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 一般参加可能な講演会のお知らせ。
年末特別講演会「京都大学大学院教授、元安倍内閣・内閣官房参与 藤井聡様」
2019年12月4日(水) 18:45~ 東京都新宿区
【MMT (現代貨幣理論)を学び、日本経済を展望する】
 
 
 本日はチャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。
 
 先日、ルソーが「社会契約論」に、
「人民が減り、衰微してゆく政府が最悪の政府である。」
 と書いていたことをご紹介しましたが、衰微とは具体的には「貧困化」「困窮」という話だと思います。

 ルソーの生きた18世紀は、今と比べれば生産性が低く、人々がモノ不足に苦しめられることは多かったのでしょう(それでも、イギリスなどは時折デフレになってましたが)。

 いずれにせよ、国民が貧しくなり、人口が減る国の政府は「最悪の政府」ということになります。まさに、今の安倍政権です。
 
『19年の出生数が急減 1~9月、5.6%減の67万人
 少子化のペースが加速している。厚生労働省が26日発表した人口動態統計(速報)によると、1~9月に生まれた子どもの数は67万3800人と前年同期に比べ5.6%減った。年間の出生数が5%を上回る減少となったのは直近では1989年。2019年は30年ぶりの大幅減となる可能性がある。政府は土曜日の共同保育の推進など少子化対策の拡充を急ぐが、人口減に歯止めをかけるのは簡単ではない。
 速報値には日本人に加え、日本生まれの外国人や海外生まれの日本人も含む。日本生まれの日本人に限ると、出生数は速報値よりも年間で3万人程度少なくなる。
 18年の日本生まれの日本人は91.8万人で、現在の減少ペースが今後も続くとすると、19年の出生数は87万~88万人程度になる可能性がある。10年前に比べて20万人程度少ない。1899年の統計開始以来、最少だ。(後略)』
 
 少子化の原因は、しつこいですが、結婚した夫婦が産む子供の数が減っていることではありません。結婚が減っていることです。

 しかも、安藤先生が「三橋TV 第162回」で解説して下さったとおり、
「結婚が減っているため、少子化になっている」
 ことを裏付けるデータの多くは、少子化対策白書に掲載されているのです。少なくとも、少子化対策白書を書いた官僚は、「事実」を認識しているはずです。
 
三橋TV第162回【PBある限り日本の亡国は止まらない、弱者救済も不可能という現実】
 
【歴史音声コンテンツ 経世史論】
http://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
※11月5日から上島嘉郎先生と三橋貴明の対談「自虐史観はなぜ始まり、深刻化したのか」がご視聴頂けます。
 
 
 令和元年版少子化対策白書には、結構、怖いデータが載っており、例えば「50歳時の未婚割合」を見ると、1970年には男性3.3%、女性1.7%だったのが、2015年は男性23.4%、女性14.1%。

 わたくしと同い年の男性の四分の一近くが未婚ということになります。

 とはいえ、「未婚者(18歳~34歳)のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた者の割合」は、男性が85.7%で、女性が89.3%。過去三十年、ほぼ変わっていません。

 つまりは、日本人が「結婚したいが、できない」状況に追い込まれた結果、少子化が進んでいるのです。結婚を望む国民に、「それすら」与えようとしない政府に、存在価値があるのでしょうか。
 
 そして、日本人がなぜ結婚しなくなっているのか。様々なデータをご紹介しましたが、大きくは二つ。
1.実質賃金の低下
2.東京一極集中
 所得関係でいえば、30歳代の男性は、1997年は年収500万円~699万円が約25%と最も多く、二番目が400万円~599万円(20%)でした。
 それが、2017年は300万円~399万円が約20%と最大。(令和元年少子化対策白書、以下同)

 女性が結婚相手に求める年収は、400万円~500万円が26.2%と最大。次が500万円~600万円(22.9%)。

 要するに、男性の年収が低すぎ、結婚が減り、少子化になっている。
 
 そこに、東京一極集中の影響が被さってきます。
 
 
 子供が生まれる地方から、子供が生まれない東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に「若い世代」の人口が移ってきているのです。これでは、少子化が止まるはずがありません。

 東京一極集中の主犯は、というか主犯「も」政府です。何しろ、政府は緊縮財政の下で公共投資について「選択と集中」をしており、選択された東京圏(南関東)以外は見捨てられた状況にあるのです。
 

 
 厄介なのは、
〇 国民の実質賃金を引き下げる
〇 公共投資の選択と集中
 について、安倍政権は「やむを得ずやっている」わけではない、という点です。むしろ「政策」として、少子化推進の実質賃金引下げ(※消費税増税含む)や東京圏への投資集中が行われています。

 つまりは、安倍政権は「故意」に日本人を減らしていっているのです。いや、さすがに「日本人を減らそう」と思っているわけではないでしょうが、確実に減る政策を推進している。業務上過失致死、という感じでしょうか。
 
 一応、書いておきますが、安倍政権が終わったとしても、次の政権でも「実質賃金引下げ」「選択と集中」の政策が続く限り、少子化に歯止めは効きません。つまりは、安倍政権には、
「誤った政策で、日本人を減らした」
 責任を取る形で、終焉を迎えてもらいたいのです。安倍総理に「勇退」などされた日には、次なる政権下でも路線の転換は不可能です。

 それにしても、ジャン・ジャック・ルソーが現在の日本にタイム・スリップしてきたら、安倍政権をいかに評するのでしょうか
私は18世紀の欧州で様々な最悪の政府を見てきた、下には下がいるもんだ
 と、むしろ感心するような気がいたします。
 
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