀当座預金が増える。キーストローク!)。

「政府の国債という借金が増えた!」
 が、いやならば、日本銀行が日銀当座預金を発行し(キーストローク! しつこい?)、国債を買い取ってしまえば、それでオシマイ。

 政府が公共投資として支出したならば、何らかの「国富(生産資産)」が増える。同時に、民間では「銀行預金」という貨幣が増える。何か、問題?
 
 という話なのですが、プロセスを見れば分かりますが、政府が「国民のために支出する」財政出動(及び金融政策)は、まさしく「国家」が主役であり、ナショナリズムが前提になっています。

 ナショナリズムを否定する日本の政治家などが、MMTや財政出動を毛嫌いする理由が分かってきました。とにかく、彼らは「国家主導」が嫌なんですね。

 ちなみに、「ナショナリズムを否定する日本の政治家」には、国家の役割を縮小し、「国家の店じまい」を推進している現与党の国会議員の多くも含まれます
 
 というわけで、今後も「経済」と同時に「歴史」、特に「正しい建国史を取り戻す」ための歴史に関する情報発信を続けて参りますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
 
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